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80歳のクレイジー焼肉

老けたくない人へ贈る、祖父母の探究心に圧倒された

先日80歳を超える祖父母宅で焼肉をごちそうになった。普通の焼肉ではない、祖父母はこのおもてなしのために、わざわざ近くの焼肉屋へ調査に行ったという。しかも、なんと2人はこれまで店の焼肉屋には行ったことがなかったとか。大衆焼肉店の視界も曇るような煙の中で御年80歳オーバーのかわいらしい老夫婦が焼肉を食べるなんて、なんてクレイジー。わたしでさえ食べられる油脂のキャパシティがすぐ限界を迎えるので焼肉屋は苦手なのに、彼らは勇ましく門を叩いたのだ。

すべては良い焼肉をごちそうするために

祖母はメニューを覚えたり、店員に材料に何が含まれているのか尋ねたり興味津々。その際に牛タンと牛レバーに初めて出合い、今回それは新規メニューとして取り入れられた。おそらく私たちが訪問する前に予行演習もしたに違いない、精肉屋も開拓したらしい。おかげさまで非常に美味しかった。一連の2人の努力を聞き、一層感嘆したのである。

肉だけではなく、つけあわせのサラダにオススメのえごまドレッシングがよく合っていたし、きゅうりの塩麹和えは焼肉にぴったりだった。野菜はそれぞれ厚めにカットされ見栄えよく並んでいた。カボチャやじゃがいもなど火の通りが遅いものはすでに蒸してありホクホクで、焼き色がついたら祖母が有塩バターを乗せてくれた。祖母が手間をかけて用意してくれたことを想像すると、顔がほころぶ。

祖父母はとにかく若い

会話をしていても世代差を感じないほど(相手の世代を見て話題や話し方を変えることもあると思う)。肉も魚も大好きだ。ビールも日本酒も嗜む。失礼だが、友人と飲んでいるように過ごすことができている。そういえば今の若者は…と説教をすることも、自身の老いを嘆くこともない。それどころか「楽しい時には80歳って忘れちゃう」と祖母は屈託がない。

若さの秘訣はなんだろう?

これからどんどん盗んで真似していきたいが、特に尊敬するのは常にチャレンジしているところだ。好奇心のままに進むことを楽しんでいる。そしてアウェーな場所、苦手なものを厭わない。たとえ失敗してしまっても、その時はネタに変えてしまう。簡単なようでなかなかできないものだ。

それに2人は、大体のことは自身で調べて練習すればできることを熟知している。疲れたら小休止してまた再挑戦すればいいと考えている。だから、わからないことやできないことを年齢や素質のせいにしないのだろう。日々の些細なことでも「何度かやってできなかったら普通は途中で投げ出すだろうけれど、諦めずにやってみるんだ」と祖父は嬉しそうに言う。

常に学び続けている人には敵わない

日々会話のネタが引き出しが増殖し続けているだけでなく、身体も応えるように健康的だ。しかも本人はずっと楽しそう。さらに夫婦そろってこの調子。周りの私たちまで幸せな気持ちにさせられ、いいことづくめだ。

今回は孫をもてなすために、たまたま焼肉だったけれど、近々2人だけで北海道旅行にも出かける。電車と新幹線を乗り継いで、LCCも使ってだ。過去に何度も行ったことがあるのに、まだまだ観光したいところがたくさんあり、ワクワクしているようだった。私にとって夫婦の動向はこれからも要チェック。しっかり学んでいきたい。

#日記 #エッセイ #老後

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