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障害者雇用 転職先の歓迎会

先日、部署で歓迎会を開いてくださった。

オフィスの近所にあるお洒落なベトナム料理屋さんで、コース料理&飲み放題というプランだった。

以前の記事に今の会社が男性社会だということを書いたのだが、歓迎会も男性15名、女性が私だけという、またしても完全なる男性社会だった(笑)
(同じ部署の女性2人はそれぞれ用事が入っていたそうで、めちゃくちゃ謝ってくださった)


このたびの歓迎会では若手男性社員が幹事をつとめてくださり、大変まじめな方なので、飲み会の席順もパワポで図を作成し、A4にまとめていらっしゃった。

どれどれと覗いてみると、私が真ん中で、その目の前はすぐに部下を怒ってしまう部長だった。

どんな耐久レースになるのだろうかと思っていたのだが(部長が怒り出しやしないかとヒヤヒヤしていたのだが)、終始とても平和でにぎやかな飲み会だった。

*****

入社して1週間、自分の机で作業をしていると、私の世話役を務めてくださっているYさんが、おそるおそる尋ねてきた。

「飲み会とか、やってもいいでしょうか?」

なんでしょう。今の部署には他に障害者はいないし、私がてんかん患者なのでお酒は飲めるのか、医師からストップされていないか、早く帰らないといけないのではないか、と考えたのだろう。

後日談だが、上司たちが次々に幹事のところにやってきては「歓迎会やらないの?」「あ、でもお酒とか大丈夫なのかな?」「ふつうの退勤より遅いしね」というやりとりを繰り広げていたらしい。ありがたい。

幹事くんに「お酒飲みますよ!」と答えると、おめめが真ん丸になり、「そうなんですか!」と彼は目を輝かせた。

(医師によっては、お酒は飲んではいけませんと言う人もいらっしゃる。私は、そもそも飲酒を医師に話していないだけなので、てんかん患者の方々、どうか真似はなさらぬよう・・・)

「では、歓迎会、調整させていただきます!」と幹事くんは元気よく宣言してくださった。

そんなこんなで歓迎会の日を迎えたのである。

*****

最初は瓶ビールで、部長が私に注いでくださり、私は部長に注ぐ。

グラス内の飲み物が減ってきたら、「次はいかがされますか?」とうかがったり、サラダを小皿に取り分けたり、とがんばりながら、でも

私が部長の話(の相槌)に夢中になりすぎたりしていると、そんなときは横に座った幹事くんがそっと、「部長にビールを注いでください」とささやいてくださった。助かった。

飲み会では2~3人ずつで話す、というよりは、部長が積極的に話を展開して全員で盛り上がり、一同でわいわい楽しく盛り上がる、という感じだった。

だからどちらかというと、一致団結する飲み会である。

それはそれで楽しくて、一人の話にみんなで笑ったりあきれたり総ツッコミをいれたりという共同体ができあがっていた。


そんなやりとりのなかで私はけっこう一生懸命「良い子」を演じていたつもりだが、最後のほうで部長が私に、「ニヒルだね」とつぶやいた。

・・どうやらバレてしまったようだ。(笑)

*****

最後の締めで課長がご挨拶くださり、「私たちは Cool な関係というより、Warm な関係なんです。助け合って、みんなで協力しながら、一緒にがんばりましょう。あ、もちろん体調は気を付けて無理はなさらないでくださいね。」と満面の笑顔で迎え入れてくださった。


終わって外に出ると、みなさんが次々と「また飲みに行きましょう!」と声をかけてくださった。

部長は「じゃ!」と言ってさっさと帰っていかれた(もしくは、行きつけのスナックに行かれた)。

部下への配慮なのだろう。二次会には参加しないようだ。

ほろ酔いのみんなで駅まで歩く。

歓迎された私も、自分からさっさと帰る立場である。駅に着くとみなさんに何度も頭を下げて、改札に向かった。

こんなに温かい気分になったのは、本当に久しぶりである。

良いところに就職できてよかった、よかった。


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