誕生日から数日経って家族に電話をした。

私と母親は同じ誕生日なので、お互いにおめでとう、良い年にしたいねって話してすぐ別の話題へ。

「パパが〇〇（私の姉）と会えたんだよ」

何を言ってるか分からないだろうが、これを聞いた途端に私は帰り道でめちゃめちゃ泣いた。

ちょうど3年程前に、姉が両親と縁を切って出て行った。

理由は根深くて、当の本人にしか気持ちは分からないことなので何も言わないが、どちらも意地っ張りなんだと私は思っている。

私は母親のことが好きだ。
死んだ兄の代わりなんだと勝手に私は思ってしまうのだが、それでも実際にたくさんの愛情を感じている。
どこにいってもパッと場を明るくする、自分の気持ちに正直な人。

私は姉のことが好きだ。
両親が共働きで一人でいることが多かった私の母親のような17歳離れている姉。
真面目で正義感が強いが、人の気持ちを大事にしようとしてくれる人。

どちらも私にとって大切な人で、縁を切った話を初めて聞いた時は呆然とした。

二人とも本質はとても似ていて、元々喧嘩もたまにしていたが気づいたらまたお互いを大切にしていた。
私は家族と喧嘩らしい喧嘩をほとんどしたことがないので、正直少し羨ましい関係だった。

そんな二人が縁を切ってしまってから、互いの間に入れるのが私だけになってしまった。
次男も仲が悪いわけではないが、連絡できる手段を持っていないこともあり私を介することになった。

事が起きてから、私はできるだけ実家に帰り、それぞれの家族と一緒に過ごすようにしている。

特別何かしているわけでもないが、ただ話を聞いてはちょっと話す。
自然とお互いの話が出るのだから、やっぱり気にしてはいるし、繋がってはいるんだと感じる。

一度次男と画策して対面させようとしたが、びっくりするくらい反発されたし、それが親にも伝わり悲しませてしまった。

理由が根深く、姉の家の事情もあって、いまだに仲は修復できていない。
少しずつ距離や制限が緩くはなってきているもまだまだである。

いつも帰省する度に意気込んではいるのだが、毎度また何もできなかった自分が悔しくていつも帰りの飛行機で泣いている。
先はまだ長い。

話が最初に戻るが、そんな中で父親と姉が再会したという。

スーパーで偶然会い、数分程しか話せなかったようだが、それでも本当に嬉しくて嬉しくて泣いた。
一目見れたらいいんだけどね、ってお酒を飲みながらしょんぼり言っていた父親。偶然でも会えたじゃないか。

電話の向こうで嬉しそうに涙ぐみながら話す親の姿を想像してはまた泣いた。
なんなら今これを書きながら思い出して泣いてる。

口下手でふわふわしてる父親なので、きっと「元気か？」くらいしか聞けてないんだろうなと思ってたら、本当にその通りで少し笑った。


これはエゴかもしれないが、私は私の大切な人たちが後悔することなく幸せに生きていてほしいと思っている。
家族が絡むとすぐ泣くからダメ。あーあ。