目的を持たない、という贅沢。
今日の朝ごはん、私はトーストにして、(4人中2人は、もちを選択。)はりきってコーヒーをいれる。
めったに飲まない店でいちばんの深煎りのコーヒーが開封されていたので、持ち帰った。
フィルターに入れた豆はまさに黒くて炭っぽい(実は苦味が強くてみんなに敬遠されがち…)、でも私は意外と好きなのだ。
そのまま飲んで、スモーキーだけどさらりと過ぎ去っていくその感じもいいのだけれど、ミルクをたっぷり入れてカフェオレにするのが好き。
フランスの小さな宿でも朝食に必ず出てくるみたいな…冷たいミルクと半々にたっぷり作って飲むのがいい。
(20年前の思い出に浸る…雰囲気の勝利かもしれぬよ。)
今日は、美容院に行ってきた。
いつもならすぐ近くの専用の駐車場に停めるのだけれど、今日は少し離れた駅前の駐車場に停めて、歩いて向かう。
ひとつの目的として、今年私がやりたいなぁと思っていることが関係していて、終わって店を出てから、なんとなく街なかを目的なくぶらぶらと歩く。
小さな路地に入って歩いて、ちょっと引き返してまた違う路地に入ったりして、歩く。
あ、ここお花やさんだ、とか、ミナペルホネンのお店だかわいいなぁ、とか外観とウィンドウの中だけこっそり愛でながら歩いたり…
今の店とあっているのかわからないような古い味わいある看板のあるお店をいくつも横目に見て…
目指してきたのにお休みで、がっかりしている方たちがのぞくお菓子やさんを通り過ぎ…
私はてくてく目的なく歩く。
すると、コーヒーのメニューが書かれた素朴な看板に出合う。
あ、名前きいたことある、こんなところにあったんだ、というコーヒー屋さん。
でも、そんなにゆっくりしている時間はない、また今度…
そう思って通り過ぎたのだけれど、くるりと引き返して、カラカラと引き戸を開けて入ってみる。
またいつか、と次の目的にしてもいいのだけれど、この出会いのタイミングを無駄にしない、と今日の私はなかなか決断が早かった!
古民家風の建物で、床や壁に使われている木の風合いもすてき、天井の低い感じもひっそりと落ち着く感じ…。
テーブルは古いミシンの台でできていて、店の中央にはレコードがたくさん入った棚があり、BGMにはジャズが流れている、もちろんレコードで。
私はコーヒーとチーズケーキを頼んで、写真を2枚だけとり、あとはただ音楽に耳を傾けマスターがカウンターの中でコーヒーを入れているだろう動作を見ながら、ゆっくりと口に運ぶ。
時間にすると短いあいだだったけれど、とても満たされたのでした。
それこそ若いころはよく街の中を知っていたけれど…
子どもがいるようになってからはなかなか追い付けないままで、知らないものとの出合いが多いからこそ、うれしい。
そしてたいていの場合、目的に向かって、時間を気にしながら移動していることが多いので、これは私にとってとてもぜいたくな行為であるよ。
そして、気に入った場所には、月に1回くらいは足を運びたい。
それは、あり続けてほしい場所を応援することにもなると思うから。
ちょっと長くなりました。
今日も読んでいただいて、ありがとうございます。
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