リボン

ひらひらとしたリボンを引くと
楽しげな心持になる

どこまでも引いていきたい
いつまでも引いていたい
宇宙の遥か彼方まで引いていきたい

隔てられた壁を伝い歩き
その手触りを確かめる

死を与えること
生を享けること
その間にある―――ふわふわとした日常

点が線となるように
無という欠片で構成された時間

このリボンは
単に長いだけであって
既に繋がれていないのかもしれない

このリボンに働く張力こそ
楽しさの源泉だ

崩壊
誕生
物質反応

我々が単なる宇宙の一部となること
生を溯ること
すなわち―――神を踏み潰すこと

切り刻まれた意思・・・
それを再結晶させるもの

夜空に瞬く星座となって
リボンを引いてゆくこと
たった一人で引いてゆくこと

己自身を抹殺し
触媒となること―――
そのことを抱きしめている

　　　　　　　　　　(2008.3.13)