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目標持て!と言われて育ったけれど…

「目標を持って生きていきなさい」「目標から逆算して行動しなさい」と言われ続けて生きてきた。

小学生の時、バブルが崩壊した。

お小遣いやお年玉の話題になると「バブル崩壊したから、あんまりもらえなくなったよね」なんて子ども同士で話していたし、年上の従妹は就職氷河期が始まった頃ででかなり苦労していた。

たぶん、そういうこともあると関係してると思うんだけど、「不景気」が定着した中学生になったら、「お金稼ぎよりやりがいを」「会社に行けばお金がもらえる時代じゃなくなった」というようなことを何度も学校で言われるようになった。

3年生になり、進路について考えるようになっても、「将来なりたい仕事をまず決めて、そこから逆算して進路設計すること」と担任から教わったんだけど…、正直、中3で将来の仕事が明確になってる子って、少なくない?

いやいや、今から将来の仕事決めるなんて無理やん、と冷めて考えていた私は、進学校の普通科を選んだ。高校・大学と勉強する中で仕事を考えたいと思っていたから。

クラスメイトには「保育士になりたい。だから、保育科のある短大の付属高校に入る」と進路を決めた子もいた。
中学生にして進路を決められるってすごいなぁ、とも思った、少しは。
でも、これから行動範囲が広がって、もっとたくさんのものを見聞きすることになる。だから、今の時点で決めてしまうのはもったいない、という気持ちの方が本当は大きかった。

だって…高校で勉強を頑張ったら、保育科のある大学・短大の選択肢はもっと増えるのに。

かくして、普通科の高校、文系の大学へと進んだ私は・・・

進学校へ進んだからには四年制大学へ!大学生になったからには就活して一般企業へ…と疑いもなく進んだ。そのほかの選択肢は考えもしなかった。

一方で、高校・大学の同級生はと言うと・・・

・大学時代、バイト代をコツコツ貯めて、卒業ととともに米国留学
・高校時代から「自動車関係で働きたい」と言っていて、本当に自動車メーカーの開発職に
・高校時代から英語の勉強を頑張っていた子は、実はCAに向かってまっしぐらだった(そして、夢が叶って今も現役)

あ、みんな、、、目標持ってたんや・・・。

社会人1年目の私は、急に「何者でもない」自分の将来が不安になった。
私、このままでいいの???

ハッとして「何者かになりたい」「目標を、夢を持って叶えなきゃ」と慌てだした。

編集者、ライター、アロマセラピスト、ヨガ講師…とにかくお金をつぎ込んで勉強して、「目標達成」したり、その手前までいったり。(そこそこ良い車が買えるくらい自己投資した)

でも。。。。「何者かにならなければ」という意識が先行してしまうと、何者にもなれない。
「頑張ってる私、すごいでしょ?」って思ってるうちは、成功できっこなかったんだ。

仕事!目標!に囚われていて、周りの人やものをないがしろにしてしまい、失ったこともある。
「目標を持たなきゃ」と意識した途端、生きづらくなった。

「目標を持たない」生き方もある

カッコいい目標なんてなくたって、幸せに生きている人は五万といる。

箕輪編集室で取材させていただいたスタジオジブリ・鈴木敏夫さんの記事を読んで、わかったこと。

”なりゆき”で生きる、”目の前のことをただやる”という生き方もあるんだ。
(もっとも、「なりゆきで生きよう!」と決めているわけではないんだろうけど)

今の自分にできることを、ただやる。今の自分が楽しいと思うことを、ただやる。

まあ、実際にはこれで食べていくのは簡単ではないから、みんな悩むんだけど…、「目標を持て!」の洗脳から解かれたようで、少し心が軽くなった。

柔軟に、しなやかに生きていける人になりたい。

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