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クウジュ セリエという言う勿れ? -Le point sellier-

改めて乗馬の鞍を見てみると、カッコいい形… 手縫いだろうか?
馬の鞍にも乗馬、競技、競馬など形の違いがあるが、今の時代ミシン縫いで作られているモノあると思うがどうなのだろう。

鞍の製作での手縫い技法をサドルステッチ(英/saddle stitch)と呼ぶ。
サドルステッチのフランス語は何と言うんだったけ?
何とかセリエ… Cómo se llamaba…

スペイン バレンシアのマルバロッサビーチの北に並ぶパタコナビーチにて撮った写真。
芦毛のお馬さん達と散歩に来ていたカッコいいお姉さん2人とお兄さん。


革の手縫い方法とフランス語… クウジュ セリエ?

スペイン語は少々わかりますが、フランス語は全くわかりません。

"言葉はちゃうけどな、文法は結構似てるねんで!!" と、
過去通ったスペイン語学学校で、おフランス女子がそう言っていた。
スペイン語発言を関西弁訳、雰囲気をお伝えいたしました。

フランス語で馬の鞍をセル(selle)、馬具製造、修理、販売する人をセリエ(Sellier)と呼ぶと…
昔々、馬の鞍は馬具職人による鞍の手縫いの技法で作られていたが、時代と共に移動手段が馬や馬車から車へと移り変わり、鞍や馬具製作の高い技術と手縫いの技法を革鞄や革製品の製作方法に活かし続けてきたことで、現在も革の手縫いの技法として広く使われている。

その手縫いによる縫い方を、フランス語でクウジュ セリエ(cousu sellier)、またはクチュール セリエ(couture sellier)と呼ぶと言う。先のサドルステッチと同じ意味の言葉である。正しい発音は"クゥジュ"かと思います。

わたしが手縫いで主に行う縫い方"両面斜めのステッチ"がそれであるが…

オモテ、ウラ(内部)も斜めのステッチとなる。
このステッチにするにはヨーロッパ目打ちという道具を使う。後に少し説明する。
(わたしの場合、作るモノにより違うスタイル、若干違う縫い方をすることもある。)


stitchは縫い(方)、縫い目など、coutureは縫製、裁縫、仕立て、どちらの言葉も名詞として"何々縫い、何とか縫製"だなと理解する。
ただクゥジュ(cousu)は、coudreという動詞(自・他 / 縫う、縫い合わせる)の過去分詞と知り… クゥジュ セリエ(cousu sellier)、文法的になんか変だけど? 略した口語???

似た並びの言葉を革製品の刻印で見たことがある。
cousu main(クゥジュ マン) main=手、手縫い製の刻印。きっと略語だろ…
形容詞的に、念入りに作られた、上等な…などの"話し言葉"で使われたりするらしい。関西弁なら、ええやつ、ええもん…語彙。

語学学校で毎度errorを訂正された過去を持つと、他の言語も気になる…

クゥジュ セリエ… どうも気になる?
フランス語圏で実際に手縫いの方法、"何々縫い、何とか縫製"という言葉で使われているのか? 
coudre sellierと動詞の原形、不定詞に置き換え打ち込みググったら…
ずら〜っと違う言葉や文章が出て来た。


プアン セリエ -Le point sellier-

プアン point、 英語のポイントと同じスペルの言葉… 初めまして。
La couture au point sellier.  Cousu à la main au point sellier. などの文章や言葉にて、革の手縫い方法など説明しているサイトが並んでいた。

エルメス(Hermès)のサイトもヒットしていたので、手縫い製品ではどう説明されているのか確認してみたら、La couture sellier、 Le point sellierの言葉。
現在も製作し続けている鞍や馬具等、乗馬&ドットコレクションの馬具商品の説明には"Coutures en point sellier"(サドルステッチで縫製)。

プアン セリエ=サドルステッチと自分の中で着地した。

そのプアン セリエ、サドルステッチに必要な道具を少しだけ。
この"ヨーロッパ目打ち"(pricking iron)と以前の記事で紹介した道具"オウル(awl)"が、その手縫い方法とステッチに必要不可欠な道具となる。

右と中央、メーカー別のわたしの使う"ヨーロッパ目打ち"
全ての先端、刃先は線の形状となっている。

もう一つ、日本製の"火造りの菱目打ち"(Diamond pricking iron)。
過去に使っていた道具で、noteでは見せたことのない道具…のはず。
日本やアジアではこちらを使う人も多く、上記とは異なる形状で先端は尖った形、縫い方も微妙に違い、裏面側は直線の縫い目になる。
違いはあれど同じく丈夫な手縫い方法なので、ジャパニーズ サドルステッチと言っておくかと。

右が火造りの菱目打ち、職人さんが使うタイプ
左はリーズナブルタイプの菱目打ち、主に初心者や趣味の人が使う。

道具でした、少し続きに戻ります。

エルメスが1997年に日本の漫画にて出版した"エルメスの道"
馬具工房から鞍屋へ、そしてメゾンとなるまでの約150年間の歴史物語。
1920年頃の章で、クゥジュ セリエという言葉が出てくる。時代背景として、馬や馬車が全盛の頃に使われていた略語表現なのだろうか? 謎。

どうでもいいような事に、何を時間を使って考えているのだろうか…
ただ単に、職業的に使う言葉として、海外の言葉であっても実際に使われている言葉や現在の表現を知っておきたい。ただ、それだけなの…です。


補足と日本語カタカナ表記

フランス語の正しい発音、口の形や発音記号などは知らないのです。
pointの発音、いくつかのサイトで聞いた発音は"プアンやプァン"と聞こえ、ちょっと鼻母音も入っているような? プアンと書かせて貰っております。

スペイン語はアクセントの位置はあるが、発音に関してほぼローマ字読みでも通じるので楽だが、他の海外言語の発音はどれも難しいよね…
お国訛りはどこの国にもあるが、ローマ字読みのカタカナ表記は正しい発音を知らないと変な言葉になるだけだなと…思いつつ反省もしたり。。。

言語オタクではない日本語話者、海外言語のローマ字読みと母音の強い言語の染み付いた、勉強不足のわたしには… フランス語も英語もその他の言語も含め、その発音も難しい。。。

ではまた、¡Hasta luego!





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