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香織の試練(2)ーあじさい寮物語別伝ー

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母・姉の出身有名校に、補欠以下で辛うじて入学、入寮できた香織は、苦労の連続の中、小さな趣味を特技と学園長に認められ、夏休み中に製作を頼まれる。2学期にその特技が波紋を起こすことに… もっと読む
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記事一覧

明日から『香織の試練 (2) 』を 始めます。

やっぱり連続掲載を途切らせたくなくて、お終いまで書き上げました! 推敲不足が気になります…

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1章-(1) 寮に戻り直子と再会

わあ、懐かしい!まだ暑くてたまらないけど、正門を入って、けやきの高い木や、桜並木の影のお…

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1章-(2) クラスで額縁騒ぎ

クラスへ行くのが楽しみだった。夏休みに、大阪の実家にまで電話をくれた佐々木委員長に、再会…

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1章-(3) 香織作品の専属係

すると、隣の席の横井さんが、ハイハイ!と声といっしょに両手を挙げて、新たな提案を出した。…

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1章-(4) 結城君と校内散歩

「元気してるかい?」 「ん、元気よ。声が聞けてうれしいな」 「オレも。今すぐ正門まで行くよ…

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1章-(5) 褒め言葉と呼び名

ミス・ニコルは結城君が、香織の特技のことを知らなかったことに気づいたようで、言葉を尽して…

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1章-(6) 文化祭まで

9月はクラスの全員が、文化祭熱に浮かされて、先生たちが苛ついたほど だった。 若杉先生は、国語の時間にわざと抜き打ち漢字テストをやらせたり、国語のテキストの『鶴女房』の台本の部分を、よひょうとおつうの台詞を、数組に当てて、感情こめて読ませる競争をさせたりした。香織も横井さんと2人で当てられた。よひょうの横井さんが声色を使って、上手にやってくれたので、香織はそれに合わせ易くて、終わった時、大きな拍手を受けた。 横井さんはとっても嬉しそうだった。 英語は T

1章-(7) 若杉先生の驚愕ぶり

文化祭当日、若杉先生が教室の扉を開け、ぐるっと室内を見まわした時の、仰天の顔と言ったら!…

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2章-(1) 文化祭にママ!

清和女学園の文化祭は、人気が高く、近辺の見学者から 卒業生たち、他の高校や学園の人たちな…

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2章-(2) 大きな波紋

香織は憧れのユキさんを前に赤くなって、なんと言おうかと迷いながら、 おじぎだけは深く丁寧…

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2章-(3) 香織今後を問われ

「疲れたでしょう、オリ、これ、差し入れよ」 横井さんが3時過ぎに、他のクラスの出店から買…

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2章-(4) 文化祭2日目

文化祭2日目は日曜日でもあり、新聞に出たことも話題となって、1Bの 廊下の行列の長さといっ…

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 2章-(5) 大変な後始末!

午後の休憩は、保健室でなんとか眠れたけれど、それでも人疲れは深かった。5時でベルが鳴り、…

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2章-(6) 余波続きと姉便り

文化祭の翌日は毎年休日と決まっていた。香織は昨日からたっぷり眠れて、なんとか日常に戻ろうとしていた。朝食から戻って、明日からの授業の方に、目を向けなくてはと、英語、数学の本を取り出していた。 直子がへやに戻ってくると、こう言った。 「オリ、瀬川班長に訊いたのだけど、金曜日にお部屋替えの発表があって、日曜日にお引っ越しだって」 「そうだった! 荷物まとめがあるね。こまった、それどころじゃないのに」 香織は予習だけではなくて、文化祭のニットモチーフの注文、残り43枚を仕上げる