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オープンイヤーステレオヘッドセットSONY STH40D

先日Twitterタイムラインで、音楽を聴きながら周囲の環境音も聞こえるイヤフォン(インナーイヤーヘッドフォン)として「ambie」という製品があることを知った。

ここのところ、新しいパーソナルスピーカーのありかたとして、一昨年から去年くらいにかけてBoseやJBLのウェアラブルネックスピーカーがブレイクしたこともあって、こんなふうに耳を塞がないタイプのヘッドフォンというのがあればいいなとは思っていたので、へえ~あるんだなあと。

わたしは作業中にラジオや音楽を聴くことがあって、まあAMラジオ程度であればGoogle Home miniを使い、ちゃんと音楽を聴くならヘッドフォンというふうに使い分けている。でも、その中間がないというか。要するにこう、スマホの着信や電話や宅配にも気付けて、なおかつ物足りなくないような製品が本当にあるなら、ぜひ試してみたいと思って。

で、ambieが気になって他に似たような製品があるかなと思って調べていたら、ソニーから同様のSTH40Dという製品が出ていることを知った。

ambieが耳元のごく近くで鳴るという構造なのに対して、こちらはより通常のインナーイヤーに近く、イヤーピースのようなもの(この製品では「リングサポーター」と言っている)を耳の穴に入れてホールドする方式。そのうえで、環境音(周囲の音)はU字型のもう一方に設けられた穴から採集して、音導管のなかで自然にミックスする仕組みになっている。

いくつかレビューを読んでいくと、ambieよりもこちらのほうが音質的に聴きごたえがあり、自分の想定している音に近そうだったので、試しにSTH40Dを購入してみることにした。いまどきBluetoothでもなんでもない、有線のリモコンマイク付きイヤフォンとしては別に安くはないけれど、そんなに高くもない…くらいの価格帯。

耳の裏にかけるのとも違う、装着したことのないタイプのイヤフォンで、初めは戸惑う。コツはU字の根元を持って、耳の前方下からスッと差し挟む感じ。普通のインナーイヤーと違って耳の奥まで入れるわけではなくて、あくまでリングサポーターで耳の一番浅い穴を支える具合なので少し不安感はあるけれど、特にズレたり外れたりもしない。ほんとに密閉しないんだね。

で聴いてみると、たしかにあら不思議。スマホで再生した音楽は聞こえているのに、外の音も聞こえている。もちろん音量しだいなところもあって、ガンガン鳴らしていると相対的に聞こえづらくはなるんだけど、そこはスピーカーなんかと同じ。せっかくなのでこの土日のお出かけに持ち歩いて、さまざまなシチュエーションで試してみた。

まず、一番合っていると思うのがお散歩! そこそこ低音の鳴りを感じられるくらいの音量(Androidの警告が出るギリのあたり)で聴いていても、歩行者や車の音が十分聞こえる。いつもヘッドフォンをしていて少し気を配る交差点なんかでも、びっくりするくらい聞こえている。妙な気分だ。

ただこれ、構造上耳を塞がないので、それなりに音漏れはする。だから基本的に、そんなに大きな音で聴くための製品じゃないのだ。よって、まったく合わないシチュエーションが電車の車内。音漏れを気にして音量を絞っていると、騒音で全然聞こえないし、周囲に人が少ないからと多少大きくしてみても、トンネル内や地下鉄のノイズにはまるで勝てない(全然聴こえなくなってしまう)。電車やバスなどの移動中の車内で使うなら、確実に密閉型のほうがいいです。

比較的静かな室内、たとえばオフィスや喫茶店などで利用するにはかなりいいと思う。音量を絞っていても、どの音域も意外とバランスよく聴ける。なおかつ、ふいに声をかけられたとしても十分に反応できる。これはいいかもね。

なお、リングサポーターは初期状態で装着されているMサイズのほかにSとLが同梱されていて、どちらも試してみた。わたしの場合、耳の壁に当たってがっちりホールドしてくれるのはLだけど、長時間つけていると痛くなってくることがわかった。逆にSだとスカスカで、途端にふとした拍子にポロッと落ちそうになる。結局のところMがちょうど良さそう。

まだ買って2、3日なので実用性はもう少し試してみないとわからないけれど、しばらく作業のときは使ってみようと思います。ちなみにこれ、ほぼ同一の設計思想から生まれたBluetooth版のXperia Ear Duoという製品も出ているんだけど、こちらは余裕で2万円超えてくる価格。さすがにそこまではなあ…って感じです。


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