見出し画像

純喫茶図解vol5:つるや①取材編

今日は5つ目の純喫茶図解の取材日。前回の取材から少し時間が空いてしまったので、まず愛用のカメラを探すことから一日を始めた。積読中の本とよく分からない書類と絶対に開きたくない税金的な封筒から成る地層の底からカメラを引き出す。結構な崖の底にあったので、ずるりとカメラが出てきた瞬間に手を滑らし、声が出る間もなく20cm下の床にカメラは叩きつけられた。衝撃の余韻が残る哀れなカメラを数秒を眺めた後に「ア”ァ”ッ」と酒焼けしたおっさんのような野太い声が出る。私ってこんな声帯持ち合わせていたんだなあ。そんな場合じゃない。

急いでカメラの無事を試してみる。起動OK、シャッターOK、プロップOK、と思いきや突然ヴルルルルルルルルルと犬が身震いするように細かくカメラが蠢き出した。大丈夫ですか!大丈夫ですか!!まるで気を失った人に呼びかけるようにカメラの安否を確かめていくと、どうやら手ブレ補正モードが過剰に反応しているらしい。もうピントもあって手ブレもちっともしていない状況なのに必死に手ブレを補正しようとしている。三脚や机の上に置いていても補正する始末。ちょっと健気で可愛いな。

とはいえ手ブレ過剰補正以外は特に問題はなく、OKOK!行けるっしょ!といつもの通り取材に向かった。

==================================

ここから先は

1,926字 / 6画像

この記事は現在販売されていません

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?