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高齢者が健康のために使えるお金は月○○○円!?

~本記事の要約~
1.高齢者は毎月3万円の赤字生活を送っている
2.赤字生活でも”お金の底力”によって生活が支えられている
3.シニア層の健康意識と消費額は年々増えている

みなさんの老後は、どのくらいお金があれば生活できそうですか?

高齢者の平均所得は300万円強と言われています。

恐らく、この記事を読んでいる方は20~40歳くらいだと思うので、その年代の年収と比べるとかなり少ない額だと思われます。

今回は少ない収入額から「高齢者が健康のために使うお金はどれくらいあるのか?」ということを考えていきたいと思います!

①高齢者の平均年収と生活費

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2019年度時点での高齢者世帯の平均所得は312.6万円(①)。
高齢者以外の世帯所得が659.3万円なので、おおよそ2倍以上の差があるようです。

予想がつくかと思いますが、高齢者の収入のほとんどが年金です。そのため、このような額になるのは仕方がないことと言えそうです。

続いて、生活費。これは意外とみなさんが知らない部分かと思います。

※ここでは分かりやすく生活費と言いますが、厳密に言えば「消費支出」と呼びます。

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一例として、厚生労働省のデータから働いていない高齢者夫婦の平均的な家計収支を見てみましょう(②)。
平均収入は20.6万円で、生活費は23.9万円。・・・まさかのマイナス33,000円の赤字。

若者であれば、働くなり借りるなりして収入源を増やせばいいのですが、高齢になると中々できるものではありません。

一見、収入が少ないため大変な生活をしているようにも見えますが、実は高齢者には”お金の底力”があるようです。

②若者には無い、高齢者の”お金の底力”とは?

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それは、貯金の多さ借金の少なさです。

高齢者以外の世帯・子供のいる世帯と比べると、高齢者は貯金額が700万円を超えている割合が4~5%も多いようです(①)。

また、借金を抱えている高齢者世帯は8.1%しかおらず、他世帯と比べると20%以上も少ない結果となりました。

そのため、赤字生活を送っていても貯金を切り崩すことで健康・医療に関連した出費ができると言えそうです。

では、最後に高齢者が実際に健康維持のために使っている金額を見ていきましょう。

③高齢者が健康維持に使うお金は案外高い!?

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そもそも高齢者は健康を維持するためにお金を払うことはどう思っているのでしょうか?

こちらは経済産業省のHPに記載されている年齢別のスポーツクラブの使用料です。

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ご覧の通り、50歳代以上は40歳代以下に比べると、支出金額が多い傾向にあります(③)。
そして、以前と比べるとスポーツクラブ関連の支出金額・会員数は増加傾向にあります。
これは、高齢者の健康意識の高まりや運動環境の充実が関連していることが考えられます。

また、高齢者が優先的に使いたい支出項目においてはも「保健・医療関係の費用」は上から三番目となっています(④)

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特に既婚者・2人暮らし以上の世帯は独身・一人暮らし世帯と比較すると「保健・医療関連の費用」を優先的に使いたいという割合に大きな差が生まれました。

もしかしたら、誰かのために健康である必要があると思うことが背景にある結果なのかもしれません。

今回のことから、高齢者が健康のために使える金額は約5,000円だと思われますが、暮らしや生活で重視しているものに左右されると言えそうです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

【参考・引用文献】
厚生労働省:2019年国民生活基礎調査
②総務省統計局:家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年) 家計の概要
③経済産業省:産業活動分析
④経済産業省:令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(概要版)

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