ロキ シーズン2の勝手な解釈

ロキ シーズン2。全体の描き方が相当にSFだなぁ、と思いながら見ていたんだけれども、最後に至ってかなり状況を説明しない描写策をとってきたので、果たしてそういうことなんだろうか……? という吉田的解釈を書いてみます。違うだろ、って人は突っ込み入れて楽しもう。あとは公式発表待ち……!

※以下ネタバレ。


■TVAは結局どこにあるの?
TVAの存在する場所(と言っていいのか)は、いわゆるマルチバースの外にある。そのことによって全ての時間軸を監視出来る視点を得られるんだけれども、「存在しない時間と空間に、どうやって〈時間と空間〉を作っているのか」。それが時間織り機の役割。時間と空間を「束ねる」(正確に言うと観測する)ことによって、その上位空間を作っている。

■なんで時間織り機が暴走してるの?
元々「あり続ける者」によって制御されていたTVAが、たった一つを除いて全ての時間軸を消去しまくっていた。そのため時間織り機が束ねなければならない時間軸が1つしかなかったので、処理が軽かった。しかし「あり続ける者」が死んだことによって時間軸の消去が行われなくなり、時間織り機は膨大な時間軸の処理をしてTVAのための時間と空間を作らなきゃならなくなり、過負荷でメルトダウン寸前。

■時間織り機が壊れたらどうなるの?
TVAの存在する場所がなくなる。そうすると、時空間戦争を引き起こしたという「あり続ける者」の変異体たちを抑える手段がなくなる。という危機感でもってロキは一生懸命時間織り機を守ろうとしていたんだけれども、一方でシルヴィは「変異体が出てきても私が全部殺す」「これまで散々剪定してきたTVAは壊した方がいい」という立場。
そういう道もありかも、とロキは諦めかけたけれども、実は時間織り機はTVAの存在場所を作るだけの物ではなかった、というのが最終話のターニングポイント。「あり続ける者」は、自分が殺され時間軸が枝分かれしていった場合を想定していて、時間織り機に別の機能も持たせていた。それはメルトダウンした場合、神聖時間軸以外の全ての時間軸を破壊する、という物。そのため枝分かれしたシルヴィの時間軸やOBの時間軸も破壊されてしまった。
※でもこの解釈だと、一時的に破壊してもまた別の枝分かれが出来るんじゃないの? という疑問は残る。

■どうしてロキは時間移動能力を身につけられたの?
最初はシルヴィが「あり続ける者」のタイムパッドを使ってロキを移動させたからじゃないか、「時間の終わり」に行った影響じゃないか、等言われていたけれども、シルヴィが同様の力を得ていなかった事を考えると、ロキが本来持っていた力、と考えるより他にないように思えるけれども……?

■最終話でロキがやろうとしていたこと、あれは何?
ステップ1. 時間織り機の修復を試みる
最初は時間織り機の処理能力を増やして、TVAの存在する時間と空間を守ろうとしていた。しかし枝分かれする時間軸は最終的には無限大の数となる。無限大の時間軸を処理する方法はない……!(ヴィクターはそれを「0で割るような物」、いわゆるDivZeroと表現していた。)
ステップ2. 「あり続ける者」の殺害を止めさせる
続いてロキは、シルヴィに「あり続ける者」を殺させない方法を考える。けれども「あり続ける者」を生かしておいても、結局それは神聖時間軸を守るだけだという事で、枝分かれしていった時間軸に存在するあらゆる可能性を潰すことになり、あんまり意味はないんじゃないかと思い始める。
ステップ3. じゃあどうする?
時間織り機では無限大の時間軸を処理してTVAの居場所を確保する処理能力はない。でもTVAがないと時空間戦争を防ぐ手段は残らない。どうしよう……? そこでロキは、時間の制御方法を取得した自分が時間織り機となることで、TVAを守ったのだった!


以上、ロキ シーズン2の吉田的解釈でした。相当に時間SF要素が強く、かつ上手くエンタメ路線に(辛うじて?)残せている上手い作りだなぁ、と感心しきり。でもこれ普段SFに触れていない層は相当意味がわからんのじゃないだろうか……? などと物書き視点では結構気になる。どうなんだろう?

ともかくこのままだとロキはTVAの中から動けなくて、今後の登場が危ぶまれる……シーズン3はないのかなぁ。ヒーローターンしたロキをもっと見たいよ頼むよケヴィン・ファイギ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?