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➁猫の暮らしー5.猫の病気

こんにちは。2匹の愛猫と暮らす中で、猫のことをより深く理解したいとねこ検定を受けることにしました。
今回は「猫の病気」についてです。
いつどんな時に病気になるかわかりません。事前に知っておくことで予防・早期発見ができるようにしておきたいですね🐈
難しい単語が多く、読みづらいかもしれませんが、知識としてインプットしてほしいです!


猫は1年で人間の約4年分だと言われており、病気の進行スピードも早いです。病気にかからないための生活を愛猫に提供してあげましょう。

1.泌尿器

「泌尿器」とは尿を作り排出する器官の総称。
大きく下記4つに分けられます。
1)尿を作り出す左右の腎臓
2)膀胱に尿を運ぶ尿管
3)尿を溜めておく膀胱
4)膀胱から尿を輩出する尿道
身体に対して腎臓が小さく、濃い尿をつくる猫は泌尿器の病気にかかりやすく、腎臓の細胞は一度壊れると再生しないので、日ごろのケアでリスク軽減が大切です。

Point

➀腎臓のネフロンの数が少ない
腎臓は体の老廃物を尿として排出する器官。ネフロンという組織が集まって構成されていますが、腎臓1㎤あたりのネフロン数が犬10,300個に対し猫は7,900個と少なく腎臓病にかかりやすいです。

➁若い猫に多い下部尿路疾患
泌尿器の中でも膀胱から尿道を「下部尿路」といい、膀胱炎や結石ができる尿石病などをまとめて「猫下部尿路疾患(FLUTD)と呼びます。

③日頃から水をたっぷり飲ませる
水を飲まないと尿が濃縮され結石ができやすくなります。猫はあまり水を飲まない動物のため、水をたくさん飲ませる工夫が必要。

代表的な病気

◎慢性腎臓病(CKD)
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腎臓の機能が低下して老廃物が体内にたまる
高齢猫の代表的な病気。
加齢による腎機能の低下などが原因で、初期では無症状だが、多淫多尿などの症状があらわれて飼い主が気づくころには腎臓の機能の約7割が失われている。腎機能をほとんど失うと死に至るので早期発見・治療が大切。

◎尿石病(尿路結石病)
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膀胱でできた結石が炎症を引き起こす
尿中でミネラル分が固まってできた結石によって、膀胱や尿道に炎症が起こり、血尿や頻尿の症状が見られる。
尿道に結石が詰まって排尿できない尿道閉塞は、尿毒症を引き起こして命に関わる危険な状態に。尿道が細くて長いオスは特に注意。

◎膀胱炎
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最近感染や結石などで膀胱に炎症が起こる
膀胱に炎症が起こる病気。
ストレスが原因で起こることが多く、尿石症を併発していることも。
血尿や尿のにごり、頻繁にトイレに行くが少量しか出ない、排せつ時の痛みなどの症状が見られる。トイレを清潔に保ち、排せつを我慢させないことが大切。

2.感染症

ウイルスや細菌などの病原体による猫の感染症は免疫力の低い子猫が感染すると数日で命を落とすものもあれば、数年の潜伏期間を経て発症するもの、発症しないものなど様々です。ワクチン接種で予防できる病気もありますので、定期的なワクチン接種を。

Point

➀室内飼育でも感染の可能性あり
感染経路には「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」「血液感染」「母子感染」などがあり、多くは猫同士の接触で観戦。ただし、完全室内飼育×多頭飼いでも飼い主が病原菌を運んでしまうケースもあるので油断は禁物。

➁多頭飼育では感染拡大に注意
多頭飼育の場合、1匹がかかれば他の猫にも移る可能性大。
感染した猫をしっかり治療、別の部屋に隔離し、感染猫の食器やタオルなどはきちんと消毒しましょう。

③ワクチンがある病気・ない病気
ワクチンがある病気は「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「猫汎白血球減少病」「猫クラミジア感染症」「猫白血病ウイルス感染症」「猫エイズ」です。

代表的な病気

◎猫風邪
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一度感染するとウイルスが体内に残ってぶり返すことも
「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「猫クラミジア感染症」の総称。
くしゃみ、鼻水、席、目ヤニ、発熱などの症状が見られ、「猫カリシウイルス」は口内炎や舌の潰瘍(かいよう)、「猫クラミジア」は結膜炎の症状が特徴的。

