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テクノ新譜試聴メモ:2019-03

Planetary Assault Systems - Straight Shooting [Mote Evolver 55]

Luke SlaterのP.A.S.名義のアルバムが出た。今回はかなりロウ・テクノ、それもヒプノティックに寄せた作りで全曲即戦力仕様、すごくかっこいい。大箱でも小箱でも映える感じ。グラデーションのように変化していくサウンドスケープのなかで、時折引っかかりのある音が急に入ってきたりして飽きさせない。ベテランの凄みがある。4曲めの"Engage Now"の圧も好き。

Setaoc Mass - Evidence [SK_Eleven 7 PT1]

相変わらず抜群にいいSetaoc Mass。自身のレーベルからの2枚組の1枚めにあたるシングルからA1の"Evidence"は、137bpmのアグレッシブな縦ノリハードトラック。安定感のある抜けのいい低音群の上を、2拍ループのブリーピーなウワモノが疾走する。速いね!

Oliver Rosemann - Griess [Konsequent 61]

KonsequentからライプツィヒのOliver Rosemannがデビュー。ダークでドライブしているアシッド。大胆に潰したラフで荒々しいサウンドながら、空間的な広がりを残したよくデザインされた音響だと感じる。これはハマったら気持ちよさそう。この人の曲もっと聴きたいよ。

Dino Sabatini - Yabara [Parabel 12]

ストックホルムのParabel 12番のV.A.盤"Omniform II"にDino Sabatiniの新曲。ぎっしり詰まった中低域、寄せては返すスローな波間の先に、キラキラしたパッドが見え隠れする。安定の世界観。

Scalameriya - Will-O-Wisp [Them 13]

ダークで重いサウンドは健在ながらも、あんまりScalameriyaらしくないイーブンのタイトな4つ打ちハードテクノ。こういうのも作れるんだね。妖しげな笛の音色やヴォイスサンプル、そしてブレイクの重機のようなノイズがめちゃくちゃかっこいい。地味にキックの裏のグルーヴを支えている乾いたパーカッションが良くて、個人的にこういうのがすごいフックになる。

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「テクノ新譜試聴メモ」は、R-9が習慣的に行っている新譜チェックのなかから、気になったトラックについて個人的な覚え書きを残しておくものです。原則としてBeatport上で当月内にEPないしアルバムとして新規にリリースされたものが対象。通常は楽曲単位での紹介、まれにEPやアルバム単位で紹介することもあります。

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