みしまえみ

五反田にあるIT系の編プロで編集とか翻訳とかやってます。昨年、イランの絵本を出版しまし…

みしまえみ

五反田にあるIT系の編プロで編集とか翻訳とかやってます。昨年、イランの絵本を出版しました。絵本好き2児の母。川崎市在住、長野県出身。仏像。イラン。クリムト。旅行。映画。

マガジン

  • だれも知らないイランの絵本を日本で出版する話

    「イランの絵本を出版したい!」と企画を立てたのが2019年。あっというまに2年の月日が経っていました。 なぜイランの絵本なのか。そもそもイランってどんな国なのか。このマガジンでは、私がイランの絵本を出版したいと思った経緯、イランの絵本の魅力について、書いてみたいと思います。

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編プロの編集者が1冊の絵本を出版するまで

こんにちは。わたくし、渋谷にある編集プロダクションで編集や翻訳の仕事をしている、みしまと申します。突然ですが、このたび、はじめて翻訳絵本の出版を目指すことになりました! このnoteでは、はじめてだらけの編集者とその仲間たちが1冊の絵本を世に出すまでの道のりを綴っていきたいと思います。 「はじめてっていっても、編集プロダクションってそもそも本を作っている会社じゃないの?」 そう思われるかもしれません。でも、いわゆる「出版社」と私たち「編集プロダクション」のお仕事って、結

    • 「出久根育展 チェコからの風 静寂のあと、光のあさ」を見に吉祥寺へ

      こんにちは、みしまです。 少し前になりますが、武蔵野市吉祥寺美術館へ「出久根育展 チェコからの風 静寂のあと、光のあさ」を見に行ってきました。 出久根 育さんのことを知ったのは、出久根さんが国際的な絵本原画コンクールであるブラチスラバ世界絵本原画展で、過去にグランプリを受賞したことのある3人の日本人画家のうちの1人だということを知ったのがきっかけでした(他2人のグランプリ受賞者は、瀬川康男さん『ふしぎなたけのこ』、中辻悦子さん『よるのようちえん』)。その受賞作は『あめふらし

      • ノウルーズに想う

        先週の水曜日、3月20日は春分の日でした。 イラン(やその他の西アジアの地域)では、この日はノウルーズといい、新年をお祝いする日にあたります。ペルシャ語で、ノウルーズのノウ(نو)は「新しい」、ルーズ(روز)は「日」を意味します。まさにこの日から新しい年が始まるのです。 ノウルーズの前日、3月19日にイラン文化センター主催の「ノウルーズ―元旦イラン伝統音楽祭」(@港区リーブラホール)に行ってきました! 楽団グーシェとZARI-ZARIによる刺激的な音楽イベントです。 楽

        • 2023年行ってよかった展覧会③~初山滋、武井武雄、竹久夢二

          こんにちは。みしまです。 前回に引き続き、昨年、訪れた展覧会で印象に残っているものについて、振り返りたいと思います。 私は、幼少期から絵本が好きで、とくに外国の絵本に魅了されていました。そこには知らない世界があり、ページをめくると、私自身がその世界に入り込めるような気がしていたからです。新しい刺激を与えてくれる絵本は外国の絵本なのだと、いつも心のどこかで思っていたところがあります。 しかし、知らなかっただけでした。 『日本の絵本100年100人100冊』(広松由希子 著

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        • だれも知らないイランの絵本を日本で出版する話
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          2023年行ってよかった展覧会②~ハリエット・ヴァン・レーク

          こんにちは。みしまです。 前回に引き続き、昨年、訪れた展覧会で印象に残っているものについて、振り返りたいと思います。 絵本『レナレナ』を通じて知ったハリエット・ヴァン・レークの世界2023年は、オランダの絵本作家ハリエット・ヴァン・レークさんの展覧会に2度伺う機会がありました。 私がはじめてハリエット・ヴァン・レークさんを知ったのは『レナレナ』という絵本です。 レナレナという、髪が長くてスラっと細身の女の子が、好奇心の赴くままに、毎日何かを見つけたり新しい経験をする姿が

