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ピアノ連弾作品を作曲しよう!⑥転調2


●作曲を頑張る。

前回は、転調の方法を勉強した生徒さん。
近親調への転調を勉強しましたが、調子はいかがでしょうか。

今回も頑張るぞ

生徒「せんせー」
先生「ホイホイ」

先生

生徒「近親調以外に転調するにはどうすればいいですか?」

●遠くの調

それでは、実際の作品の転調例を見てみましょう。
次の転調の例は、サン=サーンスのオーボエソナタなのですが、変ロ長調(B dur)からト長調(G dur)に転調している例です。

C. Saint-Saëns : Sonate pour Hautbois

音源はこちら↓
(スマホの方はListen in browserをタップしてお聴きください。)

B dur にとってG durは結構遠い関係にありますね。
前回の近親調の図をもとに考えてみましょう。

近親調の図

この近親調の図を、今回のB dur を中心に考えてみましょう。

B dur(変ロ長調)を中心に考えてみました。

ト長調は近親調にありませんが、「ト短調」があります。
ト長調は、ト短調を主調とした時の同主調ですね。

G durは g mollの同主調なのでした。

つまりG dur(ト長調)は、主調のB dur(変ロ長調)の平行調の同主調なのです。

●転調にはドミナントを用いて

先ほどのサン=サーンスのオーボエソナタでは、G dur(ト長調)に転調するのに、転調先の調のドミナントを使用することで転調しています。

ドミナントを用いて転調

このように、ドミナントを用いることで、転調がスムーズに実現できることが分かります。

●ドミナントを用いない転調

では次の例はいかがでしょう。ベートーヴェンの第九交響曲の第4楽章の中の転調です。

L. v. Beethoven:Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125

音源はこちら↓
(スマホの方はListen in browserをタップしてお聴きください。)

この転調ではD durニ長調)の半終止から、大胆にもF durへ長調)の主和音に突然転調しています。
急激な変化のようですが、これは両方の和音にA(ラ)の音が共通しているので、違和感を感じないのです。

大胆ですが、共通音があるので違和感ありません。

●転調してみよう

それでは、今作曲をしている作品を実際に転調してみましょう。

G durからB durに転調してみました。

音源はこちら↓
(スマホの方はListen in browserをタップしてお聴きください。)


●最後に

今回は2回にわたって、転調について学んできました。
一口に転調と言っても数多くのパターンがあるので、たくさん楽譜を見たり演奏したりして、知識の引き出しを増やしていきたいですね。

色んな曲の中の転調を知るのが大切ですね!
ですね!

次回は、連弾作品の書き方の特徴や、留意点を取り上げる予定です。

乞うご期待!

●お知らせ!

記事で取り上げています、連弾作品(組曲)の全曲版が初演されるコンサートが決定しました!

《ゆうがたくらしっくおんがくvol.4》
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15:00開場 / 15:30開演
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3階 多目的ホール
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《ゆうがたくらしっくおんがくvol.4》
ぜひお越しください!!

●最後に…

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生徒:平田真里奈
《プロフィール》上野学園高等学校音楽科演奏家コースを経て上野学園大学演奏家コースに特待生として入学。現在4年次に在籍。合唱、器楽、声楽の伴奏及びソロのほか2022年「Pianoduoまなつ」を結成し演奏活動を行なっている。
第11回東京ピアノコンクール高校部門 審査員特別賞、第82回東京国際芸術協会新人演奏会オーディション、コンセール・ヴィヴァン新人オーディション(室内楽部門)合格、第25回万里の長城杯国際音楽コンクール優秀伴奏者受賞。
ソルフェージュと作曲を武澤陽介、室内楽を荒井伸一、声楽伴奏法を吉田伸昭、ピアノを佐古田彩子、安田正昭、星子知美の各氏に師事。

Pianoduoまなつ
石川千夏 & 平田真里奈 (Piano)
出会いは幼稚園時代。音楽を通して繋がり、2022年第6回きらり鎌ヶ谷アーティスト発掘プロジェクトへの参加を機に「Pianoduoまなつ」を結成。



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