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【第2回】『ストーリー』ヴァンフォーレ甲府観戦記~ACLラウンド16第2戦 vs蔚山~

負けましたね。

前回の観戦記で割とゴリゴリしたことを書いたので、今回は雑感のようなものをただ書き連ねて見たいと思います。

岩魚も言ってましたけど、マジで勝ち進むなら0-3で終えた1戦目をどうにかしなきゃいけなかったわけで、2戦目の敗戦のショックというかあんまりないですよね。

2戦目も前半から決定機がいくつかあり、どれかが決まっていれば……的な試合でしたが、それは第1戦の時点からの話で、2戦目は明らかに相手もリードが4点に広がってから集中力、インテンシティ落ちてましたから、その状態でいよいよチョ・ヒョヌが本領発揮という流れを見ると、ああやっぱりなんだかんだで終盤セットプレーから一矢報いるぐらいが限界だったんだなみたいな。

悲観や批判をしたいわけではなく、これがチームの現在地であると。長いシーズンの特性上、やはり時間の経過とともに試合へ取り組む力・モチベーションというのは上がっていく。そこには我々サポーターからは100%を眺めることの出来ないチーム内のストーリーと、我々サポーターやチーム内外問わない様々な時間とが共有されることによって醸成される勝利への道筋があるでしょうから、グループステージを突破した時より今のチームが弱かったとしても不思議は無いです。

選手層でいえば昨季に勝るとも劣らない陣容だと思います。シーズンスタートから関口の控えに飯田がいるとかちょっと考えられない。試合前から試合後に至るまでこのチームの主人公のような振る舞い・プレーを見せる木村なんかもいる。まあ彼らがレンタルなのはJ2のご愛嬌ということで、逆に彼らのような選手層を借り物ではなくチームそのものの資産としていくためには、若手を育てて売るだけのチームから脱却するためには、やはりJ1昇格は欠かせないですよね(昇格したところでそう簡単には多分変わらないけれど)。

正直試合内容というより試合前後のエピソードとかが気になっていて、たとえば試合前や試合中にエンブレムを掴み、チームを鼓舞していたという木村の話や、天皇杯決勝でコーナーキックの流れから先制点を決め、ACL決勝トーナメントで最後の最後にやはりコーナーキックから反撃弾を決めた三平の試合後からインタビューに至るただごとではない表情とコメントなど。

ACL敗退は寂しいけれど、今年のチームかなり期待していて、チーム始動時から和やか過ぎるほど和やかだったこのクラブが、韓国最強の蔚山にコテンパンにされ、J2リーグ開幕前に敗北の悔しさを知った。そして多方面からのお力添えも頂きながら、平日の国立に16000人余りを集めるこのチームの不思議な魅力とサポーターの声を新加入の選手たちも知った。トレーニングマッチ全勝!とかそんなことがどうでもよくなるほどの、誤解を恐れず言えば「ありえない」経験を、糧に出来ないほどこのチームはヤワじゃない、でしょう。何せその先頭に最高のムードメーカーで酸いも甘いも知り尽くした頼れるベテランボンバーヘッドがいる。道に迷いようが無いというか、もし自分がサッカー選手だったらこんなクラブにいたいよとかそんな無責任なことを考えてしまうほどに、私は期待しています。

別に試合見てて甲府強いなとか思わなかったし、三平があれだけ厳しいことを言っていたということはきっとまだまだ伸びしろがあるということで、今シーズンもその過程を楽しみつつ共に戦える喜びで胸がいっぱいですよね。ただ痺れることに、この連敗の先に待ち受けているのがACL出場の立役者・吉田達磨率いる徳島というのがこれまたのんびりもしていられないというか、つまりあの時吉田達磨で天皇杯を制し、ACLを戦い抜いて今どの程度やれるチームになったのかというところは、これはチームの現在地どうこう関係なくプライドの問題として見せねばならない。割と今季最も負けたくないチームじゃないですか徳島って。フットボールってストーリーだし。清水と徳島には負けられないと思ってるサポーターの方多いと予想します。

本当に取り留めのないことを書きましたが、いよいよJ2開幕です。ACLどこいった。連戦で体力的には不利な点もありますが、ターンオーバーでACLグループステージ突破したチームとも言えるので、苦しい台所事情ならむしろこちらの土俵というか、誰が出てもさほどスコアに大差無いのが甲府だと思いますから、やはりストーリーにも注目しながら今季Jリーグ初戦勝てるよう応援しましょう。

さあ行こうぜ俺らの甲府
共に戦えみんなで歌おう

私設応援団 HINCHAS 「インデペ」



追記

観戦記を書いていたら嬉しいニュースが飛び込んできました。小さな地方クラブとはいえ、今シーズン10番を背負う彼がこういう決断をしたことは嬉しいし、試合だけでなく1人の選手の人生としてサポーターとしても後押ししていきたいですよね。
鳥海選手、ご結婚おめでとうございます!

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