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本の感想

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自分で書いた本の感想や本界隈のnote
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記事一覧

日本語人ガメ・オベールさん

『ガメ・オベールの日本語練習帳』ジェームズ・フィッツロイ(青土社)を読んだ。 読んだのは…

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アリ・スミス『冬』

アリ・スミス『冬』木原善彦訳(新潮社) 季節4部作の2作目。『秋』の感想と他の作品について以…

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『ツボちゃんの話 夫・坪内祐三』を読んだ

『ツボちゃんの話 夫・坪内祐三』佐久間文子(新潮社)を読んだ。 2020年1月に亡くなった作家…

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「やがて秋茄子へと到る」堂園昌彦

「やがて秋茄子へと到る」堂園昌彦(港の人)を読んだ。 この歌集を初めて本屋で見かけたとき…

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C・J・ゼッツ『インディゴ』奇妙なフィクション

クレメンス・J・ゼッツの『インディゴ』(犬飼彩乃 訳)を読んだ。 所感 ちょっと、いやとて…

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トマス・ピンチョン『ブリーディング・エッジ』

トマス・ピンチョン『ブリーディング・エッジ』(佐藤良明+栩木玲子 訳)を読み終わった。や…

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シンジケートからこぼれ落ちたわたし

穂村弘『シンジケート』新装版(講談社) 1990年に出版された歌集の新装版。まず目を引くのはヒグチユウコさんの絵を配した透明なブックカバーだ。穂村弘の『シンジケート』といえば、現代短歌が語られるときに必ずといっていいほど言及される歌集であり、収録されている歌がいろんなところで引用されている。だから短歌にさほど詳しくはない私でも、この歌集の存在と、有名な歌は何度も目にして知っていた。現代短歌のある意味”古典”を読んでおこうという気持ちと、素晴らしい装丁に惹かれてこの『シンジケ

ピンチョンわかんない、でも好き。

トマス・ピンチョンという作家の小説を読んでいる。全制覇しようとしている。たしか10年くらい…

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2月家族の体調がみんな微妙、amazonと仲良し

2月は家族みんなの体調が崩れて病院のお世話になった。 夫、喉に痰がからまりゴボゴボしてい…

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雪の話。私がこれまでに読んだ、雪について書かれている文章のなかでもっとも印象的な文章につ…

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「あの本は読まれているか」女の人生。大国はすごいね。

ラーラ・プレスコット作「あの本は読まれているか」(吉澤康子訳)を読んだ。 あらすじは東京…

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「現代短歌のニューウェーブとは何か?」を読んだ。

雑誌『ねむらない樹』別冊「現代短歌のニューウェーブとは何か?」(書肆侃侃房 )図書館でか…

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「猫を棄てる」感想文ー私の父と祖父

村上春樹も人の子なんだな。そんな俗っぽい感想から始まって申し訳ない。 どんな人にも母がい…

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アリ・スミス「秋」とその周辺の話

アリ・スミス 作「秋」(木原善彦 訳)を読んだ。 アリ・スミスはイギリス在住の現代作家。本作はイギリスのEU離脱が決まった2016年を主軸にした小説である。新潮社クレストブックの紹介文から↓ EU離脱に揺れるイギリスのとある施設で眠る謎の老人と、彼を見舞う若い美術史家の女。かつて隣人同士だった二人の人生は、六〇年代に早世した女性アーティストを介して再び交錯し――不協和音が響く現代に、生きることの意味を改めて問いかける。『両方になる』で読者を驚かせた著者による、奇想とユーモ