国際法で読み解く世界史の真実(倉山満、PHP新書)

倉山節炸裂の一冊。

国際法という観点は無かった。タイトルにもあるように、世界史の勉強にもなり、私のライフワークである現代史を考える上でも示唆が多い。

目から鱗が落ちる気がしたのは以下の一節。

インターナショナリズムとコスモポリタリズムの項、p308より引用する。

(引用)

たとえばEU(欧州連合)は、単純にいうと神聖ローマ帝国を復活させて、主権国家体系を中世に戻そうとしているようなものです。

(引用終)

確かに、EUという概念や、EUの制度を日本に真似して適用しようとして、上手く行かない様などを見ては、腹落ちしなかったのだが、この解釈だと、かなりスッキリする。

私の推論だが、この記述を正とすれば、例えば、ブレグジットも、根底にあるのは、「大英帝国が、神聖ローマ帝国の傘下に?やっぱり無い。EUからの干渉もうざい。脱退します。」ということではないだろうか。

歴史的にも古くからのヨーロッパ内部の禍根にあることは想像がつく。

どんなに日本がEUの真似をしようとしても、あるいは、EUのコスモポリタニズムに、日本が参加するのは、そもそも、無理筋なのだ。

EUを理想化するのは危険ですらある。彼らのコスモポリタニズムは、国家の境界線を曖昧にする。いや、もしかすると、EUを理想化する勢力は日本にも浸透している。

政府の資料を見ていても、欧州の事例を引用しているものが多い。

環境分野でもこういう例は多そう。

極端な例だが、「国境炭素税措置」なる、日本人に浸透しなさそうな概念。

これも、恐らくは、すべて「EU」にして、「神聖ローマ帝国」内部のコスモポリタニズムに起因する経済統合の話であり、そもそも日本が参加するような筋の話ではないのだ。

だったら、発想として、日英同盟復活の方が自然だろう。

最近、この令和の時代に、日英同盟を希求する声は、実は多い。

大英帝国の話に脱線する。

以下は完全に妄想なので、メモとして。

ここから、さらに現代史を遡って敷衍すると、あの第二次大戦時のチャーチルvsスターリンの駆け引きにも通じるものがある気がする。

というのも、第二次大戦時に、チャーチルが、優雅なる大英帝国のプライドを捨て去れないまま、大戦が終わり、やがて戦後の国際社会から取り残されていく様と、スターリンが、鉄面皮の下に秘める不吉な野心とともに、東側諸国が誕生、膨張し、ソビエト連邦が拡張していく様の対比を思い出す。

空想が止まらなくなるのでここまで。

項を改めることとする。


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