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【1/3】山陰(及び東九州・四国)新幹線ルート案路線図(博多~新下関)

新幹線整備における「(停車駅含めた)ルート案」を通じて鉄道等の交通整備の在り方や(拙い考えながらも)産業振興策にも触れたいと思います。

【はじめに】

山陰新幹線の個人的ルート案を停車駅案含めた路線図にしました。今回は福岡市の博多駅から下関市の新下関駅まで。東九州新幹線と四国新幹線とで共同利用の想定もしています。

※先月2021年6月に山陰・中国横断新幹線の全体的なルート案を急ごしらえで描いています。単に線路を図面上で敷いただけでなく地方社会・産業等の活性化策にも通じる観点を含めたつもりです。
なお、出来たら (先行的公開)山陰・中国横断新幹線ルート案全般論 もお読みいただけるとありがたいです。こちらの記事で触れきれないこともあるかもしれないからです。

博多~福岡空港(国内線)~添田~北九州空港間

山陰・東九州・四国新幹線ルート案

結果的に「基本計画線」の大まかな想定に囚われないルート選定になりました。

【ルート案概要】

◇上記画像内の新幹線停車駅想定(完成時):
博多・福岡空港(国内線)・桂川・添田・(仮称)行橋今川・北九州空港

◇博多~添田間 山陰・東九州・四国新幹線の共同利用区間で完全複線
※添田から日田~大分方面は東九州・四国新幹線の共同利用区間(来月以降「東九州・九州横断新幹線」のルート案と併せて説明したいと考えています)

◇添田~北九州空港 山陰新幹線単独区間
建設・維持管理費を効率化するため「単線」区間も想定したかったのですが、どうも直感的に複線のほうが良い気がしました。強いて一部単線にする箇所があるとしたら、
●添田~(仮称)行橋今川のうち、平成筑豊鉄道と並行する区間。この区間の平成筑豊鉄道の線路改良を兼ね「単線並列」にする
●(仮称)行橋今川~北九州空港のうち、東九州自動車道の敷地等と共同利用または近接して敷設する区間
→例えば高速道路の片側に 単線のフル規格新幹線線路 を敷きとりあえず「新幹線路線」として早期開業。その後もう片方に単線の線路を増設し「複線」として機能する。例えるなら高速道路の「暫定2車線」的手法。
トンネル等では換気や避難口・工事用の側道的坑道などを道路と鉄道で共同利用することはできないものか…。

◇福岡空港(国内線)~長者原間は福岡市地下鉄延伸構想と一体で整備

◇桂川~添田間は「先行整備」する際「在来線」をまず先に開業、添田~油須原間と北九州空港へ渡る鉄道橋区間も。

◇在来線車両・列車で暫定的に福岡空港・北九州空港間の連絡輸送と 沿線の地域振興 を図る。

私の言う「地域振興策」とは?

この地方・地域に限ったことではなく全国的に言えますが、今回想定するのは「筑豊地方」(この図で言えば大まかに桂川~(仮称)行橋今川付近)のことです。筑豊地方は炭鉱産業で栄えた後は過疎化対策や産業振興などが課題です。
どのように産業の振興・人口の定着(過疎化等の歯止め)を図るか

1・
新幹線整備の際、「新幹線を在来線と沿線空港を結びつける」ようなルート選定をしていく。その過程で必要に応じて在来線の並列や新規建設も併せ鉄道網の足りない箇所を補う。具体例として、この地域で言えば桂川~添田~油須原間に狭軌在来線の並列と新設、北九州空港アクセス鉄道は新幹線に加え在来線でも行なう

2・
主に在来線駅周辺に「日常生活に必要な施設(※)」や「仕事する施設(※)」を集める取り組みを地道に行なう
※「日常生活に必要な施設」の例:
商店・学校・役場をはじめとした各種公共施設・病院など。そして住宅等
※「仕事する施設」の例:
上記の施設も「仕事する施設」という側面がある。加えて 「オフィスビル」・工場・倉庫など

→これにより、「自家用車類を保有できなくても生活できる地域」を増やすと「地方」の人口流出に歯止めがかかると考えます。自家用車類を保有できないと生活や仕事での移動手段のために、公共交通がかろうじて残っている大都市に移り住むしかなくなるからです。
免許を持っていない・自家用車を保有できない状況にある人と話したことがありますが皆さん都市中心部の賃貸住宅に住んでいるようでした。

3・
農林水産業の再振興を図りその地域にあった特産品的作物の栽培・加工販売も。また、新規に企業を誘致するのも良いが、元々から存在している会社・農林水産物や工芸品等の振興も忘れてはいけない

4・
「他の地方(特に「大都市圏」以外)」との経済的なつながりや取引関係を創り、自分たちの地域の農林水産物・工芸品・工業製品・(再度鉱業ができるなら鉱物資源も)と他の地方の品物を組み合わせた商品開発・製造加工販売や原材料の物的取引を行なう。(福岡の土産物店で売られている商品から知った「地方同士の経済交流の例」を図にしました↓)


今後の「地方創生」に必要な企業活動の在り方を概念図にしました。
新規の企業誘致だけに拘るのではなく、企業間取引の在り方の一つとして「地方同士間」の企業同士の取引をできる限り促す。
その交通社会基盤(インフラ)として新幹線と地方空港(航空)の結節連携が不可欠です。