          2023年行ってよかった展覧会②~ハリエット・ヴァン・レーク

          2023年行ってよかった展覧会①~junaida展「IMAGINARIUM」

          こんにちは。みしまです。 1年があっというまに過ぎ、新しい年になりました。 昨年、訪れた展覧会で印象に残っているものについて、振り返りたいと思います(1月中に書けるだけ書きたいと思います!)。 junaida展「IMAGINARIUM」まず1つめは、昨年の1月、立川のPLAY! MUSEUMで開催されていたJunidaさんの展覧会。ご自身の初の大規模個展だそうです。 タイトルの「IMAGINARIUM(イマジナリウム)」とは、「IMAGE」と「RIUM」を合わせたJuna

          2023年行ってよかった展覧会①~junaida展「IMAGINARIUM」

          「かがくいひろしの世界展」を見に、イルフ童画館へ

          こんにちは、みしまです。 少し前になりますが、長野県岡谷市にあるイルフ童画館へ「かがくいひろしの世界展」を見に行きました。 ■かがくいさんの絵本との出会いかがくいひろしさんといえば、子育て世代ならほとんどの人が知っているであろう超有名な絵本作家。かがくいさんの「だるまさん」シリーズは、子どものお友だちの家に行くと、必ずといっていいほど本棚に置かれています。 我が家ももちろん例外ではありません。 我が家の場合は、私の母がだるまさんシリーズ「が・の・と」のセットをプレゼントし

          「かがくいひろしの世界展」を見に、イルフ童画館へ

          「初山滋展」を見に、ちひろ美術館へ

          こんにちは、みしまです。 先日、練馬区にあるちひろ美術館へ行きました。ちひろ美術館は、絵本作家・画家のいわさきちひろさんの作品と、ほかにも絵本に関連するさまざまな作品が展示されている美術館です。 ■ちひろさんの絵本と私 私の母が、いわさきちひろさんの絵を好きだった影響で、実家にはいわさきちひろさんが絵を担当された絵本がたくさんありました。ちひろさんの絵を見ると、自然と懐かしい気持ちになり、子ども心に帰るようでした。ちひろさんの絵本を開くと、母に見守られているような気分にな

          「初山滋展」を見に、ちひろ美術館へ

          娘たちと過ごした8年間の保育園生活

          こんにちは。みしまです。 私には2人娘がいますが、今年の3月に下の娘が保育園を卒園。それとともに娘たち2人合わせて過ごした8年間の保育園生活に終止符を打つことになりました。 子どもを保育園に入れる目的は、親が仕事をしている間、あずかってもらうため。子どもを入園させた当時は、そんなふうに杓子定規な考えでいました。でも8年たった今、子どもたちだけでなく、私自身が親として成長させてもらった気がしています。 私には、子育てに不安を感じたときに思い出す言葉が2つあります。それらは

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          「子どもの力 図書館のためのブックフェア2023」に出展しています

          こんにちは。みしまです。 勤務先であるトップスタジオHRが刊行したイランの絵本『ボクサー』が、子どもの力 図書館のためのブックフェア2023」に出展しています。 学校図書館の司書の方々を対象にしたフェアで、5月初旬からはじまり7月末まで、全国43会場を回ります。 イランの絵本『ボクサー』は、「絵本で世界を旅しよう」というカテゴリ出展しています。絵本を通じて、世界に興味を持ってもらえたらうれしいです。世界には、素敵でおもしろく楽しい絵本があふれています! 会場のお近くに

          「子どもの力 図書館のためのブックフェア2023」に出展しています

          「第6回 ブックハウスカフェ大賞」で銀賞を受賞しました!

