見出し画像

植物性ミルクはヘルシーで美味しい?味と成分を比べてみた

ひよこ部で管理栄養士のEriです。
夫が再生可能エネルギーの仕事をしていることもあり、環境×食について興味津々です。また、妊娠中なので食の安全にも今まで以上に関心を持っているところです。

さて、皆さんは普段牛乳を飲んでいますか?
最近ではコンビニでもスーパーでも、牛乳の横にアーモンドミルクやオーツミルクなどの植物性ミルク(代替乳)が並ぶようになりました。豆乳も含め、植物性ミルクは栄養たっぷりでヘルシーなイメージがありますよね。
今回は、植物性ミルクは本当にヘルシーなのか、そして美味しいのか!?味と成分を比較してみました。


牛乳は悪者?植物性ミルクが流行るワケ

牛乳は牛の子どもが飲むものなので人間の体には合わない、乳牛に抗生物質が与えられている、乳がんの原因になる…等々、牛乳に関する悪いうわさを聞いたことがある方も多いと思います。そのようなうわさから、「植物性ミルクの方が体に良さそう」というイメージを持つのではないでしょうか。ですが、牛乳が体に悪いということが科学的に証明された研究はまだありません。(ただし、牛乳に限らず摂りすぎれば体にとって悪影響となり得ます。)
それよりも牛乳の持つ栄養素を摂取するメリットの方が大きいので、牛乳であれば1日コップ1杯(200ml)程の摂取が推奨されているのです 。特に日本人のカルシウムの平均摂取量は少なく、ほとんどの人が骨量を維持するために必要な量がとれていない状態のため、カルシウムの含有量が多く吸収率が高い牛乳・乳製品は貴重なカルシウム源となっています。

他方で、最近ではサステナブル(持続可能)な食品として植物性ミルクが取り上げられるようになってきています。

画像1


このグラフは、コップ一杯(200ml)当たりの牛乳、ライスミルク、豆乳、オーツミルク、アーモンドミルクの製造に関わる環境負荷を、温室効果ガスの排出、土地の利用、水の利用について算出し、比較したものです。植物性ミルクに比べ、牛乳がいかに多くの温室効果ガスを排出し、自然資源を必要としているかが分かります。乳牛を育てるのに大量の水と飼料が必要となること、そして牛のゲップ等に含まれる温室効果ガス(メタンガス)が原因となっているのです。

サステナブル(持続可能)な食品という考え方では植物性ミルクを選んだ方が良さそうですが、味や栄養価についてはどうでしょうか?あくまでも個人の評価になりますが、比較していきたいと思います!

植物性ミルクを飲み比べ!

今回比較したのは以下の7製品です。
左から3点は大体どこでも手に入ると思いますが、alproのオーツミルクは都内の成城石井で、右の3点はなんと栃木県日光市に出張した際にローカルなスーパーで見つけました。

画像10ではひとつずつ、実食(飲)!!

1.調整豆乳(キッコーマン) 
お馴染みの製品ですね。少し甘すぎると感じることもありますが、飲みやすく美味しいと思います。個人的には牛乳の代わりに飲むならこちらです。

画像2


2.おいしい無調製豆乳(キッコーマン)
豆腐がそのまま液体になった味です。豆腐の原料なので当然ですが…。甘さはないですが、大豆が好きな人であれば大豆臭以外の変なクセはないです。牛乳の代わりに料理に使うのがおすすめです。

画像3


3.アーモンドミルク 砂糖不使用(ポッカサッポロ フード&ビバレッジ) 
香りはほんのりアーモンド、味はさっぱりかつほんのりアーモンドの風味がします。変なクセもなくとても飲みやすい。自然な甘味は感じられないので、甘さがほしい人は加糖のものを選ぶか、甘味を足して飲むのがおすすめ。

画像4


4.オーツミルク(アルプロ) 
ほぼ無臭ですが、若干甘酒っぽいにおいがします。味はとてもさっぱりでほんのり麦の香り。ただし後味と鼻に抜ける香りにクセがあるので、そのまま飲むのはちょっとキビシイかな。コーヒーに入れたり料理に使うなら良いかもしれません。

画像5


5.アーモンド効果 3種のナッツ(グリコ)
アーモンドの良い香り。さらっとしていてナッツの風味が美味しいです。甘味は強めなので、さっぱりしたココアを飲んでいるよう。ちょっと甘いものがほしいときに良さそうです。

画像6


6.マカダミアミルク 砂糖不使用(キッコーマン)
香りはほとんどなし。無糖なので甘味はなく、ほんのりマカデミアの風味がします。クセはないがあまり味もしないという印象。このまま飲んで美味しいと思うものではないので、ココナッツミルクのようにお菓子や料理に使ったり、何かを割って飲むのが良さそうです。

画像7


7.オーツミルク(マルサン)
ドロっとしていて、ほんのり甘味あり。アルプロのオーツミルク(無糖)よりクセがなく飲みやすいですが、やはり独特な香りはします。味的にはそのまま飲むにもおすすめ。

画像8


本当にヘルシー?原材料&栄養成分比較

味について比較してみましたが、原材料や栄養面から考えて、植物性ミルクは本当にヘルシーなのか?比較のために牛乳も含め、表にしてみました。

画像10


原材料と添加物で見てみると、原材料がシンプルで無添加なのは牛乳と3.無調整豆乳のみ。次いで1.調整豆乳(キッコーマン)と7.オーツミルク(マルサン)が原材料・添加物共に少な目となっています。
栄養価についてはそれぞれ特徴があるので、低カロリーが良いなら牛乳・豆乳よりもナッツ系ミルク、たんぱく質も摂りたいときは牛乳・豆乳、食物繊維重視ならオーツミルクなど、摂りたい栄養素によって飲み分けると良さそうです。

牛乳と比べて植物性ミルクはヘルシーなのか?については答えが難しいですが、無調整豆乳を除いて、植物性ミルクは飲みやすくするために砂糖や油脂、添加物等が使用されている商品が多く、一概にヘルシーとは言えないと私個人は思います。ただし、牛乳を飲むとお腹が緩くなってしまう方や乳アレルギーの方、環境配慮のため動物性ミルクを控えたい方に選択肢が増えてきたことは嬉しいですね。最近はスターバックスでも牛乳の代わりに豆乳だけでなく、アーモンドミルクやオーツミルクも選べるようになりました。
植物性ミルクもどんどん新しい商品が出ているので、今後は素材を活かして添加物を抑えつつ、更に美味しい商品が開発されることを期待したいです。

まとめ

植物性ミルクの味と原材料、栄養価について比べてみましたが、いかがでしたでしょうか。
私はほぼ毎日牛乳とヨーグルトを摂っているので、栄養素の偏りを防ぐためにもスープなどのお料理やスムージーを作る際には豆乳を取り入れるようにしてきました。環境のためにも植物性ミルクをもう少し取り入れようかと思いましたが、やはり添加物を含む原材料が気になるので今後も豆乳を使うことになりそうです。
そして、豆乳の原材料である大豆やその他の植物性ミルクに使用されているナッツ類はほとんどが輸入品なので、原材料の輸送に環境負荷がかかっていることも忘れてはいけないポイントですね。

今後の新たな商品にも期待しつつ、楽しみながら賢く植物性ミルクを取り入れていきましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?