◎猫汎白血球減少症
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子猫では死亡することも
パルボウイルスが原因で腸に炎症が起きて白血球が急激に減少する。
食欲不振、発熱、嘔吐、血便などが見られる。

◎猫白血病ウイルス感染症
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ケンカ傷や食器の共有、毛繕いで感染
母子感染も多い。強い週間~数年と潜伏期間が長い。
発熱、貧血、リンパ腫などの症状が見られる。

◎猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
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ケンカ傷などで感染、感染しても発症しないことも
数年の潜伏期間を経て発症すると、免疫機能の低下や慢性的な口内炎などの症状が見られる。

◎猫伝染症腹膜炎
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発症すると致死率が高く予防ワクチンもない
腹水や胸水がたまるウェットタイプ、腎臓やリンパ節にしこりができるドライタイプがある。

3.内分泌

内分泌とは身体の様々な働きをコントロールするために欠かせないホルモンのこと。バランスが崩れて正しく分泌されなくなると身体に様々な異常が現れます。

Point

➀「亢進病」と「低下症」
ホルモンの分泌が増えすぎる「亢進病」は内分泌腺の主要や肥大が、分泌が不足する「低下症」は内分泌腺の破壊や萎縮によって起こります。

➁ホルモン異常の症状
多飲多尿、元気・食欲がない、沢山食べるのに痩せる、落ち着きがない、毛づやが悪い、皮膚が薄くなる・熱くなるなどが見られます。

③どんな猫でも対象に
加齢や肥満も原因のひとつに挙げられますが、若い猫でも見られることもあります。血液検査・ホルモン測定によって診断し、症状が落ち着くように治療を。

代表的な病気

◎甲状腺機能亢進症
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7歳以上の猫に多い
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、食欲旺盛と体重減少が主な症状。
投薬や食事療法で分泌を抑えるほか、甲状腺切除手術をすることも。

◎糖尿病
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肥満の猫に多い
インスリンの量が低下して血糖値が上がる病気で、多飲多尿、食べるのにやせるなどが主な症状。
インスリン投与と食事療法で血糖値を調整する。

4.消化器

体調の変化で症状が現れやすく、下痢や嘔吐などの症状は猫では日頃からよく見られますが、重大な病気が潜んでいるかもしれないので注意が必要。

Point

➀代表的な症状
食欲不振、嘔吐、下痢、便秘が主。異常が起こっている場所や病気の重さによって症状が変わります。

➁消化器症状が起こる原因
実に様々で、腎臓疾患、感染症、内分泌の病気、主要など、消化器以外の病気で見られることもあります。

③手がかりは重要
下痢や嘔吐の回数、頻度、色、出血の有無などが病気特定には重要。
吐いた物や便を病院に持参したり、写真で記録しておきましょう。

代表的な病気

◎胃腸炎
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腐ったものや冷たいものを食べたことや、再起にゃウイルス感染で発症。
激しい下痢や嘔吐がみられ、脱水症状も。

◎巨大結腸症
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慢性的な便秘によって結腸が拡張したままになり、便を押し出す力が弱くなることで更に便秘が悪化する。
食欲不振、嘔吐、脱水などの症状が見られる。

◎毛球症
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毛繕いで飲んだ毛が排泄されず、大きな塊となって胃腸の動きを妨げる。
食欲不振、吐き気、便秘などが見られる。

◎内部寄生虫症
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回虫、条虫などの内部寄生虫が腸内に寄生し、栄養不足や発育不良に。
食欲不振、下痢、嘔吐などが見られる。子猫は重症化しやすい。

5.循環器

全身に血液やリンパを流通させる期間の総称。心臓が代表的で血管も含まれます。

Point

➀猫でも多い心筋症は「肥大型」
メインクーンやアメリカンショートヘア、ラグドールに多く見られます。
他に「拡張型」「拘束型」があります。

➁減少してきた「拡張型」
タウリン欠乏が原因の一つである拡張型心筋症はキャットフードにタウリンが添加されるようになり、減少しました。

③中年以上で発症、根治は難しい
心臓疾患の原因はよくわかっていません。
合併症を予防し、投薬や商事療法などで症状を和らげます。

代表的な病気

◎フィラリア症
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蚊を介してフィラリアの幼虫が体内に入り、成虫が灰や心臓の血管に寄生し発症。
咳や呼吸困難、食欲不振、体重減少などが見られる。

