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作曲のお勉強①-R.シューマン先生に学ぶ-

「シューマン様式のピアノ曲を書こう!」


はじめに

こんにちは。eqhor (エコール)music labo Tokyoです。
今回は、作曲のお勉強をしていきます。

「どんな曲を書こうかなぁ。」と初めの一歩が難しいのが、作曲。
ということで、作曲の先生を講師としてお呼びして、実際のご自身の作品を題材に、作曲の書法を教えていただくことにしましょう。
今回の先生はこちら!

ロベルト・シューマン( Robert Alexander Schumann 1810年 - 1856年)

ドイツロマン派の巨匠、ロベルト・シューマン先生です!
お忙しいところ、ありがとうございます。

先生のご経歴

シューマン先生は、言わずと知れた、ロマン派を代表する作曲家でいらっしゃいます。
ロマン主義芸術の特徴として、文学との強い結びつきが挙げられます。感情を重んじたり空想的な世界への憧れを持った芸術です。
シューマン先生はロマン主義的傾向の強い方でいらっしゃいます。読書家とも知られています。

さて。今回は、シューマン先生の作品をもとにシューマン風のピアノの小品を作曲します。
先生、本日はどんな曲を持ってきていただいたのでしょうか?

今回取り上げる曲

8つのノヴェレッテン Op.21
8 Novelletten Op. 21

「8つのノヴェレッテン 作品21」ですね!Novelletten、つまり「短編小説集」を意味するピアノ独奏の曲集です。曲名からわかるように、シューマン先生らしい、文学的な要素が強い楽曲ですね。

こちらは1曲目ですが、元気な最初の部分と、優美なTrioの流れる旋律が素敵な曲ですね。

分析1-Analyse1-VIの和音

冒頭の和音ですが、F dur (へ長調)の曲なのに、主和音ではない音から始まっています。

1曲目の冒頭

VIの和音(下中和音)から音楽が始まります。シューマン先生の文学的感性、音楽的意味を色々想像してしまう出だしですね。

和声進行要約

ドミナントのVの前に配置することで、サブドミナント的な要素になりますので、これを今回作曲に用いたいと思います。

作曲:ドミナントの前にVIを設定しました

分析2-Analyse2-転調、属七の和音

この作品を聴いただけでシューマン先生、頻繁に転調をすることが好きだということがわかりますが、次の箇所を見てみます。

転調の経緯

「V-I」(ドミナントからトニック)の形で色々な調に転調することが多い先生ですが、このように主調のII度の調を経て終止することが多いので、こちらも取り入れて行きたいと思います。

作曲:B durのII度調(この場合はc moll)を取り入れます。

ところで、例えば第6曲の冒頭を見てみますと、トニック(主和音)からではなく、ドミナントである属七の和音から始まります。

第6曲目の冒頭

動的なドミナントの響きで始まることも、ロマン派的な感性に思えますね。先生は一体どんな物語を描いていたのか、気になります。
このように属七の和音(転回したりして)で音楽を始めることもシューマン先生の好きな形ですね。
今回の作曲でも参考にしたいと思います。

作曲:属七の和音で書き始めます。

分析3-Analyse3-伴奏形

シューマン先生の美しい旋律や和声を支えるのに相応しい伴奏形を考えます。

伴奏の書き方

第1曲目のTrioの流れるような美しいリート(歌曲)のような音楽ですが、内声に分散和音で伴奏が書かれ、音楽を支えていることがわかります。この伴奏の雰囲気も参考にさせていただきますね。

作曲:伴奏を分散和音で内声に。

楽曲創作

さて、これまでのシューマン先生の書法をもとに書いた作品がこちらです!


いかがでしょうか。シューマン先生のロマン主義的な雰囲気を再現できているのではないでしょうか!
先生、本日は教えてくださり、ありがとうございました!

最後に

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