取引関係を築くには現地視察など「対面取引」は必須だと思います。「オンライン・リモート」の類は定型的な事務連絡手続き・会議など場面に応じて使い分けると良いと思います。

(蛇足ながら、鉄道や航空会社などの場合、いったん自社・他社の交通機関で「支社」等に行き、そこから「本社」と「支社」の間でオンライン・リモート会議をするのも良いかも。本社に残りデータ資料を参照しながら話す班・移動しながら気づいた観点も含めて話す班に分かれるとより良い気づきや考えが浮かび、交通機関の路線維持活性化につながることを願っています)

また、
交通の便が良くないと上記のような取引をしようと思われないでしょう。東京・大阪に一極集中するのは(公共)交通体系も 
    各地↓ ↓各地
各地→大阪・東京
 各地↑ 
という一極集中構造になり、人流だけでなく情報や興味関心の向き方も大都市一極集中になっているからだと感じます。新幹線や航空などの交通政策議論や関連する主張を見てもその傾向(例えば新幹線整備議論でも是非を問わず同様の傾向)。
地方同士でも経済交流・取引が活発になると必ずしも東京・大阪等の大都市圏に会社拠点を置くことにこだわらずに済み、生活や仕事のために大都市圏に引っ越さなくても地元で生活や仕事をしやすくなり、人口流出減少を抑えられる
(なお、「人口減少・少子化」そのものについては「女性」だけでなく「 男 性 」のみが受けている「差別」や「人権問題」も認識し解消していく取り組み「 も 」必要です)



北九州空港~新下関間

山陰新幹線ルート案新下関付近

新幹線路線新設だけでなく
●関門海峡間の鉄道施設更新・予備機能充実のための整備
●「新幹線を空港経由していくなかで在来線と空港(航空)を結びつける交通体系を築く」という観点から「在来線の足りない区間も新設し、在来線列車運行体系も再整備する」
という観点も込めました。

【ルート案概要】

青い線=「山陰新幹線」(画像内区間は最終的には完全複線)
赤い線=「必要に応じて新設すべきと考える在来線」

◇上記画像内の新幹線停車駅想定(完成時):
(仮称・行橋今川)~北九州空港~新下関~(次の記事で説明予定)

◇山陰新幹線整備だけでなく関門海峡を通過する在来線と新幹線の設備更新も併せて行なう必要性あり

◇「先行的整備」として先に北九州空港アクセス在来線と在来線未開通区間の開通を図り空港アクセス範囲を広げることで鉄道整備事業の費用対効果等を引き上げる(後ほどgif画像等で整備順序を説明します)

◇北九州空港へ乗り入れる在来線旅客列車
●(在来線特急)
博多~小倉~(短絡線)~新門司フェリーターミナル~北九州空港~行橋~大分方面

●(在来線特急)
北九州空港~下曽根~小倉~門司~下関~新下関~宇部線~山口宇部空港~新山口~山口~津和野~石見空港~益田方面
→これにより在来線特急も空港間連絡列車としての機能を果たし鉄道と地方航空で相乗効果を引き出す。
JRと国内航空で協力・連携関係を築くには、
国内航空路線は東京・大阪以外の地方を結ぶ路線で、「 新幹線でも遠い遠距離路線 」を 中 心 に就航

●(普通・快速)
博多~篠栗・筑豊本線~若松~戸畑~小倉~門司港~田野浦~新門司フェリーターミナル~北九州空港~行橋~油須原~添田~桂川~原田~新鳥栖及び久留米方面
●(在来線特急、山陰新幹線開業後は 快速 に変更し停車駅で棲み分けを図る。「関空特急はるか」と「関空快速」のような運行形態)
博多~長者原~桂川~添田~油須原~(仮称)行橋今川~北九州空港~新門司フェリーターミナル~(短絡線)~小倉~鹿児島本線~博多
(現行の博多~小倉間特急「きらめき」号を循環運転する運行形態も出来ると思います)

◇山陰新幹線の「新関門トンネル」は山陽新幹線の「新関門トンネル」の老朽更新も兼ね、新関門トンネルの両脇に建設。片方を先に掘り、後からもう片方も掘り最終的に「方向別複々線」のようにすれば点検・改修等における冗長性が高まるほか、建設業もより持続的に続けられる
(建設工事を「無駄な公共事業」などと蔑ろにする価値観はすぐにでも止めるべきと思う)

新幹線・広域的在来線網の整備順序

一通りルート案と概要などを申し上げました。次に整備順序を図に表したものをご覧いただきたいです。

博多~添田~北九州空港整備順序↓

福岡県内山陰・東九州・四国新幹整備順序

GIFアニメが再生されない時のために静止画も掲載します↓

山陰・東九州・四国新幹線整備順番0
山陰・東九州・四国新幹線整備順番1
山陰・東九州・四国新幹線整備順番2


北九州空港~新下関間と周辺在来線整備順序↓

山陰新幹線北九州空港整備順序

静止画も掲載↓

山陰新幹線北九州空港整備順序0
山陰新幹線北九州空港整備順序1
山陰新幹線北九州空港整備順序2
山陰新幹線北九州空港整備順序3


【記事の最後に】

本当はまだお伝えしたい事柄もあります。空港アクセス鉄道にも関連する福岡市地下鉄路線網整備の考え方、道路整備の在り方など。ですが、投稿頻度・労力の問題 などの関係上現時点では割愛します。

山陰・中国横断新幹線に関して続きがありますのでまた後日投稿したいと思います。








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