「今回のTV討論会で負けたのは、アメリカの有権者」とまで言われた、悲惨な結果に終わった第1回テレビ討論会。

Decent man （まっとうな人物）のはずのバイデン候補が、こんな発言までしてしまいました・・・

Will you shut up, man.
（いい加減に黙ってくれないかな）

Will he just shush for a minute?
（1分でいいから、口を閉じられないんだろうか）

Keep yapping, man.
（きゃんきゃんわめいていればいい）

新型コロナでの死亡者が20万人を超えたことについては、

Well, it is what it is because you are who you are. 
（こうなったのは仕方ない、だってあなたがそういう人間なんだから）

こうなった原因は、主にトランプ大統領が相手の発言を遮る行為を続けたからで、バイデン候補はある時点から、なるべくカメラの向こう側にいる視聴者に向かって語り掛けるよう、スタイルを変えました。

2回目以降の討論会では、新たなツールが導入される

以下は、大統領テレビ討論会のスポンサーとなっている大統領選挙討論会委員会（CPD）が、水曜日に発表した声明の抜粋です。

Last night’s debate made clear that additional structure should be added to the format of the remaining debates to ensure a more orderly discussion of the issues.
 （昨夜の討論会で明らかになったように、より秩序ある形で政策を討論するため、残りの討論会においては、現在の討論形式に新たな枠組みを追加する。）

The Commission is grateful to Chris Wallace for the professionalism and skill he brought to last night’s debate and intends to ensure that additional tools to maintain order are in place for the remaining debates.
（当委員会は、プロフェッショナリズムとスキルをもって司会を務めたクリス・ウォレス氏に感謝を述べたい。そして、残りの討論会には、秩序を保つためにツールを追加する意志があることを保証したい。）

司会者が、ミュートボタンを使えるようにする、とか！？

トランプ陣営の討論会戦略

「ここまでアメリカは堕ちたか」と思った有権者がいる一方、トランプ陣営は「トランプ大統領は力強く、場を支配した」と評価。

トランプ大統領は戦略として、誰に投票するかを決めかねている有権者が、この討論会でウンザリし、棄権することを狙っている、とも言われています。

本来の大統領選テレビ討論会を見たければ、The West Wing

本来、最も格式の高いはずの大統領選のディベートでは、知的な、頭の格闘技が繰り広げられるはず。。。

お口直しに、The West Wing （邦題：『ザ・ホワイトハウス』）のテレビ討論会シーンをどうぞ。マーティン・シーン演じる現職のバートレット大統領が、政策をキャッチフレーズで分かりやすく語る対立候補に対して、反撃に出るシーンです。

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いがらしじゅんこ：会議通訳者

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