          こんにちは。みしまです。 先日、神保町にあるブックハウスカフェに伺ってきました。 というのも、勤務先であるトップスタジオHRが刊行したイランの絵本『ボクサー』が「第6回 ブックハウスカフェ大賞」の銀賞を受賞したといううれしいお知らせをいただいたからです。 神保町にある子どもの本の専門店「ブックハウスカフェ」のスタッフの皆さんが選ぶこの賞は、今年で6回目。2021年10月〜2022年9月に出版された本が対象となっています。 1年間に出版される絵本や児童書は何冊ぐらいあるの

          「第6回 ブックハウスカフェ大賞」で銀賞を受賞しました!

          「エゴン・シーレ展」で想う

          2月初旬。上野の東京都美術館で開催中の「エゴン・シーレ展」を観に行きました。東京でエゴン・シーレの大規模な展覧会が開催されるのは、じつに30年ぶりとのことです。 この展覧会に興味をもったきっかけのひとつは、勤務先であるトップスタジオHR発行のイランの絵本『ボクサー』の作者ハサン・ムーサヴィーさんが絵を描き始めたきっかけが、このエゴン・シーレだったからです。ムーサヴィーさんは、子どもの頃、家族のパーティーでいとこがエゴン・シーレの模写をするのを見て、自分も絵を描いてみようと思

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          梅の日の思い出

          梅の花がきれいな季節になりました。 冬の寒々しい景色の中に、赤や白の花がぽっぽっと現れはじめると、心も色づき気持ちも弾んできます。 私が今の家に住んでよかったなと思うのがまさにこの季節。 我が家のある住宅地エリアから、コンビニや小学校が並ぶ大通りに出るまでの間に、梅畑、桃畑、桜の木のある公園が順に並んでいて、季節が進むごとに梅・桃・桜の花を楽しむことができるからです。 まず2月中旬になると梅の花の開花を喜び、少したつと次は桃の花、そして春本番になると桜の花を愛でることがで

          梅の日の思い出

          レモンの想い出

          長女のピアノの先生のお宅には、立派なレモンの木がある。毎年収穫の時期になると、いつもおすそ分けをしてくださる。 いただいたレモンを、唐揚げなどの揚げ物に絞りかけるだけではなんとなくもったいなく思え、レモンの砂糖漬けを作ることにした。 子どもの頃、祖母の家でよく食べたあのレモンの砂糖漬け。そう思いついたら、無性に食べたくなった。 レモンを洗ってまな板の上に乗せ、ザッザッと包丁を入れる。すると、ツーとレモンの新鮮な香りがまっすぐ鼻の穴の中に入り、ぼんやりとした頭が冴えてくる

          レモンの想い出

          わたしの2022年(つれづれなるままに)

          1年があっという間に過ぎ去っていきます。 この1年を振り返って、ぽつぽつと湧き出てくることを書いてみたいと思います。 絵本と私3年前に、ほとんど勢いのような感じで立ち上げた絵本プロジェクト。昨年末に、第一弾の絵本『ボクサー』を刊行し、それからのことを考える1年でした。 通常、私たちが業務で行っている編集プロダクションとしての仕事は、担当部分の作業が終わったら、それで完了です。あとは、見本が届くのを待ち、そのあとその仕事はもう過去のものとなっていました。 ですが、自分たち

          わたしの2022年(つれづれなるままに)

          イランの絵本『ボクサー』のパネル展を振り返って【後編】

          こんにちは。みしまです。 11月3~15日に西荻窪の絵本カフェムッチーズカフェで、「刊行1周年!『ボクサー』絵本パネル展」を開催しました。本記事【後編】では、11月13日に開催されたサラーム・サラームさんのトークイベントについて振り返りたいと思います 【前編】はこちら↓↓↓ ■サラーム・サラームさんのトークイベント 11月13日には、『ボクサー』の訳者である愛甲恵子さんのユニット、サラーム・サラームのお二人をお招きして、楽しいお話を伺いました。ペルシャ語の翻訳者・愛甲恵

          イランの絵本『ボクサー』のパネル展を振り返って【後編】