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中目黒駅徒歩5分、目黒川近くのミュージックカフェ&ワインバーepulorによる、音楽、コーヒー、ワイン、アートについてのコラムです。 東京都目黒区青葉台1-19-10 エスセナーリオ青葉台1F 11:00-24:00 月曜定休日 http://www.epulor.jp

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  • music barオーナーが考える、音がいいとは何なのか?

    レコードで音楽を聴きながら、スペシャルティコーヒーやナチュラルワインが楽しめる中目黒カフェ&ワインバーepulorオーナーが考える、音の良さについてのマガジンです。

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    ※この商品はpixivFACTORYで作られた商品です。サンプル画像は完成イメージのため、実物と異なる場合があります。
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最近の記事

正しさの概念、事実の多面性、描かれたオッペンハイマーの現代性について

どれほど強固な普遍性を持っていると思われる正義であっても、程度の違いこそあれ、それはその場に限ったコンセンサスや約束事に過ぎない。支配していたものは、宗教かもしれないし、時代背景かもしれないし、偏屈な指導者が指さす方向性や単なるその場の空気なのかもしれない。あるいはアメリカの安全保障における国防省の意向かもしれない。いずれにせよ、起こったことに対する絶対的な正しさそれ自体は存在しない。正しさとは、結局のところ、それぞれ自分が考えて判断する領域なのだ。 僕が学生だった90年代

    • 地名と文化と経済について。代官山のこと、鎌倉のこと。

      都心では交通の便が良いのと、歩いていても大抵の場所で高い建物に視界がおおわれるがゆえに、大まかな地形を把握することは容易ではない。しかしながら、「名は体を表す」というように、地名には地形や歴史が残されている。渋谷という「谷」から宮益坂という「坂」を上ると青山という「山」にたどり着く。丸ノ内線で新宿から銀座に向かう地下鉄線が四谷駅付近で地上にでるのは四谷がその名の通り「谷」だからだ。 代官山は、渋谷からも中目黒からも歩いていくには坂を上らなければならいちょっとした「山」になっ

      • 分断された世界の接点、PERFECT DAYSがスポットライトをあてた部分とその影の部分について

        エッセンシャルワーカーの人々が実際にどのような人となりで、どのようなライフスタイルで生きているかを、とかく意識しないしないですむということは、それ自体幸福なのか不幸なのかはわからない。作品中に、主人公が言っていた通り、一つの世界が全ての人に共有されているように見えていても、実は無数に分断された世界がそれぞれの接点を最小化するように共存しているにすぎない。幸福か不幸かはわからないにせよ、人々が望んで実現された現実なんだろうとも思う。 PERFECT DAYSの主人公の平山は、

        • AIでepulorのJazzソングを作ってみた

          最近は、AIがすごいので簡単な音楽はAIが作ってくれちゃいます。今回はChatGPTとSuno AIを使いました。まずはChatGPT先生に歌詞を書いてもらいました。 ーーー Q1: epulorのウェブサイトにいって運営しているカフェバーについて調べてください。 ChatGPTの答え1: 素早い検索を行い、これが見つけたものです。 **epulor(エプロア)**は、東京・中目黒にあるアートミュージックカフェ&ワインバーです。中目黒駅から徒歩5分、目黒川の近くに位

        正しさの概念、事実の多面性、描かれたオッペンハイマーの現代性について

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        • music barオーナーが考える、音がいいとは何なのか?
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        記事

          夜の瞑想のジャズピアノ

          最近、繰り返し聴くアルバムがある。Brad Mehldauの「Your mother should know」、主にビートルズの曲をカバーしたライブアルバムだ。Brad Mehldauは最も偉大な現代ジャズピアニストの一人で、Pat Methenyとの共演などでも話題になり、日本にも何度か来て演奏している。そのうちの一つは「Live In Tokyo」というレコードにもなっている。 「Your mother should know」で特によく聴いているのが「For No O

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          嘔吐

          年末のある朝、目を覚ますと同時に強い吐き気を催した。 トイレに行き、嘔吐すると、これは変だな、と思った。前日、酒を飲んだのだが、明らかに嘔吐するほどの量ではなかったからだ。嫌な予感は的中し、そこから加速度的に体調が悪化した。 数分おきに嘔吐か下痢をした。最初のうちはそのたびに水を飲んだが、途中から身体が水さえも拒絶しているということが分かった。水分がなくても催す吐き気は苦しく、嘔吐は次第に絶叫になった。嘔吐した直後の小休止以外は、強力に締め付けられるような胃の痛みを耐えな

          Ars longa , vita brevis

          坂本龍一氏の訃報を知った翌日、epulorに一つの郵便物が届いた。ずいぶん前に注文していた彼のアルバム「12」だった。彼の遺作となったレコードだ。注文したことをすっかり忘れていた僕は、まるで彼からの最後の贈り物として届けられたような気持になって、とても動揺した。再発版の予約注文だったので同じタイミングで同じような感情を抱いた人が他にもいたに違いない。でも、僕はこのレコードを本当の彼からの贈り物だと思うことにしている。不確かであっても、この時に想った気持ちを大切にしたい。 こ

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          正岡子規のガラス障子とル・コルビュジエの窓についての考察

