まだ名前のない感情はたくさんある
仕事でまあまあ病んでいたときがあった(浜松からさらに電車で30分ほど行ったところに週5日常駐。プロジェクトメンバー6人。ひとりインド人、超苦手なプロマネ、などなど)。
常駐前から不思議な仲良くなりかたをした男の子(2歳年下くらいかな?)がいて、その子とときどきデートしていて、その休日もそうだった。
渋谷の書店で「そんなに辛いなら、楽しいところ行こう」ってぴあを見て、小さなサーカスが栃木でやっているってわかって、そのまま栃木へ行った。交通の便が悪くて途中からタクシーに乗った。
サーカスの列に並びながら、四季が一年ごとじゃなくて、一生で移り変わるとしたらどの順番がいいか、みたいな話をした。(村上春樹の小説にそんなのなかったっけ?)
サーカスを見たら、ぱかーんと明るいその世界に、泣けて泣けて仕方がなかった。これはどんな気持ちなのかわからないけど、ひとときの巨大な幸せだった。
田舎の土地にテントを張って、ファミリーばっかりのこの場所で、何泣いてるんだろうって思ったけど、空中ブランコをしているこの人たち(けっこうオッサンもいる)は、こんなに辛い気持ちの大人をこうやって救ってくれているなんて、知らないんだろうなって思った。
そのあとすっかり元気になる……なんてことはなくて、マイナス10だったのがその時はプラスになり、翌日は0になり、その翌日はマイナス2になり……って感じではあったけど、救われたのは本当。
ちなみにその男の子は、初めてのデートで一緒にアメリを見た人。懐かしいなあ。
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