瞑想

   瞑想

私の中に在る電子の雲
潜在的な
不規則な

歩くもの
飛び交うもの
かつて触れたことのある、しおからい涙の温かさを持つ―――私自身の

それ

曲面に映し出される灯り
沈黙が
振子のように揺れ続けた憧れを冷やしてゆく

執拗に変奏され
瓦解してゆくものにこそ在る、と私は信じる

あるエントロピーが生命の渇きを増幅している
保存と刺し違えることさえ厭わず

日常とはかけ離れた遥か遠くに
あるいは死そのものの死滅と同義ではない永遠というものがある

ああ
明滅し
廃棄された物体の中で孵化しはじめる鼓動に耳をすませ

媒介を始める無数の微細なプリオンの鋭い分子構造

間接的な意思の作用が私自身を問い詰めている
紫外線によって劣化したプラスチックのような意思―――
それをいかにして再生するかを

          (2007.2.20)

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