2章-(6) 余波続きと姉便り
文化祭の翌日は毎年休日と決まっていた。香織は昨日からたっぷり眠れて、なんとか日常に戻ろうとしていた。朝食から戻って、明日からの授業の方に、目を向けなくてはと、英語、数学の本を取り出していた。
直子がへやに戻ってくると、こう言った。
「オリ、瀬川班長に訊いたのだけど、金曜日にお部屋替えの発表があって、日曜日にお引っ越しだって」
「そうだった! 荷物まとめがあるね。こまった、それどころじゃないのに」
香織は予習だけではなくて、文化祭のニットモチーフの注文、残り43枚を仕上げる