◎肥大型心筋症
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主に左心室の筋肉が厚くなり、左心室が狭くなることで機能が低下。
結石ができて後ろ脚の血管に詰まると足を引きずる。呼吸困難や失神なども見られる。

6.顔周り(耳・目・口)

耳や目は猫が外界からの情報を取り入れるために重要な感覚器官。
毎日顔を合わせていれば異常に気付きやすいので日頃からチェック。

Point

➀耳の症状
外耳、中耳、内耳に分けられる。耳を掻く、頭を振る・傾けるなどが一般的な症状。

➁目の症状
目ヤニや涙、目の濁り、結膜の腫れ、目をこするなどの症状は要注意。

③口の症状
口の中に炎症があると、よだれや口臭などの症状が見られ、痛みから食欲不振になることも。

代表的な病気

◎外耳炎
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耳ダニ、最近やカビの感染など原因はさまざま。
かゆみがあり、耳垢がたまって悪臭がする。

◎歯周病
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歯垢の中の歯周病菌の繁殖によって、歯茎などに炎症が起こる。
よだれ、口臭、歯が抜ける他、菌が血流で全員に運ばれて各臓器に悪影響を及ぼす。

◎結膜炎
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回まぶたの裏側などの結膜の炎症。クラミジアなどの感染や傷が原因になることも。
目ヤニ、充血、涙などの症状が見られる。

◎角膜炎
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眼球の表面を覆う角膜の炎症。
異物混入などによる傷や感染症、緑内障などが原因に。
光がまぶしくて盛んに瞬きをしたり、目をこすろうとする。

7.皮膚

猫は犬に比べると皮膚病は少ないと言われていますが、近年では増加傾向にあります。

Point

➀皮膚病の原因
寄生虫や真菌の感染、栄養障害、アレルギー、自己免疫疾患、心因性、内分泌性、紫外線、大気汚染などさまざま考えられます。

➁皮膚病の症状
かゆみ、赤み、発疹、しこり、フケ、かさぶた、脱毛などがあります。

③大切なこと「原因をしっかりつきとめること」
塗り薬などで表面的に症状が一時的に治っても、原因を取り除かなければ根本的な治療になりません。

代表的な病気

◎アレルギー性皮膚炎
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ノミや花粉、カビ、ハウスダスト、食べ物などが原因。
発疹、激しいかゆみ、フケを生じ、掻くことで脱毛することも。
アレルゲンを特定して除去することが大事。

◎猫痤瘡(ねこざそう)
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猫の面皰で主に下あごに黒いぼつぼつや赤発疹ができ、悪化するとかゆみや痛みも。根本原因は不明だが、毛穴に油やフケがつまることが一因。

◎皮膚糸状菌症(白癬)
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皮膚糸状菌という真菌(カビ)の感染が原因。
顔や耳、身体のあちこちが円形に脱毛し、フケやかさぶたが見られるがかゆみは少ない。人にも感染。

◎猫疥癬(ねこかいせん)
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ネコショウセンコウヒゼンダニが寄生し、耳の淵や顔の皮膚に入り込むことで発症。
激しいかゆみでかきむしり、脱毛、かさぶたなどが見られる。


8.がん(悪性腫瘍)

ひと昔に比べると猫の寿命は延びましたが、反面、高齢化に伴ってがんの発生率も高まっています。猫の死亡原因の上位にランクインしています。

Point

➀全身さまざまな部分で発症
大きく分けると、皮膚や粘膜から発生する「上皮系腫瘍」、それ以外から発症する「非上皮系腫瘍」がある。

➁がんの原因
老化、遺伝、環境、紫外線や放射線、ホルモン、ウイルスなどさまざま。受動喫煙で悪性リンパ腫の発症率が高くなると言われています。

③がんの治療法
人と同様、外科療法(手術)、放射線療法、抗がん剤や分子標的薬による化学療法、免疫療法、温熱療法や凍結療法などがあります。

代表的な病気

◎リンパ腫
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血液中のリンパ球ががん化して、胸部や消化器、腎臓、皮膚などに腫瘍ができる。
猫に最も多くみられるがんで、猫白血病ウイルスの感染が原因になることも。

◎扁平上皮がん
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耳やまぶた、鼻、唇、口腔内など顔の周りに多く発症する皮膚がん。
かさぶたや腫瘍ができる。
紫外線の浴びすぎが原因のひとつとされ、白猫で発生率が高い。

<次回>


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猫のいるしあわせ

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