精神の安定したわたし
精神の安定したわたし、のような人に出会った。
半年前に出会ったその人は、
「すこしでも嫌なことがあるとすぐに逃げたくなってしまう。働くのが向いていないのだと思う」
とこぼすわたしに
「まだ天職に出会ってないだけなんじゃない」
と言った。
それはあまりに新鮮だった。
ああわたしにはこのことばが必要だったのだ、と気がつき、だいじにしまった。
「働かなくてもいいじゃん」
とヤサシイ言葉をかけてくれる人は多いけれど、わたしは働いてみたいのだ。それもバリバリと。
だから、ほんとうは働くのが嫌なんじゃなくて、天職に出会いたくて足掻いてるだけなのかもしれない、と思ったらとても腑に落ちたし、救われた。
そんなことばをかけてもらえて、ありがたかった。
この人は満ちたわたしだ、と感じて、こうなりたい、と思った。
以来、わたしはときどきバスに揺られるようになった。その人に会うために。
あなたといると、わたしはいつもよりか穏やかになれる。
あなたといるわたしが好きで、好きと思えるわたしにしてくれてありがたいなあと思う。
あなたは、わたしの中に眠っているほんの少しの優しさをよびさます。
わたしたちはこれからどんな言葉をかけあうのだろう。
わたしはなにかすこしでも返せるだろうか。
あの日ていねいに包んだことばは今日もわたしのポケットにいるよ。
わたしの膝に頭をのせ、すやすやと眠る君へ
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