見出し画像

未知の経験をしてみる

突然だが、わたしは留学前に
週に何回かキャバクラで働いていた

フリーランスで看護師をやりながら
自由に何にも縛られず、自分のタイミングで
好きに出勤できるキャバ嬢は都合がよかった

26年間生きてきて
キャバクラで働くことなんて
想像もしていなかったが
2ヶ月で17回の出勤を経験し、

そのうちの1回はテキーラの飲みすぎで
目も当てられない状態にまでなり
優しいギャルに介抱されて
二日酔いの朝を迎えたこともあった
これはこの体験において
一生忘れられない1番の思い出になったよ
優しいギャル杏奈さんありがとうー

事の発端は、姉が1年ほど前よりキャバクラ店でバイトをし始めたことから始まった

学生時代のほとんどを勉強に費やしたといってもいいくらいにガリ勉だった姉こそ、
この世界にほど遠い人物であったが
思いがけない世界に足を踏み入れるという出来事は人それぞれにやってくるのであろう

この仕事のおかげなのか不明だが、
姉は20代の終盤にしてようやく
垢抜ける ということを覚えた
洋服も化粧にも大してこだわりがなく、
当たり障りのないもので
身を固めていた姉だが、
より自分に似合った色から形のものを
身に着ける努力をするようになった

「この前〇〇組の組長から名刺をもらったよ」
「今はおじいちゃんで孫もいるんだって、優しいひとだったよ」
「この前、お客さんに付き合ってよってずっと言われて困った…」

姉から聞くキャバ嬢体験記は
内情が少しも分からない未経験者からすると、
少し怖い世界のように感じた

友人たちの中では大学生のころにバイトで短期間やっていたみたいな人も結構いて、
若いうちにこの世界を知ってみてもいいかもと思い紹介してもらった。

姉妹でこんな会話を共有することになるなんて思ってもみなかったが
わたしは姉の紹介で、
同じ系列店で働くことになった

働いてみての第一の感想は、
意外にも働けないことはない環境だった

女の子の派閥も陰湿ないじめもなければ
店長が気持ち悪いと言ったこともなかった

しかし、キャバ嬢という接客業は
簡単なものではなく想像していた以上に
努力と研究が必要で奥が深いものだった

まず会話のキャッチボールが難しい
会話が続かないのである

別卓では下ネタですごく盛り上がっていたりするが、もともとプライベートでもしっぽり静かに飲んでいたい派のわたしは
完全に場違いだなと思うことがしばしばある

長年キャバ嬢を経験している女の子たちは
相手に合わせて話す内容も
テンションも変えているようにみえた

それもキャバ嬢という位置付けを
しっかりと演出した上での会話だ

演出やエンタメ性を富まないキャバ嬢なんて
つまらないしね、
お客さんが何を求めているのか
しっかりと理解して仕事する必要があった

しかしわたしは、
キャバクラに何を求めに来ているのか?
が本当に分からないモードに入っていた

営業の延長線上で取引先の人と来ました。
みたいなサラリーマンもよくみたけど、
正直無理しすぎでこちらが辛かった

お酒も強くないだろうし、
こんなところに来ずに早く帰りたいだろうし、
あら、家族もいるの…
こんなところにお金使っちゃって…と

そういう風に見ていたけど
「この後、行かない?」とか
「いくらならいいの?」
とか結構しっかり欲を満たしにくる人もいて
ああ、やれやれという感じだった

週に2~3回くらいしか出勤せず、
2か月限定だったこともあり
連絡先を交換しても即ブロックしたり、
自分のお客さんを作ろうと
頑張ることもなく職業体験程度に
ゆるく働いていた私であったが
キャバ嬢一本で生計を立てている子は
本当にすごいなと思った

そんな適当な影響スタイルの自分は
キャバ嬢の御法度でもある
彼氏がいる?と質問に
正直にいると言ってしまったりするのだった 

その正直さがやりやすいと
何回か来てくれた人もいて
そのお客さんには感謝しかないが
キャバ嬢のエンタメ的な立場の
理解も確立もできずに終了したのだった。笑

彼氏いる?の質問には
いない というのがセオリーらしい
相手に期待を持たせて、色恋関係のような
接客トークと連絡をして
また来てもらえるようにするのが
一般的のようだが

そしたら俺と付き合ってよ?
ご飯でもいかない?(同伴) という
分かりきった展開 & 2ヶ月限定
という2点でそこはショートカットに至った

本業だったらちゃんとやってたと思う

お店に来る人は大体同じような人たちで

実生活で何か物足りてない人たち
お金の使い方を知らない若者
若い女の子が好きなおじさん
話し相手が欲しくて優しくされたいひと

大体想像できるよね
みんな誰だってチヤホヤされたい生き物なのよ

ただ意外にも怖い人とかは基本的に居なかった
見た目がいかつい人こそ大体優しくて、
ジェントルだったりする

乾杯、おっぱい、チェーリーパイ

これはお店のナンバー2のギャルが
テキーラ乾杯のコールでよく言ってたセリフ
これ、オリジナルなのか?
昔からある伝統的なコールなのか
なかなか適当な組み合わせで面白い

お酒はアルコール抜きでウーロン茶を
主に飲んでたわたし
テキーラは誤魔化せないので仕方なく飲んでたけど無理強いはされなかったし、
そこのところはかなり優しかった

ただプロのキャバ嬢たちは異常
1日に30杯とかテキーラを飲めたり
シャンパン5本開けたり、
まだ若いのに毎夜毎夜心配である
飲めば飲むだけバックが入ってくるから
彼女たちにとってはいいんだろうけど
身体的には何も良くない

それぞれ太客みたいのがいて、セフレなのか
よくわからないけど身体を張って頑張っていた

どの職業においても
自分の何かを武器にすると共に
必ず何かを犠牲にしているものだよね

キャバ嬢の場合は第一に肝臓、
多くの場合で肺も
自分が喫煙しなくても副流煙が発生するから

あとシーズン問わず薄着で店内は寒いため
女性特有の冷えとの戦い
様々な客と色恋関係を演出しなければいけないので切り替え上手で強靭なメンタルも
持ち合わせていないときっときつい

お客さんはやりたい放題だからね
失礼なことも平気で言ってくるしね

やっぱり、決して簡単な職業ではない

それでも女の子として扱われる嬉しさが
あるから頑張れるのだと思う

思わぬ著名人やその業界のドン的な存在に
出会えるきっかけがあったり
その人に気に入ってもらえた時など
自分を認めてもらえた気がして嬉しいのだろう

わたしの場合、
「チャリで来た」のプリクラで
有名になった人と卓を囲んだりしたな

だれ?って感じだったけど

他ではできないような経験をさせてもらい
全然苦ではなく、面白い日々を過ごした
店長にまた帰ってきていいからね。
と言われたり
円満にこの経験を終了することができた

短い期間でも良好な人間関係が作れたこと
知らない世界に飛び込んでうまく立ち回れる自分に驚きの連続幻days⭐︎

偏見だけで世の中をみないこと
どんなことでも飛び込む勇気を持つこと
この意識が自分の自信に繋がり
自分の世界観を広げるきっかけになると思う

人の話をよく聞くこと、人を楽しませること
自分の人生にプラスになる経験ができたことに
感謝したい

女の子たちは今日もみんなを
楽しませてるだろうな〜

女ってほんとにたくましい
そんな当たり前の事実を改めて感じて
女である自分が誇らしく思えた瞬間だった


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?