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大学受験不合格記(その4)

前回は11月の模試を受験したところまでお話ししました。
ここからは12月〜の話を書いていきたいと思います。

12月 戦いに負け、勝負に勝つ

11月に受験した冠模試が帰ってきます。

B判定以上が出なければ、現実的に第一志望は諦めなければなりません。

9月よりメンタルが落ち込み始め、計画が難航していたことが祟り、
思ったような感触ではありませんでした。

時代は進歩したものでネットで結果を見ることができます。
パスワードを入力し、よりできなかった方の冠模試の結果を見ます。

「D判定」

正直ある程度予想はできていましたが、実際に見ると非情に感じる物です。

もう一つの方も

「C判定」

こちらはB判定に近かったものの、C判定はC判定。

ここまで約半年間夢見てきた第一志望校合格は

受けるまでもなく「不合格」

何とも言えない気分でしたが、11月より覚悟はできていたことです。

気を取り直して、実際に受験する大学を決定する必要があります。


「…あぁ、去年惨敗した大学(第二志望)はどうだろう…」


とは言え、冬はその大学の冠模試は受けていません。

参考になるものがないので、
とりあえず去年受験した問題を解いてみることにしました。

現役の時には、書ける箇所がほとんどなかった問題。
見た記憶すらありませんでした。


「あれ…」

「めっちゃ分かる…!解ける…!これならいける!」

この時、暗く落ち込んでいた世界に日が差したような感覚になりました。

「今年もこの大学を受けよう」

そう決心しました。

この瞬間から、本当に心が楽になっていったのを記憶しています。

1月 センター試験(現: 共テ)

ついに迎える第一関門。
そもそも、ここである程度取れなければ話になりません。

本番に弱い私は、前日に一睡もできずに受けることになりました。

1日目
受験会場までは電車で20分程。
乗車率の低い車両の中でモンスターエナジーを片手に外を眺めます。

半年間ずっと家で勉強していたので、
電車に乗ることが新鮮で楽しく感じたんですよね。

一発目の地理で不穏な空気でしたが、それ以外はいつも通りこなせました。
地理がコケても他がいつも通り行けばカバーできると考えていたので十分と言えば十分な手応えでした。

2日目
少し強がりましたが、1日目の地理の不出来をひきづっており、
またもや一睡もできず。

2日目は数理です。
ある程度得意な科目でしたので、いつも通り解き切る事ができました。
試験前日に眠れなくても、あまり気に病む必要はないのかもしれませんね。

帰りの電車内で自己採点を行いました。

地理以外は軒並みいつも通りの点数。
とりあえず一安心。少なくとも行ける大学はある。

問題の地理…間違いなく事故っている地理…
どうか…

東進の採点システムを使うと、
自分の解答を入力し、ボタンを押すと一瞬で点数が表示されます。

結果は…

「83/100」

!?
あれ、事故ってない!?

正直なところ今でも謎なんですが、2択まで絞れて鉛筆転がした問題がほとんど正解だったんですよね。

運が味方した瞬間でした。

目標点は765/900でしたが、

これを余裕を持って超える点数となり、去年受験した大学への出願を決定しました。

滑り止めの国立後期とともに計2校出願しました。

2月 再戦(リベンジマッチ)

2月はひたすらに過去問を解いていました。
一年前と違うのは、余裕を持って食らいついていけていること。

特に理科を解いていて、
明らかに第一志望校の問題演習で培った知識 / 考察力が生きているようでした。

今年自分がやってきたことは間違いではなかったんだ。

問題がそう言ってくれているようで、
楽しさや嬉しさに満ちながら勉強を継続することができました。

その日はやってきます。
私が住んでいるのは関東なのに対し、受験校は関西(京都)。

大学までは特急と新幹線を乗り継いでいくことになります。
久しぶりの特急列車 / 新幹線にテンションが上がりながら、再戦に向かいます。

前乗りをしてホテルにチェックイン。
少しホテル周辺を散策していると、比較的大きな川が流れています。

河原には人が歩いたりくつろいだりしており、
これを見て初めて

「この街に住みたいなぁ」と心から思ったのを覚えています。

1日目
本番に弱い僕は、今回も期待を裏切りません。
一睡もできずに入試会場へ。

偶然にも現役の時と同じ教室に割り当てられていました。
教室に入ってしまえば、不思議と緊張は薄まり、フェードアウトしていきました。

1教科目: 国語
ほとんど勉強していなかった現代文ですが、
前日に過去問3年分を解き、駿台の解説を読み込んでいたのが当たったのか、
生まれて初めて、根拠を持った解答作成に成功。
過去最高(に感じる)出来で、数学にバトンを渡すことができました。

2教科目: 数学
ここに来てまさかの数学が覚醒。

過去問でも6題中3問完答がいいところでしたが、

5/6完答 残り1問も部分点は貰えそう

この時に初めて、解答の道筋と使う材料が見える

という感覚を経験しました。

この数学が終わった瞬間に勝ちを確信し、
1日目の帰路(ホテルまで)は足取り軽くスキップをするようだったのを覚えています。

2日目
一日目の出来など関係ありません。
今日も今日とて一睡もできない、かーまたです。

1教科目: 英語
得意科目の英語です。
この科目で合格を固くする予定でしたが…

流石に眠くてうとうとしながら受験。
結果を見るまでもなく過去最悪の出来でした。

数学が終わった時のムードからの急転直下。
人生とは思うようにいかないものです。

精神的にも身体的にも追い込まれながら、
昼休憩で外の空気を吸って気分転換。

少し落ち着きを取り戻して、最終戦: 理科3時間
去年の入試で驚異の69/200を叩き出した科目です。

文字通り血反吐を吐きそうになりながら、試験室へ向かいます。

2教科目: 理科
現役の時は化学の問題を見て、何が聞かれているのかさえ分からなかった理科。

この1年間を経て、進化が大きかった科目も理科でした。
意識朦朧となりながらも、解答欄を全て埋め、試験終了。

この時の感情は

「いけた気がする。眠い。お土産買って早く帰ろう」

これだけでした。

帰り道に通る鴨川デルタで遊ぶ人々を見ながら、

「一ヶ月後ここにいれるのかなぁ」

とぼんやり思ったのを覚えています。

それから新幹線と特急を乗り継ぎ帰宅。

もはやあまり記憶がありませんが、

一年ぶりに惰眠を貪り平らげました。

(次回、完結)



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