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株式会社EpoCh、起業への想い #2

「起業への想い」第2章では、以下を話したいと思います。

ちなみに、第1章はこちらです ↓

1.  Our PurposeとOur Missionの日本語変換に苦戦・・・

第1章では、起業決意に際し、最も大事にしたことの一つとして、Our PurposeとOur Missionの策定を話しました。
シンプルな形でストレートに簡潔に表現できる英語と異なり、これを日本語版にすることには想定以上に苦戦しました。
 
日本で生まれ育った私の想いの一つ が、
自分が強みとする領域で日本を元気にしたい」
だからこそ、日本語でもしっかり届けたい。
その想いにまつわるバックグラウンドを少しだけ・・・
 

■外資系企業でのキャリアを選択した背景
私には、大学時代からブレずに変わらない一つの軸があります。
それは、日本にいながらでも自らが日本と海外の「人」を繋ぐ架け橋になることです。
 
その軸を支えるための必要なステップとして、外資系企業、その中でも各業界においてグローバルで独自性を持つ企業での経験を重ねていくというキャリアを歩むことにしました。そのキャリアを経た結果、海外進出を図る日系グローバル企業に進み、外資系企業の最前線で培ってきたものを「貢献」と「影響力」という形で発揮し、本国である日本と世界各国とが人で繋がっていくことこそ、ある意味、自身のキャリアの道でもありました。
 
外資系企業での17年間は、決して穏やかといえるものではありませんでした。特に日本法人のHRトップの役割を担い始めた30代半ば以降は、同時にAPACやASEANのHRリーダーシップメンバーとなり、英国本国とのダイレクトな業務も加速した計7年間でした。もちろん、多くの失敗も経験しました。しかし、そのタフな環境、難易度が自身の能力を超えているかもしれない状況、明日がどうなっているのか分からない予想外の展開だらけの毎日でも、それは決して自身にとってはリスクではなく、一度もその状況からは逃げることはありませんでした。なぜなら、リスクはチャンスですから。
 
ブレない軸さえあれば、してもいい失敗とそうではない失敗を理解したうえで、果敢にリスクに飛び込んで、失敗して恥をかき、見えてくる世界が広がりました。私は、外資系企業の中でも、複数のヘッドハンターからいただく各業界のトップ企業を選択するのではなく、私のことをよく理解した数名の深くお付き合いを重ねたヘッドハンターからいただく各業界で独自性を貫く企業を選択してきました。私が選択した環境では「失敗を恐れること」や「Comfort Zone(自分の居心地の良い状態)にいること」は全く推奨されるマインドセットではありません。自らComfort Zoneを脱却し、自らの領域や力をも越えるストレッチングな状態や環境に飛び込むことは極めて重要なことなのです。

独自性を重視したが故に、私が選択し挑戦し続けてきた各企業での日々は財産であり、振り返っても本当に良い選択をしてきたという誇りがあります。
 

■外資系企業でのキャリアで改めて感じたこと
その17年間の経験を踏み、改めて初心に戻り、大学時代に抱いていた「日本にいながらでも自らが日本と海外の人を繋ぐ架け橋になる」という想いをより具体化していきたくなりました。

そんな折、偶然にも、日系上場企業の本国Global CHRO(最高人事責任者)として、当時の社長からお声掛けをいただき、HRとして初めての日系企業というものを体験することができました。そこでは、使う言語だけではなく、働き方、1日の流れ、仕事の進め方、会議の定義、指揮命令の在り方、決断や行動までのスピード等、挙げればキリがない程、私には何もかもが全く異なる世界でした。外資系企業ではナチュラルであった「Psychological safety
(心理的安全性)」「キャリアオーナーシップ」「Agile組織」「ハイブリッドワーク」等の考え方に至っては、社内の様々な場で説明や啓発をしても、初めはほぼ理解が得られませんでした。そのことが、自分の強みの領域で粘り強く少しでも変革させようと奮い立たせる機会になり、日々尽力できて変化や変革の過渡期に少しでも貢献できたことが非常に良かったです。
 
自身のキャリアにオーナーシップを持つ個人、そして、どんなにタフでも疲弊感を上回るエネルギーに満ち溢れる組織をいち早く生み出しているグローバルな多国籍企業には「People / Organization / Culture」とは何かを分かっているリーダーが多いと感じます。もちろん全てがそうとは言えませんし、日本企業でも非常に長けているケースもあるでしょう。
ただ、グローバルのサバイバルな環境やスピード感に揉まれぬまま内向きな視点で成熟していったトラディショナルな日本の組織傾向として「過去の成功体験」と「短期目線」に囚われていることが多いのではないでしょうか。また、企業内の人財を「資本=投資」としてではなく「資源=費用」の対象としている傾向が強いことは、企業の人財投資の国際比較(対GDP比)で日本が先進諸国よりも大きく下回っているだけではなく減少していることからも明らかです。その結果、日本の企業や組織は、グローバル視点で生産性・多様性・イノベーションといった多くのカテゴリーで大きくbehindな状況が続くどころか、各国から大きく引き離されている状況をつくっていることは周知の事実です。日系企業を経験することでそれをキャリア人生で初めて目の当たりにし、日本の組織の強みや良さを尊重しながらも、この様な内向きで圧倒的にbehindな状況は微力ながら絶対に変えないといけないという危機感と使命感で自ずと一杯になりました。
 
