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戻れないなら行かない!


     自分に厳しく他人には優しく。

時代錯誤かと思われるるくらいに自己管理をしっかりしている人ばかりに囲まれていると、
自分に厳しく周りの人には優しくが、当たり前になってしまっていて。

自分には厳しくしていても、周りの人にはそれを求めずに、その人なりの在り方を理解してあげる。

私には、なかなか難しい。
そして、それは素晴らしいことであると理解はしています。

社会に何かあれば匿名で大枚の寄付をし、
近所に困っている人いれば、手をさしのべる。決して吹聴したりなどはしない。

人の為に何をかを出来たということは嬉しいことと考えなさい。

家族、親族一同の中で、

私は大人世代では一番若い、皆が皆、先輩さん、年上さん。

中学生の頃から、難しい子、理解し難い子と、チラチラ云われていましたが。

父方の祖母は自他ともに厳しい人で、その厳格さが、多人数で社会的にも忙しい家族をまとめてきたのでしょう。

それに比して母方の祖母は、自他共に甘い人。甘い人なので破天荒に動き、多々好き勝手に出来てきたのかなと思うのですが。

その祖母は私と似ているらしく。外見も性格も。祖母は胸を張って、自分の善き理解者は私であり、親族一同の中で一番自分の血を濃く受け継いだのは私であると豪語しています。

小柄で大きな目、すばしっこい動きをして、、。価値観が一般的ではない。

人助けも沢山していますが、本人は助けたという感覚はなく、ほっとけないよ、ほっておくなんて出来ないでしょ、ただそれだけ。

祖母は祖父に大切にされてきて、人生悔いないと言いきるくらいに、好き勝手に生きてきました。

ところが、

祖父が亡くなってしまい、人が変わったように、しょんぼりして家に閉じ籠っていました。
それが今年、1周忌が過ぎると、俄然元のお茶目なおばあちゃんに戻ってきています。

「なーちゃんは、よくやってるよ、、あんな、厳しい人ばかりの中で、息つく暇ないでしょう、、偉い、偉い、」

「当たり前って怖いよ。
私なんか、娘に会いたい、孫に会いたいで札幌に行っても、だいたい1泊で疲れちゃって、、」

「そうなの、それで、おばあちゃんは札幌にマンション買ったの?」

「ああ、そうだよ、、、もう、年で行けないからね、、なーちゃんに売ってもらったけどね、」

「キリキリしないで、適当にね!」

はーいと言いつつ、、自分の置かれた環境は、自身では気づかないものなのだと。

そして、やっとハツラツとしてきた祖母は、

「優しかったお祖父ちゃんがいなくなって、

毎日、早く私を呼んで!早くそばに呼んで!って手を合わせていたんだけどね、

おじいちゃんは毎日夢に出てきてくれてね、

一周忌の3日前にね、

こっちに一度来たら最後、戻れないぞ!

って言うの。

そんなら、行かない!
戻れないなら行かない!って言ってやったの、、、

夢の中だけどね。

そうしたら、それから夢にお祖父ちゃんは出て来なくなってね。

家族がいるし、

離れていてもなーちゃんもいるからね、

もう少し、この世で楽しむことにしたよ。」

と。

戻れないなら行かない!

吹き出しちゃいます。

祖母は祖父がいたので、安心してあちこち飛び歩いていたのでしょうね。

あの世に行ってしまった祖父、祖父のそばには行きたいけれど、

この世に戻れないなら、

行かない!!

祖母らしい!

そして、その夢の中での祖父との会話から、祖母はお茶目な祖母に戻ってきています。

戻れないなら、行かない!

この感覚は私にもあるのです。

戻れる場所があるから、今の私があるのでしょう。