見出し画像

軽井沢の音楽&アートフェスEPOCHSに行ってみたフェス初心者の感想

金沢に町家の契約をしにいくにあたり、新幹線を途中下車して軽井沢の山の中で行われている音楽とアートのフェスに行ってきた。

野外フェスといえば、フジロックのイメージ。ワカメは行ったことがない。というかフジロックに限らず野外フェスなるものに行ったことがない。SNSなどで漏れ伝わる断片的情報をもとに想像すると、楽しいのだろうけど、それ以上に暑かったり、人が多かったり、熱狂して失神してたり、トイレも並んでたりして、辛そうだなと思っていた。このメモはきっと同じような気持ちでフジロックの映像を細い目で見つめている大人の皆様に向けてお送りいたします。

今回も、もし過酷な状況だったら幽体離脱してしまいそうだなと不安になりつつ、この土日で行われているEPOCHS Music and Art Collective に行ってみたらすごく面白かった。(ちなみにトイレは綺麗だったし、山は涼しくとても快適だったので、幽体離脱の不安は杞憂だった)

以下は野外フェス初心者の感じたことメモ。

山の中は空気が美味しい!

当たり前すぎてバカみたいなのだけど、会場となった標高1000mのキャンプ場はとても開放的。日中の気温は17度と東京より10度くらい低い。山の中の空気は澄んでいて、それだけで、もうすでに、かなり気持ちが良い。真夏だったらもうちょっと辛かったかもしれないけどひたすら気持ちの良い気候だった。キャンプ場で食べるカレーが美味しいのと同じように、フェス会場で飲むよなよなエールは最高だし、ステージには霧がかかって天然のスモークみたいになる時間帯もあって素敵すぎる。

山の中で飲むジントニックはローズマリーまで入ってる。おしゃれ!



遠い!

そしてこれも当たり前なのだけど、そんな素敵な場所となると東京から出かけてたどり着くのがそれなりに大変。私は電車移動だったので軽井沢駅からシャトルバスを利用した。ピストン輸送だからバスが来るまで20分くらい待ったのは仕方ないのだけど、駅からバスが来る駐車場までが徒歩十分くらいあって、看板もない中とことこ歩くのは不安になった。かといって案内の人を立てたらコストも上がるし、これが最適解なのかも。

新しいARTISTとの出会い!

音楽配信サービスはレコメンデーションエンジンが研ぎ澄まされているのと、あるいは勧められてもつい私がつい知ったものばかり繰り返し再生してしまうせいでなかなか新しいものを知ることない。複数ある野外ステージの間を行ったり来たりするかたちだと特定のアーティストのガチファンじゃなくても見てて大丈夫な気がするのも気が楽。ヒップホップって余り聞かずにこれまで来てしまったけど今回初めて見てすっかり好きになったのはBIMさんSTUTSさん。その界隈ではかなりの売れっ子だそうです。かっこいい。

参加者みんなお行儀がいい!

フェス会場はもともとがキャンプ場なので、オープンな場所になっている。

アーティストの楽屋スペースはキャンプサイトの一角を利用して仕切られていて、一般客スペースとのあいだは簡単なビニールテープでしか仕切られていない。うっかりすると見落としかねないくらい境界線なのに、だれもそれを乗り越えてアーティストのもとへ侵入していく様子がない。セキュリティガードもいなくて、スタッフが入口でふんわりと誘導している程度なのに事件がなにも発生していない模様。え?大丈夫なの?これは日本人だからなのか?よくわからないけど素晴らしすぎる。なんなの?ちゃんとした市民なの??と思ってしまった。

全体的にアーティストの衣装がカジュアルで山っぽい!

例えばiriさんという女性シンガー、声が力強くてカッコよくてワカメも好きな人。

iriさん。オフィシャルサイトから拝借


来年は武道館も予定している人気者だけに、メインステージのお客さんもいっぱいになっている。ステージ上の彼女は、えんじ色のロンTに黒いパンツという格好。これは野外フェスだからなのか?ずいぶんカジュアルにあらしまへんか。

中央の赤い人がiriさん。カジュアル

話はずれるのだけど、先週みたBMSG FesのAile de Shotaさんはピッタピタの白パンに白ジャケットと白スニーカー、くるくるな金髪ロングヘアとピンクのアイメイクでステージに飛び出してきた。最初に大画面で見たときは、えっ、、、と驚いたのだけど、段々とその刺激に目が慣れてくるから不思議だ。でも「あの衣装では(非日常過ぎて)ライブのあとにそのままコンビニには行けないな」と思った。いや、もちろんコンビニなんて行かなくていいんだけど。

Shotaさん。当日は髪は金色、目はピンクだった。コンビニ仕様ではない。インスタより拝借


逆にiriさんはライブの後、そのまんまコンビニに行っても(彼女を知るファンじゃない限り)多分誰も何も思わないくらいのリラックスウェア。

本番前の音合わせに本人が出てきてて観客から見えてしまったりするのも、なんだか勿体ない気がした。せっかく皆、大好きなアーティストを見に来てるのだから、衣装も入場ももうちょっと特別感を出したらいいのではないか。でもその考え方自体が古いのかもしれない。さりげないこと、等身大であることが最もかっこいいのかもしれない。それが時代の気分なのか?ワカメがおばさんなだけなのか?

個人的には、もしそのままコンビニに行ったら、誰もギョッとはしないけど「誰あのかっこいい人!」って囁かれるレベルくらいがいいんじゃないかと思う。

暗い森の中で大音量を聞くのはいい!

森の中だとちゃんと暗闇があることにも気がついた。そのなかに強い光を放つステージがあると、一気に周りが気にならなくなってリラックスできて心地よい。みんなでいるんだけど、ちゃんと一人になれる。ちょっと宗教的な儀式みたいな感じもする。

Stutsさんのステージ。暗がりに浮かぶ


また行くならきっと荷物に入れるもの。

  • フック付きの懐中電灯。夜は本当に暗くなるから歩くのがこわい

  • ビニールシートと折りたたみ椅子。遠巻きにピクニックぽく聞いている人たちがいて羨ましかった

  • 虫除けスプレー。大自然には虫がいる

  • レインコート。防寒具にもなるし、山の天気は変わりやすい。寒すぎて公式グッズのロンTを買ってその場で重ね着をした。

  • 雨用の靴。ぬかるみがある

  • 子どもたち。荷物には入れないけど、フェスって子どもたちも適当に走り回れるし、意外にファミリーフレンドリーだなと思った。ライジングフィールドについていえばちょっとしたアスレチックもある。

ということで、野外フェスという言葉から連想して恐れていたことは何も起きなかった。疑って申し訳ない。ただひたすら、秋の入口の心地よさを満喫させてもらって大満足。田舎にありながらものすごく都会的でもある。どうやら今年が初回らしいのだけど、また来年もあるならきっと行きたい!

この記事が参加している募集

フェス記録

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?