PeopleとOrganizationをHRの力でイキイキさせたい。
それこそがこれからの日本を元気にする鍵の中の一つであるはず。
そして、そのことが私自身の強みと優位性を生かして、
介在価値を発揮できるある意味唯一の道。

その挑戦こそが、社会貢献にダイレクトに繋がっていくはず。
 
自身が残りの人生で貢献できる場を頭で整理しつつ、そんなことに思いを巡らせているうちに、起業に際し、的確に届けていきたい日本語での Our PurposeとOur Missionが試行錯誤のうえ、完成しました。
 
<日本語版>
Our Purpose / 「働く人と組織のイキイキ」を実現する
Our Mission / HRの介在で新たな価値を創造する
 
 

2.  そこに吹き込んだ想い

PurposeとMissionは、英語と同様、日本語でも頭にスッと入る言葉でシンプルにしたい。
 
まずPurposeの「People & Organization」の「People」は、「人」「ヒト」「人財」等、色々と候補となる言葉をあげましたが、EpoChが向き合っていく先は「働く人」。そこをブラさないよう「働く人と組織」に定めました。
「Empower」は多岐に渡る日本語の動詞を候補としてあげました。
その過程で、改めて「Empower」ってシンプルにパワフルな言葉だな、とつくづく実感できました。

ただ、一般的な日本語動詞をたくさんあげてみてもしっくりこない。Purpose、つまり「世の中や社会に対して何を実現させたいんだろう」という思考を重ね、シンプルに「組織」と「そこで働く人」が生き生きしている状態が実現できていることがEpoChの世の中での存在意義だと改めて強く思い、シンボリックに「イキイキ」と表現することで気持ちがスッと前に向けました。
 
「イキイキを実現する」ために、EpoChは何を果たすべきなのだろう。
Our Mission日本語版は、英語版からストレートにそのまま生かせました。
自身の強みと優位性で介在価値を発揮すること、そして「People / Organization / Culture」を本気で変えていき日本を元気にしていくには「HRの介在価値」で創造することが鍵の一つであると信じて。
 
私自身は器用な方ではないですし、マスに対して大きな影響力を発揮することにあまり長けておりません。それは「自分らしさ」でもないことです。
個や組織単位で向き合い、伴走することが真の強みです。
 
社会における存在意義であるOur Purposeと、お客様に対する使命であるOur Missionに吹き込んだ想い。その上で、何をすることで何に貢献できるかも明文化することにしました。
 
「Accompany you to explore, unlock and maximize your Potential throughout your growth challenge」、「私たちは、成長への挑戦に伴走し、個と組織が持つ可能性に対する探求・解放・最大化に貢献します。」
 
これこそがEpoChの強み・優位性であり、微力ながら世の中と社会に対して貢献し、日本が元気になることの小さいながらもいずれ大きくなるピースになるはず。そう強く思えました。
 

3. 日本が本気で元気になり世界の中で勝つためには。

おそらく、その答えの一つとなること。各領域のProfessionalの方々がその強みと優位性で介在価値を存分に発揮すること、その集合体と団結力が日本の本来持つ強みと優位性なのではないでしょうか。
 
私には、Marketing分野の第一線で活躍する多くの友人・知人がおります。例えば、日本のMarketing Professionalが「消費者が求めていること、消費者の幸せとは何か」を追求するように、私はグローバル組織を体験した日本のHR Professionalとして、そして、エグゼクティブコーチとして「働く人が求めていること、働く人の幸せとは何か」「成長する動機が高い組織の幸せとは何か」を、今後は1つの企業内の枠に収まるCHROとしてではなく、世の中の求められる場所で追求していくことを使命としていくのです。
 
そのために、私自身にも、イキイキできる場強みと優位性で介在価値を存分に発揮できる場が必要不可欠でした。
それこそが、株式会社EpoCh起業への決意でもあります。
 
次回、「起業への想い」最終章となる第3章では、EpoChの今後の取り組みに関して話したいと思います。第2章をお読み頂きありがとうございます。

<EpoCh website>


外資系17年(HRトップ 7年)とプライム市場上場企業 Global CHRO(最高人事責任者)経験の私が「誰もが独自性を強みとして持ち、新しい無限の可能性を秘めている」を自身のコーチング哲学に、2023年3月 起業をしました。サポートくださる方々と一緒に日本を元気にしたいです!