見出し画像

詩) 風吹く空

  風吹く空
 
いつまで風は吹くのだろう
この街はいつまで在るのだろう

静かに慄える涅槃の夢
微動だにせぬ僕の影

この街の彼方に強い雲が湧き起こっている
その引力に抗することができない・・・

ここまで、私は歩いてきた
けれども、ここから先は?

惹きつけられている半身が閉じ込められ
それに抗うことで、かろうじて生き続けている

いつまで風は吹くのだろう
この壁はいつまで私の諦めであり続けるのだろう

寂寞が欲しい
あの静寂の中に解放された「個」の呻きが欲しい

無念無想という馴化
その周囲を防御する形式化された想念の残骸

私の立ちつくす、この街
その彼方に湧き起こりつつある私の憧憬の雲

自由という果てしなく広い孤独よ
私に来(きた)れ

          (2004.5.3)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?