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定時制勤務の心得(生徒対応編)

こんにちは、公立高校で英語教員をしているHIPPOと申します。
私が3年間夜間定時制高校に勤務して感じたこと、特に今回は生徒対応について書いていこうと思います。当然、守秘義務がありますので詳細は書けませんが、心構えのような感じで書きたいと思います。これから定時制で働く先生方や、定時制勤務に興味のある先生方のお役に立てれば幸いです。

結論としては次の点です。
1. 自分一人で抱え込まない
2. 発達障害等について学ぶ
3. 自分のできることをやる
4. サポートを必要とする生徒が多い


  1. 自分ひとりで抱え込まない
    これは定時制に限らずですが、とても大切だと思いました。夜間定時制は本当に多様な生徒が在籍しています。精神的に不安定な生徒の割合も高いです。私の学校も他の高校と同様、クラス担任制度がありましたが、担任だからというだけで生徒は自分の抱える問題について話をしてくれません。中には、男性というだけで男性教員に対し拒絶的な反応をする生徒もいます。担任だからといって、自分のクラスの生徒は自分がなんとかしなければと思い詰めるのではなく、養護教諭や異性の先生、ベテランの先生など周囲を頼ることで、信じられないぐらい簡単に問題が解決することもあります。

  2. 発達障害等について学ぶ
    夜間定時制は発達障害やグレーゾーンの生徒の割合が高いです。それぞれの特質によって例えば、光や音、気温や匂いを敏感に感じ取り、集中力がなくなったり、時にはイライラしたりする生徒もいます。こちらが気にもとめない事が、ある生徒にとっては大きなストレスになるということです。生徒の不適切な態度や言動をとったとき、その事実に対する指導は必要ですが、何かこちらが気づかないような事が原因になっている可能性を考えることが大切だと思います。個人として教育書を読んだりして発達障害について学ぶことは大切ですが、職員研修として講師を招いて発達障害について学ぶ機会を設けたりすると、全教員が基本的な知識を共有できるので、より一貫した生徒対応ができるようになるのではないかと思います。

  3. 自分のできることをやる
    私が全日制から異動してきて感じた大きなギャップの一つが、退学者の多さです。年度にもよりますが、1年間で全校生徒の1割程度が退学していたと思います。入学時に20名ほどいたクラスも、卒業時には一桁しかいないこともあります。異動してきたばかりのころは、特にクラスで問題が起こると、クラス担任としてどうにかしなければと意気込んでいました。自分のクラスで退学者がでると、自分の力不足のためにこうなってしまったのだと思っていました。
    しかし、後ろ向きに聞こえるかもしれませんが、教員がすべてを解決できるわけではないんだと感じ始めたことで、少し自分の気持は楽になりました。それからは、教員としてやれることをやって、結果だめなら仕方ないと割り切ることにしました。教員として心身を安定させて生徒と接することは、何より大切なことだと思いますし、そのためにもどこかで自分の「できること」と「できないこと」の線引をする必要があると思っています。

  4. サポートを必要とする生徒が多い
    私は全日制勤務時代、指導スタイルは「高校生は自立するべきで、教員の指導は必要最低限であるべき」という感じでした。その時は、それなりに生徒とも上手く関係を築けていたと思います。しかし、夜間定時制ではなかなか上手くきませんでした。結局自分のスタイルを変えられないまま3年間が過ぎていきました。中学時代に不登校だった生徒、外国籍で日本語が不自由な生徒、学習障害を持った生徒など、いろんな問題を抱えた生徒にとって、必要だったのはステップバイステップで寄り添ってくれる教員だったのかなと今は思っています。定時制に限らずですが、人は段階を経ることでしか成長していかないのだということ、必要な指導は生徒によって変わるのだということに気付かされました。


この記事が少しでも、他の先生方のお役に立てれば嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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