【エニアグラム】統合の方向・ストレスの方向

エニアグラム・ファシリテーターの高橋あけみ(@akemi_ennea)です。

それぞれのタイプは、ストレスが強くなったり、成長へ向かったりするときに、普段とは異なる性質が表れてきます。

「普段はこんなことしないのに、どうして?」と、自分自身も周りの人もびっくりするかもしれません。

今日は、その仕組みについてお話ししていきたいと思います。

※エニアグラムって何?という方は、性格タイプ論「エニアグラム」とは?をご覧ください。

「統合の方向」「ストレスの方向」とは

エニアグラム図を見ると、タイプ同士が直線で結ばれています。

エニアグラムの図 数字入り_

これは、成長したり、ストレスがかかったりすると、直線でつながったタイプの特徴が表れるということを意味しています。

成長に向かう動きを「統合の方向(または成長の方向)」と呼び、ストレスがかかったときの動きを「ストレスの方向(または分裂の方向)」と呼びます。

自分のタイプがどのような動きをするかを理解しておくことで、調子の悪いときの兆候に気づきやすくなったり、成長するために必要なことを実践しやすくなったりします。

それでは、各タイプがどのような動きをするかについて見ていきます。

タイプ1の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ1は本来、責任感が強く、しっかりしていて、自分の感情や欲求を抑制する傾向があります。

しかしストレスがかかると、タイプ4のように気分が変わりやすくなり、感情の起伏が大きくなります。「自分だけが責任を負っていて、誰も自分の頑張りを分かってくれない」という思いが強くなり、疎外感を抱きます。

また、タイプ1は本来、善悪の意識が強く、「これは正しい/これは間違っている」と思いこむ傾向があります。

しかし成長するにつれて、タイプ7のように柔軟になり、多様な価値観を受け入れることができます。肩の力を抜き、ありのままの自分や他者を受け入れ、人生で起きることを楽しみます。

タイプ2の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ2は本来、人に対して寛容で、気前が良く、親切に振る舞います。

しかしストレスがかかると、タイプ8のように人への要求が強くなります。自分が相手にしてあげたことに対して、十分な見返りが得られていないと感じ、不満や文句を直接的に言うことがあります。

また、タイプ2は本来、他の人のことを気にかけますが、自分自身のケアをすることが苦手です。

しかし成長するにつれて、タイプ4のように自分自身の気持ちを大切にします。感情をありのままに認め、心と身体をいたわります。人に好かれるためではなく、自分自身のために良いことをします。

タイプ3の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ3は本来、積極的で、目的を達成するためにてきぱきと動きます。

しかしストレスがかかると、タイプ9のように反応が鈍くなり、意欲が低下します。作業を機械的にこなし、気持ちが入らなくなります。燃え尽きたようになり、周りの人や物事に対し、無関心になります。

またタイプ3は本来、競争心が強く、周りよりも秀でていなければと感じます。

しかし成長するにつれて、タイプ6のように誠実で、協力的になります。自分ひとりの成功を追い求めるより、全体の目的達成のために貢献します。正直で、周りの人たちと信頼関係を築きます。

タイプ4の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ4は本来、人に好かれるような行動を取るよりも、人と距離を置いて、自分自身の気持ちや美学を大切にします。

しかしストレスがかかると、タイプ2のように、人に執着し、依存的になります。人から必要とされるために、過剰な親しさを見せたり、世話を焼いたりします。好きな人への所有欲や、嫉妬深さが強まります。

またタイプ4は本来、感情に飲み込まれやすく、内省したり空想したりすることに多くの時間を使う傾向があります。

しかし成長するにつれて、タイプ1のように自分を律し、理想を実現するために、建設的な行動を起こします。感情に流されて気分のままに生きるよりも、日々の努力を通して、自らの才能を育てます。

タイプ5の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ5は本来、注意深く、集中力があり、よく考えてから行動します。

しかしストレスがかかると、タイプ7のように落ち着きがなくなり、注意力が散漫になります。孤立や不安を埋め合わせるために、節操なく物を買ったり、様々な活動に衝動的に飛び込んだりします。

また、タイプ5は本来、大きな責任や挑戦を引き受ける自信がないと感じ、「観察者」として周囲に関わろうとします。

しかし成長するにつれて、タイプ8のように自信や決断力をもちます。人生の課題に挑戦する力があると感じ、周りの世界に積極的に関わります。抽象的に思考するだけでなく、現実的な戦略を立てることができます。

タイプ6の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ6は本来、協調性があり、誠実な態度で信頼関係を築きます。

しかしストレスがかかると、タイプ3のように競争心が強くなり、自分をよく見せようとします。周りに受け入れられたいという思いがより強くなり、好ましい印象を与えたり、仕事に駆り立てられたりします。

またタイプ6は本来、不安や恐れを感じやすく、自分を信頼することが困難です。

しかし成長するにつれて、タイプ9のように内面が安定し、心が落ち着きます。自分自身を信頼するとともに、周りから十分に支えられていることを感じます。自分の信念に従うだけでなく、多様な考え方を受け入れます。

タイプ7の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ7は本来、伸び伸びとしていて、細かいことにあまりこだわりません。

しかしストレスがかかると、タイプ1のように完璧主義的で、批判的になります。他者への要求が強くなり、至らない点を指摘します。神経質になり、細かいことが気になります。

またタイプ7は本来、気が散りやすく、一つの物事に集中し続けることが困難です。

しかし成長するにつれて、タイプ5のように落ち着きを得て、一つひとつの体験を十分に味わいます。次から次へと刺激的な活動に飛び込むよりも、真に価値のある活動にエネルギーを集中させることができます。

タイプ8の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ8は本来、自己主張が強く、行動的で、リスクを恐れずに挑戦します。

しかしストレスがかかると、タイプ5のように人と距離を置き、熟慮したり情報を集めることに集中します。人から気持ちが離れ、秘密主義的になり、他の人の価値観に対して軽蔑的にもなります。

また、タイプ8は本来、心の繊細な部分を見せることなく、タフに振る舞います。

しかし成長するにつれて、タイプ2のように、愛情や優しさを素直に表現します。人への警戒をゆるめ、心を開きます。人を尊重し、愛情や感謝の気持ちを伝えることができます。

タイプ9の「統合の方向」「ストレスの方向」

タイプ9は本来、安定していて、状況をポジティブに捉え、気楽に構えます。

しかしストレスがかかると、タイプ6のように不安がつのり、悲観的になります。人からの期待や要求に反応しやすくなり、プレッシャーを感じます。蓄積していた不満や怒りを爆発させることもあります。

またタイプ9は本来、自己評価が低く、自己主張を控えて周りに溶け込む傾向があります。

しかし成長するにつれて、タイプ3のように自己主張し、周りの人たちや活動に積極的に関わります。エネルギーに満ちて、存在感があり、自分の意思をきちんと伝えます。適切な自己投資をして、才能を伸ばします。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

▼タイプごとの具体的な特徴については、こちらのマガジンにまとめています。ぜひ読んでみてください。

https://note.com/ennea/m/m25bf50cb04fc

▼今回の記事を書くにあたり、下記の書籍を参考にしました。

『新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ』
(ドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソン著、高岡よし子&ティム・マクリーン訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4041073170/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_skbHFbMDSVRG5

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