          少し前に新聞を眺めているとセンター試験の現代文がたまたま目に入った。内容は、柏木博氏の『視覚の生命力―イメージの復権』の抜粋文(文章I)と呉谷充利氏の『ル・コルビュジエと近代絵画――二〇世紀モダニズムの道程』の抜粋文(文章II)を比較したものだったが、実に興味深かった。 https://www.yomiuri.co.jp/nyushi/kyotsu/mondai/__icsFiles/afieldfile/2023/01/14/kokugo_mon_1.pdf 結核で寝返

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          2022年ノーベル文学賞受賞したアニーエルノーについて

          ダブリナーズという小説がある。ユリシーズで有名なジェイムズジョイスによる短編集だ。1882年生まれのジョイスが、この短編集を1914年に正式に発表されるまでに10年近くを要したというのだから、初版を書き終えたのは20代前半ということになる。当時のアイルランド社会というか世相についての分析をストーリーテラーとして巧みに構成する技量を、その若さで持っていたという事でも、やはり歴史に残る卓越した作家というのがよくわかる。 若い作家のもつエネルギーや自分の生きる時代に対する感度の鋭

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          アンディ・ウォーホルに辛辣だった草間彌生

          2022年9月から京都でアンディ・ウォーホルの展覧会「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」がスタートしたということで、いくつかの雑誌で彼の特集が組まれている。 epulorでは、Casa BRUTUSの特別編集のムック本を購入した。アンディ・ウォーホルの創刊した「Interview」を意識したのか、彼に関するインタビューで、その多くが構成されている。登場人物も、レディガガ、オノヨーコ、坂本龍一、杉本博司、草間彌生など、そうそうたる顔ぶれで

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          どうしようもない不条理と北北西の風に吹かれた狂気について

          今年の恵方巻の方向は北北西だそうです。節分では多くの人が恵方巻を食べ、大量に余った食材でニュースになり、ノルマを達成できなかった店員が自腹で買い、それを課したマネージャーが非難を受ける、というのを、またあちこちで聞くようになりそうですね。 節分に恵方巻を食べるという習慣は江戸時代に関西で始まったそうです。全国区になったのは、ここ20年くらいの話ですよね。そういえばハロウィンも認知されたのは、ここ20年くらいの話だと思います。こういうのを仕掛けた、マーケティングの人たちは、ほ

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          シュペートブルグンダーの言葉が帯びる形而上学的色彩

          ソムリエ界隈の閉ざされた世界おいて、ドイツのピノノアールはピノノワールと説明してはカッコ悪いという、不思議な常識が成り立っている。ドイツのピノノワールはシュペートブルグンダーと説明しなくてはいけない。所謂、ピノノワールだと後から回り道で説明する必要があったとしても、シュペートブルグンダーと声に出して言わなくてはいけないのだ。 ピノノワールの音の響きは甘美でやわらかく、優雅なフランスのサロン的な音の趣きがあるが、同じぶどうであるはずのものをドイツ語でシュペートブルグンダーと発

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          とある映画の裏話と月夜に流すレコードについて

          「チャーリーとチョコレート工場」という映画を見たことはありますでしょうか?ロアルド・ダールが1964年に発表したイギリスの児童小説「チョコレート工場の秘密」をベースにティム・バートンが監督、ジョニー・デップが出演した2005年発表の作品です。この映画にはいくつかの狂気的ともいえる裏話があります。 作品の中のチョコレート工場に庭園があるのですが、あれは一般的なオブジェではなく、なんとパティシエが全て実際に作った本物のお菓子でできているそうです。また、工場で40匹ほどのリスが台

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          街路樹に立ち止まる女性と飲み込んだまま言えなかった言葉

          数年前の冬のことだ。家から最寄りの駅へ歩いていると、向こうから着物をかっこよく着た女性(たぶん、40代後半から50代位だと思う)が遠くから歩いてくる。 その人は、歩く途中で街路樹の茂みに目を落とすと、ふと立ち止まり、少し屈んで何かを覗き込んだ。なんだろうと思い、すれ違いに彼女の見ているものにチラと目を向けると、美しい赤いサザンカが咲いていた。彼女はそれを眺めていたのだ。 街路樹のサザンカを見るため立ち止まるなんて、なんてかっこいいんだろうか。僕は、何十回も何百回も通ってい

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          アナログレコードとハンドドリップコーヒーの優雅な時間

          僕は朝、レコードを聴きながら、コーヒーを飲む。 目を覚ましベッドを整えると、僕はキッチンに向かいケトルに水を入れお湯を沸かす。朝一番にでる水道水は給水管に滞留した水なので、少し流しっぱなしにしてからセットするのがポイントだ。お湯を沸かしている間に、リビングに向かい、届いたばかりのジャズのレコードをターンテーブルに置き、針を落とす。流れる音楽が部屋に朝を告げ、空間を彩る。 お湯が沸き、キッチンに戻ると、グラインダーで一人分のコーヒー豆を挽き、ハンドドリップでコーヒーを淹れる

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          ミュージシャンの世代性、追悼で流すレコード、語られるエピソードについて。

          僕が英会話学校に通っているときにあるアメリカ人男性から日本とアメリカの違いの一つについて説明してもらったことがある。アメリカでは、遊び方に年齢は関係ない、という話だ。海が好きな人は、いくつになってもビーチに行くし、その遊び仲間の年代は幅広く、20代の若者と60代の大人が一緒のグループにいても特段違和感がないそうだ。 それに対して、日本は遊び仲間といえば、たいていの場合お互いに同世代だし、その年齢によって遊び方が違うのだという。たしかに、若者の遊び方と大人の遊び方は違う。いつ

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