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連載13・魔術抜きでタロットは語れないよね!?

19世紀、マルセイユタロットに
宇宙の創造の叡智を反映する「神秘学」を関連付けた
フランスのエリファス・レヴィのアイディアは
イギリスに渡り、

マグレガー・メイザースが
タロットカードと神秘学を中心に
この世の真理を追求する組織を
創立するきっかけになりました。

その組織は
「黄金の夜明け団」と呼ばれる魔術結社です。

日本語で「魔術」というと、
なんだか怪しく聞こえてしまうんですよね。。。

でも、魔術=magickの語源は
「賢者」という意味のmagiなので
おどろおどろしいものではありません。

むしろ日本語「魔」術なんて誤訳したの誰よ!?と
憤慨したくなるぐらいです💦

魔術とは
宇宙の真理の中に存在する
自分の在り方を見つめて
人生を自分の手で創造するアート」と
「人生について論理的に考えるサイエンス」の
バランスある生き方を追求する方法のこと
です。

だから、
魔術はいわゆる「スピ系」や宗教ではないし、
なんの努力もせず人生を楽にする非現実的なメソッドでも、
怪しげで危険な活動をすることでもありません。

タロットに関連づけられた「神秘学」は
魔術を実践するための考え方で、
それが究極説いていることは、
「どのようにより良い人生を生きるか」
「自分らしい人生を生きるコツ」といった、
現代の心理学にも通じる人生の処方箋のような考え方です。

ちなみにロンドンには「黄金の夜明け団」設立時の、
100年以上前、
メイザースと懇意にしていた方がオープンした
小さいけれども歴史ある、
今も絶賛開業中の
タロット、神秘学、魔術、占術を専門に扱う有名な本屋さん
「Atlantis Bookshop」があります。

占いとは違うマニアックなタロットの使い方の本を多数ゲット!
ロンドンに行ったら是非寄ってみて〜!(2021年撮影)


店内にはメイザースの肖像画と(右端上)黄金の夜明け団が実際に使った魔術道具の数々が飾ってありました、歴史に触れた瞬間、感動です!!


メイザースはレヴィのアイディアをベースに
神秘学とタロットの繋がりをさらに練り上げ、
タロットカードを神秘学の教科書として位置づけて

ウェイト・スミス(ライダー)タロットや
トートタロットの根源となった
「黄金の夜明け団タロット」を創作しました。

黄金の夜明け団のタロットカードと
タロットの神秘学思想は
出来た当時は結社のメンバー以外
門外不出の秘教でしたが、

20世紀以降、世に出ることになって
ヨーロッパ・アメリカの
英語圏で作られるようになった
「占い」タロットの基盤となりました。

だから、今のタロットの「原点的な決まり事」は
カード(の絵柄)ではなくて、
神秘学の「思想」のほうです。

この、カードの原点にある思想を知らないと
タロットの本質を理解することは難しくなります。

タロットリーディングは
カードを混ぜて、出して、メッセージを読み取ると言う
とてもシンプルな手順のものなのに

「なんだかわからないけれど
なぜか難しい」と感じる方が
とても多くいらっしゃいますが

その理由は
タロットカードがそもそも何か、ということを
原点から知らないからなのでしょう。

歴史のある占術には
どんなものでも
占いに使われるようになった背景があって、
原理体系がしっかりしているので
結論がどうしてそうなるか、
理論からの説明と深読みが可能になるので
相談者さんから納得してもらえます。

その反面、
解説書の言葉をひとこと、ふたこと言う程度では
「なんでそういう結論になるの?」という説明が
合理的にできなくて
薄っぺらい表面的な占いになってしまいます。

だから「占いに使われるようになった
タロットカードの原点は神秘学」という
バックグラウンドを知ってカードを理解すれば
深く、臨機応変に自由自在に解釈できるようになりますし、

地に足ついた言葉で「なるほど」と
納得してもらえます。

そして納得してもらうことこそが、
「心に寄り添ってもらっている」
「当たっている」いると感じてもらうことです。

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タロットを本質から知る連載、続きます😃♪

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参考:
The Book of Thoth, by Aleister Crowley, 1944

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