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Oculus Goが来た

5月2日朝6時台、起きがけにいつもの悪癖で横になったままぼんやりスマホを眺めていたところ、数時間前に行われたFacebookのイベントでOculus Goが発表されたことを知った。日本からも既に買えるとのこと。しかも税込み&送料込みで23,800円だという。安い!こうなるともはや迷う要素が全然ないので、眠い目をこすりつつもスマホで速攻購入しました。

わたしとVR

そもそも新しもの好きで、iPadとかも初日に買ってしまうわたしですが、VRだけはなかなか手が出せませんでした。まず高い。最初のOculus Riftも確か500ドル台と聞いてスタンバっていたところ、いざ発表されたら日本からだと送料込みで10万円だった(カートに入れたうえで断念)。そのうえVRに対応するハイエンドなグラボはどんどん値上がりし、何年経ってもこなれた価格になることなくますます遠のいていった。

別に本気で開発したりするんだったら10万円でも20万円でも気にすることはないのですが、わたしの場合はそれだったら欲しいシンセとかもあるし、旅行とかも行きたいし、他にお金の使い道がいろいろある…。

それでも、Google Cardboardが出たときにどうしても興味があって、当時使っていたNexus 6と安価なヘッドセット(Virtoba X5)を使って、いわゆるスマホVRは体験してみました。本当はGoogleのDaydream規格に準拠したものも試してみたかったけれど、Pixel(Googleのスマホ)はいつまで待っても日本で出ないし、それ用にわざわざ高価なスマホを買うんだったらやっぱりOculus RiftとかHTC Viveがほしい。

PSVRはというと、こちらもPS4を買いそろえるところからのスタートなので、どうしても遊びたいコンテンツが出るまではなかなかハードルが高い。先日の「Wipeout Omega Collection」のVR対応のニュースにはグラッと来ました。あとはなんと言ってもエースコンバット7待ちですね。
ともかくも、VRそのものへの興味は続いていました。

Oculus Goという選択肢

一方で、スタンドアロン型のVRの動向にも注目はしていて、FacebookのOculus Go、Google (Lenovo)のMirage Solo、HTCのVive Focusと2018年には続々と新製品が控えていることは知っていました。これらは、高性能なグラボを積んだPCやPS4やその他の機器を必要とせず、単独で動作するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で、今後のVRの普及に一役買うのではと目されている新しいタイプの製品です。

なかでも、後者の2製品は少し毛色が違って、ヘッドトラッキングに対応しています。要は立ったりしゃがんだり、対象に近づいたり離れたりというプレイヤーの動きが反映されるフルスペックのVRにより近いもので、おそらくは技術的にはこちらが本命。特にMirage SoloはGoogleのDaydream OSを利用しているだけあって、GoogleのWebサービスをベースにした多様なアプリが期待できるし、Vive FocusのほうはViveで築いた資産…Steam VRのゲームの対応度が気になる。

かたやOculus Go。Galaxyスマートフォンと組み合わせるタイプのGear VRの延長とはいえ、Oculusという盤石なプラットフォームがあるし、なによりVRに関する最新の知見を凝縮したデバイスということで、仕様と価格によってはとりあえず行ってみようと思っていました。

そしたら、23,800円(32GBモデル)だって。スマホVRにしたって対応スマホの新品が5~6万円するのに、そんな安いならねえ。手も滑るでしょうよみたいなね。

注文5日めに届いた

そういうわけで、Fedexからの日本郵便で到着したのが昨日の夜。現状、小売店での販売はないので、一律Oculus Goの公式Webサイトから購入する形になります。

US以外のパッケージには充電用の電源アダプターが付属しないのですが、Micro USBに対応した5V2Aのアダプター…つまりスマートフォンで利用しているものがあればそのまま使える。購入時点ではバッテリーが25%程度だったので、届いたらまず充電するのがいいかもしれません。セットアップにはBluetoothを有効にしたスマートフォンのOculusアプリを使い、そのほかに無線LAN環境なども必要です。

なお、ちゃんとした製品レビューは既に充実した記事がいくつもあるので、そちらをぜひチェックしてみてください。

普通に使えるVR HMD

正直なところ、画質やVR体験に関してはNexus 6とVirtoba X5を使ったスマートフォンVRとほぼ同等でした。こんなもんか~って感じ。ただUIがめちゃくちゃスマートで、やっぱりヘッドセット内の単体で完結しているプラットフォームって便利です。コントローラーもいい。

ヘッドバンドの調整には意外と手こずる。単にベルクロのゴムバンドなのでそれ自体は難しくないんだけど、位置が微妙に合っているかどうかで装着感が全然違うので、最初に細かく合わせたほうがいいです。

