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鉄道の存在意義や価値。赤字路線に価値は無いのか?(そんなことはない!)

私は鉄道路線の存廃問題や新幹線など新規路線建設などに関して考えたりこうして意見投稿したりしています。そこで、この記事では私なりに思う鉄軌道の存在意義・価値について述べてまいります。

※2022年3月27日、これまで「仮」状態でしたがやっと書き上げることができました。
※2022年5月16月、タイトル画像を変更しました。

記事本文

主に画像を使って説明します。

●鉄軌道には「線路」と「駅・停車場停留所」があり地図に載る                  
→視覚的・感覚的にも利用しやすい                                         
●遠くに行くにも利用しやすい                                                          
→自分が住んでいない地域に行くにも利用しやすいし移動しやすい                               
●線路がある地域にはたとえ遠くても行くこと・訪ねることができる                          
→鉄道のおかげで全都道府県に行けた(沖縄は陸路でつながらないので航空利用)                   
→線路が無くなれば無くなるほど遠方の地へは訪問困難に                          
(不可能では無いとしても訪問難易度が一気に上がる)                   
また、「広域的な交通権」が奪われてしまう                                                 


「鉄道が無くてもバスで良い」などと鉄道を過小評価するのが後を絶たないが・・・

西鉄バスで有名な福岡を例に画像を挙げます。
バスはどこをどう走っているかわかりますか?
けれど、線路と駅は地図に載っていますね。                               バスがどう走っているか(経路)はそのバスが走る地域の「地理」が解らないといけないし、   バス停まで掲載してくれる地図はまれにしかない。                        →つまり、バスはその地域(内)の人たち向け

補足説明:
●路線バスは一般的に鉄軌道よりも細かく柔軟な路線設定をしやすいが、路線やバス停が地図に載ることはない(あるとしても一部の地図と専用の路線図くらい)

また、路線の改廃が行ないやすい反面、「一種の目印」にはなれない

※鉄道が良くてバスはダメ(バスが良くて鉄道はダメ、「BRT」で良い とか)で考えないで!!
交通機関の性質を理解し、両方とも活かせる方向性で考えてほしい。

バスはその地域の人たち向け。私が住んでいる自治体でも、同じ自治体内でも別地域のバス路線やその地理を把握するのは困難。鉄道の駅や路線は覚えやすいのだが・・・


近年は市町村合併で地名や市町村中心地が曖昧に
だが、鉄道(及び軌道)路線には路線名と駅名に地名が残る。
駅名を覚えると自ずとその地域の一種の地理的感覚も身につく

この性質から、鉄道路線や駅はその地域の広告塔(ランドマーク)にもなり得る性質があると私は考えています。鉄道路線や駅があるとその地域の認識度は「全国区」になり、遠方に居てもその地域のある種の地理的感覚を把握しやすくなります。
逆に言うと、鉄道が無くなると、その地域の認識が難しくなり、興味関心も向きにくくなり、他の地域との交流も難しくなったりしていきます。認識度低下は経済・産業面でも取引しようというきっかけや可能性を喪失してしまいかねません。


「赤字路線」には価値が無いのか?そんなことは絶対ない!
鉄道路線は鉄道路線網全体で考え、長距離の移動や、複数の路線に跨がって乗車利用される際に「全体の収益が発生する機能」も含めて評価すべき(例えば、ある路線で運行される観光列車乗車まで辿る経路上での売り上げ。下記画像にてその概念図を掲載します)                                     
個別の路線では「赤字」であってもこのような副次的な乗車や収益および社会的な利益が発生するので「赤字路線」でも鉄道で残し、うまく活用する必要がある                事業としては「赤字」であっても乗客等の利用促進を図り、鉄道路線全体の価値を上げるという考え方やそれに対応した会計などの制度が充実されてほしい                 
観光列車乗車あるいは「鉄道による周遊的移動」の際に発生する「副次的乗車」の概念図です
真ん中の観光列車運行線区に到達するまでに、接続する路線に乗車する必要があることが解ります
この時に「副次的乗車」および鉄道の売上が発生します

おわりに

私が考える鉄道の存在意義や価値、そして優れた特性について、かつてパワーポイントで作成したスライドを再加工したうえで申し上げました。

その中で

事業としては「赤字」であっても乗客等の利用促進を図り、鉄道路線全体の価値を上げるという考え方やそれに対応した会計などの制度が充実されてほしい 

と申し上げましたが、
具体的にどう制度改革・意識改革すればよいか勉強不足で申し訳ありません。
郵便局の「ユニバーサルサービス制度」
高速道路の「新直轄方式」
などが参考例になるのではと思いますが・・・。

ですが少なくとも、今の私の見識等で言えるのは
交通インフラ整備においてバランスの良い予算配分はしていくべきということです(いまだ道路に偏りすぎていると思う)

※2022年8月11日追記:
書籍にて道路予算と鉄道予算の配分の違いを説明している箇所がありますので紹介します。

新幹線は、その重要性に比して、国家財政の投入量が著しく低い。政府予算において、道路予算は新幹線の予算の約20倍近い(平成27年度予算で、前者が1兆3000億円であるのに対して後者は755億円しかなかった)。道路も必要なインフラであることは間違いないが、新幹線に対するこの財政的な過小評価は理性的と呼ばれる状況から超絶に乖離していると言わざるを得ないのである。

「スーパー新幹線」が日本を救う 文春新書  221ページ

この記事が鉄道(及び軌道=つまり路面電車・モノレール等も)の価値や優れた特性が再評価され、廃止されたり未完成に終わった鉄道も必要に応じて復活できるようなきっかけになることを願い投稿します。フランス等における「交通基本法」というのも聞いたことがありますので、こちらも参考になるのではないでしょうか。

※ 2022年10月1(土)追記
この記事を投稿した後、この記事の内容も踏まえ、「なぜ鉄道が社会に必要なのか」ということを改めてまとめ直した記事も投稿しています。

もしよければこちらの記事もご覧頂けると嬉しいです。

もしよろしければサポートおねがいします。このnoteでは提案型の意見投稿になるよう努めて参ります。