面白さとエモさの共存:『成瀬は天下を取りにいく』の感想
はじめに
どうも、いこーるです。
昨年、宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』を読んだんですがめちゃくちゃ面白かったので紹介します。
この小説の概要
滋賀県大津市に住む女子中学生:成瀬あかりの周囲の人々が彼女の荒唐無稽なチャレンジ(ほぼ奇行)を発端に人生の方向性が少しだけ変わる様子を描いた小説です。
帯には「史上最高の主人公現る!」って書かれていますが最終章までの語り手は成瀬の周りの人々です。
簡単な感想
※軽くネタバレ含むのでこれから読むという方は気を付けてください。
話の面白さは読んでもらえばわかると思うので、それ以外の部分で感想を。
一つ目、この本で主な語り手になるのは成瀬の親友島崎みゆきです。
一言で表すと成瀬あかりオタクです。
この子マジでオタクの才能があると思うんですよ。本人はそんな気ないと思いますけど。
このモノローグが全てを物語ってますよね???
オタクは推しの人生の一部になりたいのではなく、推しの人生を立木として見守りたいものなんですよね(でかい主語)
二つ目、この小説の主人公、変人だけど文武両道の天才女子成瀬あかりは物語中で散々人とかけ離れた感性を持り、マイペースに己の道を突き進んでいく姿を見せます。
そんな成瀬は途中までフィクションの存在という感じが大きいのですが、この本の最終章で思わぬところで壁にぶつかる成瀬は、この子も変わっているけど一人の人間であることを示し、そしてそれが誰によって引き起こされたのかというの点がこの小説の激エモポイントです。
これはなかなか感情として表現しにくいモヤモヤしてるけどなんか良いものなのであえてエモいと言わせてもらいます。
全てはここのための前振りだったんだなとこの感想を書いていて思います。
おわりに
ということで簡単ですが、『成瀬は天下を取りに行く』の感想でした。
マジで超面白いのでぜひ読んでみてください。
筆者Twitter:@equal_5240
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