メガネはしていても全然入る。付属のメガネ用スペーサーはあってもなくても(一応つけているけど効果がよくわからない)。瞳孔間距離や焦点は調整できないので、メガネせずに被っても普通にぼやけてしまう。

ビルトインのブラウザーでYouTubeも見られる。普通にログインしてマイリストから動画を探したり、360度あるいは3D動画であれば、全画面表示にした時点でフルスクリーンで自動的に3Dの360度動画として見られます。

ただ、残念ながらGoogleが進めているVR180規格には現状では対応していない。これはPCのブラウザとかで再生したときと同様に、2Dの動画として表示されてしまうので、いずれは対応してほしい。Mirage Soloでは対応しているそうなので、こういうときGoogleとプラットフォームが競合しているというのはイヤだなあ。これからVR180カメラも出てくるしね。

5/11追記:対応するそうです↓

あとこう、Twitterアプリがないのがけっこう不満です。Facebookにはすぐスクショや動画を上げられるしライブ配信もできる。まあスクショはローカルストレージに保存されるし、USB経由でPCに転送するすることもできるのですが、こういうのとかも囲い込みの弊害だなあと感じます。

アプリはまだあれこれ試している途中で、良さげなものに関してはそのうちまたnoteにタグ付けて備忘録として書いていこうと思います。ちなみに、噂に違わずNetflixアプリはすごく良かった。どの姿勢でも見やすい。

目がチョー疲れる

でね、これは完全に個人差なんですけど、もしかしたらわたしの目は長時間のVRに向いていないかもしれない…。強度の近視と飛蚊症持ちのため、おそらく普通の人よりまぶしさに弱く、普段からPC・スマホ・ゲーム機などのディスプレイの類は輝度を最小値まで下げて使用しています。

Oculus Goもホームの設定から画面の輝度を落とすことができて、それだとだいぶ楽にはなるのですが、それでも長時間は辛くなってしまう。せいぜい15分とか30分とかで、例えばこれでNetflixの2時間の映画を観るかというとまず観ない。

なにしろVRは遠くに立体的に見えるとはいっても、物理的には眼球のほぼゼロ距離から発光する画面を見続けているわけです。Oculus Goの装置自体は装着感がよくいつまでも着けていられるだけに、余計に気になるのかもしれません。そうなると、少なくとも自分にはVR全般合わないのかなあという。

ただ、脱着が大変な他のVR機器と違って、Oculus Goは充電時以外は完全ケーブルレスで、いつでも始めていつでも休める。特に、額に当たる部分に専用のセンサーがついており、被った瞬間に即スリープから復帰するため、電源を入れるという操作を必要としないのも大きいと感じます。

Oculus Goに期待していること

Oculus Go、従来の水準で考えるとめちゃめちゃ安いし、製品としてもとっても良くできています。それでも実際のところ、VRになにも関心がない人に購入を薦めるかどうかというと悩ましい。能動的に探しに行かない限りコンテンツが永遠に増えないので、「で、何をしたらいいの?」という状態になりやすいと思います。

しかしそもそも、機器が普及しないとコンテンツも増えない。Mirage SoloやVive Focusなどの後発組の動向次第でもありますが、普通に売れば間違いなく売れる製品なので、Oculusには頑張ってほしい。そしてできれば、少ない牌を奪い合うみたいな囲い込みで先細りするよりは、デバイスにとらわれないユニバーサルな楽しみ方が増えるといいなと思います。

Oculus Goに関してひとつ期待していることといえば、Oculus Rooms。これは、複数のフレンドと会話しながら(Oculus Goは実はマイク&ヘッドフォン内蔵ネットワーク端末だ)、アバターどうし仮想空間の同じ部屋で同じ動画を見たりテーブルゲームができたりするチャットアプリです。わたしはフレンドがいないのでまだ試していない。

つまりこれ、昨今話題のVRchatにある程度近いことができる。ヘッドトラッキングやハンドトラッキングがないため、アバターに身振り手振りを伝えることはできないものの、けっこうおもしろいと思いませんか。

『レディ・プレイヤー1』を例に出すまでもなく、VRの真髄ってこう、肉体の物理的な制約を超えて仮想空間で体験を共有できるところにこそあって、それはまあTwitterタイムライン上のニンジャスレイヤー実況などでは一部実現しているところでもあるのだけど、簡易的にではあるにせよ、Oculus Goのレベルのデバイスでもう視覚的に360度3D物理空間を共有できるところまで来ている!わたしがワクワクするポイントはここです。

Oculus Goに関しては、しばらく使ってみてまたなにか気づいたことがあれば書くつもりです。

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