高齢者_ひとり_うつ

認知症になったらどんな景色が見えるのか?長谷川先生の選択と得られる教訓

【認知症④】

☆すべての相続を「円満相続」に
☆だれもが夢をもてる社会へ

家族と会社の世代交代をアシストします、
弁護士の盛田哲矢です^ ^

本日のお話は、
認知症になったらどんな景色が見えるのか?
長谷川先生の選択と得られる教訓

です。

1 認知症第一人者が認知症に

先日、NHKスペシャルで次のようなドキュメンタリーが放送されました。

スポットが当たったのは、
認知症研究の第一人者、長谷川和夫先生

長谷川先生は、いわゆる長谷川式と呼ばれる、
認知症診断に用いる簡易知能検査を開発した方です。

その長谷川先生ご自身が認知症(嗜銀顆粒性認知症)になり、
ご自身で自分自身の状況を語ったドキュメンタリーでした。

2 認知症になったらどんな景色が見えるのか?

認知症になったら、どんな景色が見えるのでしょうか??

想像つきますでしょうか??

認知症になると、
少し前のことを忘れてしまったり、
時間や場所、家族のことがわからなくなったり、
家電の操作など日常生活の中の行動ができなくなったり、
様々なことができなく、わからなくなっていき、
見える景色は変わってしまうのではないか??

そんなふうに思う方もみえるかもしれません。
私も例外ではありませんでした。

しかし、長谷川先生の答えは違いました。

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認知症になっても見える景色は変わらない

「変わらない」「普通だ」

長谷川先生はおっしゃっていました。

どういうことなのでしょうか??

3 感じて、考えて、行動している

長谷川先生が語った言葉の中で印象に残っているのは、
「確かさがなくなっていく」
でした。

認知症が進むにつれて、
自分の中で、確かにこうだといえるものが少なくなっていく。

新しいことは覚えられない、忘れてしまう。
自分がどこにいるかわからなくなってしまう。

違うよ、こうだよ!
さっき〇〇したよ!
今は〇〇だよ!
と「指摘」を受けるようになる。

自分の中で、何が確かなものなのかがわからなくなっていく、
ということだと思います。

しかし、だからといって、何もかもがわからなくなってしまうわけではない。
長谷川先生は、このことを示していました。

自分が家族にかけている負担はわかっている。
(だから、「死のう」と思ったこともある。)

老人ホームに行っても、面白くない、孤独だと感じる。

聴衆を気遣って講演内で話す順番を変更することができる。

自分の仕事部屋にいると落ち着くと感じる。

一生懸命になってくれる妻に感謝することができる。

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認知症になって衰える能力はあっても、
しっかり、感じて、考えて、行動している。

長谷川先生の言葉からは、このように感じられました。

(*アルツハイマー型と長谷川先生の場合とで異なる部分はあるのかもしれません。)

4 認知症の方の尊厳を大切に

そこから学ぶべき教訓はなんでしょうか??

人によって、様々なことを感じるとは思いますが、
私が感じたのはこれです。

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認知症の方の尊厳を大切に

認知症で様々なことができなくなったり、衰えたりすると、
ついつい、
冷たく対応してしまったり、
言葉が強くなってしまったり、
どうせわからない、忘れてしまうんだからと思ってしまったり、
必ずしも認知症の方の尊厳に配慮し切れていないことがあるのではないでしょうか?

このようなことを言うと、
認知症の方のサポートをすることの大変さ、苦労、辛さ、ストレス、苦しみ、悩みなどを全くわかっていない、
と言われてしまうかもしれません。

これらの点の理解に不十分な点はあると思います。
これを機に、学びを深めていきたいと思います。

ただ、
認知症の方をサポートする方が大変である、そのケアが必要だということと、
認知症の方の尊厳を大切にすることが重要であることは、
どっちが正しいとか、間違っているとかではなく、
両方とも大切なことなのだと思います。


認知症の方も、
サポートをする方も、
どちらもがより幸せに過ごせるようになるためには
どうしたらいいのか??

2025年に65歳以上の方の約5人に1人が認知症になるとされている日本は、
非常に大きな問題に直面しているといえそうです。

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5 認知症の捉え方を選択する

長谷川先生を見ていて、もう1つ思ったことがあります。

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それは、

認知症になった自分をどう捉えるかは、
自分で選択することができるのではないか?

ということです。

長谷川先生は、認知症の第一人者であり、認知症のことをよく知っていました。
そのため、認知症患者でありながら、
自分の状態をも客観視して研究していました。

認知症になったことをただただ悲観することはせず、
その状態をも研究材料にし、
社会に伝えることをやめなかった
のです。

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このとき、ある大先輩弁護士が病気をしたときの言葉を思い出しました。

「病気と付き合っていく」

病気になったことを悲観するのではなく、
仕方ないなと受け入れ、
うまく付き合っていこう、
という心境だと思います。

「病は気から」と言います。
悲観して、マイナス思考になっていたら、
もっと悪くなるかもしれません。


悲観してマイナス思考になるか、
受け入れて付き合っていこうと捉えるか、
この感じ方は自分で「選択」することができます。


長谷川先生も、
認知症だとわかったときショックを受けたと思います。

それでも、長谷川先生は、先輩医師から言われた次の言葉を思い出し、
自分自身をも研究材料とすることを「選択」したのでしょう。

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君が認知症になって初めて君の研究は完成する


認知症になってしまったら、もうおしまいだ・・・
と思っている方もみえるかもしれません。

そのため、恐怖するし、目を背けようとする


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しかし、
認知症を「なったらおしまい」と捉えるか、
なっても上手に付き合っていこうと捉えるか
は、
自分で「選択」することができます。

きっと、後者の「選択」をして生きる方が、
同じ認知症になった場合でも、幸せなのではないでしょうか?


6 人は考え方次第でどうにでもなれる

どうしてこのようなことを書いているのでしょうか?

それは、長谷川先生を見ていて、次のことを思い出したからです。

心の持ちよう

人は考え方次第でどうにでもなれる

これは、私自身が実体験から学んできた教訓です。
(「☆だれもが夢をもてる社会へ」と関係する部分です。)

同じ事実があっても、
その捉え方、考え方次第で、
より幸せになることができる。

年金が十分にもらえないとか、
老後資金2000万円が必要だとか、
少子高齢社会だとか、
あげ始めたらキリがありませんが、
現在の日本には暗いニュースが多いと思います。

これをどのように捉え、
どのように行動していくかは、
自分自身で「選択」できる
ということです。

その「選択」次第で、より幸せになることができるのです。

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ただし、1点注意が必要です。

「どうにでもなれる」というのは、
「よくもなれる」し、
「悪くもなれる」ということです。

「よくなれる」選択を行っていくことが重要です。


人は考え方次第でどうにでもなれる。

これは、認知症に対しても同じことが言える。


長谷川先生からは貴重なヒントをいただきました。


7 まとめ

・認知症になっても見える景色は変わらない
・認知症の方も、感じて、考えて、行動している
・認知症の方の尊厳を大切にすることが重要
・認知症の捉え方も選択することができる

以上、
☆すべての相続を「円満相続」に
☆だれもが夢をもてる社会へ
家族と会社の世代交代をアシストする、
弁護士の盛田哲矢でした^ ^



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