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ドリーマー(夢老い人)とは。

知人の女で30過ぎてもなおメジャーデビューを目指してる、自称シンガーソングライターがいる。

楽器は全く弾けず、音楽事務所やオーディションに送りつけてるデモ音源は、まさかのアカペラ。
声だけで勝負したいらしく。
曲はといえば全盛期の矢井田瞳とaikoと椎名林檎を混ぜ合わせて限りなく薄めた感じの、どことなく既聴感のある、サビで声が裏返る変調の多い感じ。
練習は平日の真夜中の公園。
彼女なりにこだわりがあるらしく「オリジナルで勝負してるから、テレビのカラオケ系オーディションの番組にだけは出たくない。」そうで。

ちなみに以前行った路上ゲリラライブでは、カラオケ音源を流しながらスピッツのチェリーを歌っていたらしい。
あるときその女から、iPhoneの内臓マイクで自宅レコーディングしたアカペラのデモ音源のCDを渡され「絶対聴いてね!感想聞くから!」と言われてしまう。

その女に
「・・・了解。で、普段どんな邦楽聴くの?」
と聞いてみたところ
「え?邦楽なんてダサすぎて、普段洋楽しか聴かないし。あまりに今の邦楽がダサいから、私が邦楽の固定概念をぶち壊そうって思ってる。」
と真摯なまなざし。
「そうなんだ。がんばってね。」
と話を切り上げる。

そんな彼女、20代前半の頃はエイ○ッ○ス系のオーディションを受けて、いいところまで行ったことはあるとかどうとか。(本人談)

この女は音楽に対する情熱が強いのも影響してか、正義感も人一倍強く。やたら何げないシーンで「かわいそう」を探すのが得意で。
例えば、猫と子供がじゃれ合うほのぼのした動画をYOUTUBEでみつけたときは「子供が猫の尻尾を握ってる!猫さんがかわいそう!虐待!」と騒ぎだしたり。
それだけ社会に対する「メッセージ性」が高い彼女。

自分は彼女をどうやって応援したらいいのかわからないが、彼女が成功できることをただ願うばかり。

ちなみに、こういう感じの夢追い人、個人的には嫌いではない。


追記:
アウトデラックスの柿沼さんが、若い頃参加したオーディション動画見たら元気が出ます。
柿沼しのぶ - スカートを履いた果実(ザ・デビュー編)

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