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詩) 岬

   岬

その岬を取り巻く海は、空を映している
模様でもなく、色彩でもない空を
おお、互いの憧れをもって掌をつなぎ、
抱き合い、溶け合う―――
その拡がりへ吸い込まれてゆく

構造的なもの―――奥行きと・・・
本質以外のものをねじ伏せ、なぎ払う―――
マッシブではない質量―――
そのような、忘れられた角度を
自負として、僕は提示するつもりです

形式を破壊することは許されている
一方で「うた」を踏み外す危うさ
その中で飛翔と集中を同時に実現する
そのような、忘れられた伝統を
啓示を―――僕は解き放つつもりです

ああ、大気よ
許しがたいのは、停止と忘却ではないか?
おお、海よ
許しがたいのは、不連続と虚無ではないのか?
無意味な分断と破砕ではないのか?

この巌だらけの突堤に迫り来る世界の広さ
まるで、この足下の一点が
あらゆる空間を吸い込んでいるかのような―――
ああ、この陶酔に満ちた存在感・・・
それを投げ込んでみようではないか

          (2004.9.23)

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