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詩) 鉄路

   鉄路

あうあ

ありいある(走り出す)

えんゆうう(電柱)

あやる(曲がる)

まあ(また)、あやる(曲がる)

   耕された水田が広がる
   そこで育てられるであろうもの
   それがもたらす恵みの小ささと愛しさ

   海へと通じる川へ向けて
   畦に仕切られた平らな耕地
   耕された土の表面が続く

あうあ

あわお(川を)、わらる(渡る)

ろろえ(どこへ?)、ろろえ(どこへ?)

   煙るような雨が土をみたしてゆく
   右を見ても、左を見ても
   鉄路は平地を切っている、と知る

   人が耕すのはなぜなのか
   埃や泥にまみれて
   整然と水を引くのはなぜなのか

おうえ

えひあいえる(駅が見える)

嬉々として、お前は指さす

          (2005.3.28)

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