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もし男子トイレから女の人が出てきたら

ただいま天狼院書店さんのライティングゼミを受講しています。
最後まで読んで面白く読んでもらうための文章を書くために飛び込みました。
毎週2000字のお題自由の課題を提出しOKがでればHPに載せていただけます。

今週は……


はいダメでした💦

面白い文章で載せるか迷ったけど最後が気になったのでとご指摘を受けました。
確かにご指摘はごもっとも!でした。
というわけで今回はその指摘された部分を思い切ってがっつり削除して改編してアップさせていただいております。

それでは本文です
↓↓↓

後輩が慌ててやってきた。

「先輩ちょっと聞いてください」
「どうしたの?」
「さっき男子トイレから女の人が出てきたんです!」
「え?」
「なんかよからぬ事してたんでしょうか……」
「いやー、ここ病院だからそんなことないでしょ」
「そんなことないですよ。それにトイレ間違えるなんてことあります?」
「あるある」
「え」

そう、私は間違えて男子トイレに入ったことがある。
あれは数年前の話だ。
約束の時間までかなり時間があり、百貨店の中を色々見て回っていたが、最終的に本屋で時間をつぶすことにしたのだ。
雑誌や本を手に取り時間を過ごしていると突然便意を感じた。
本屋にいると不思議に思うのだが便意を感じることがある。
これは私だけではなかったようで、他にも経験者がいたようだった。
一度ネットで調べてみるとこれは“青木まりこ現象”と呼ばれているらしい。
青木まりこさんという女性が雑誌に

「書店にいると突発的な便意をもよおすことが、しばしばある」

と投稿したのが始まりだそうだ。
なんと英語圏にも“Mariko Aoki phenomenon”として知れ渡っているとのこと。
この投稿はたくさんの読者から共感を呼び、投稿者の女性の名前をとって“青木まりこ現象”として知る人は知る現象となった。
医学的に証明されたわけではないが、書店の静かな空間と活性化する腸の働きとの間には何らかの関係があるのではないかと考える医師もいるそうだ。
この時はそんな現象があるなんて知らなかったが、とにもかくにもおなかが痛い。
トイレ、トイレはどこにある。
こじんまりしているとは言え天下の百貨店だ。
トイレが無いことはないだろう。
と私は便意と戦いながら必死に地図を探した。

「よし!ここにトイレがある」

トイレの位置を確認して直行した。
トイレの中に入るとすぐ個室があった。
幸い開いていたので入り、無事に用を足すことができた。
そして便座にすわりながら落ち着きふと疑問がわいた。

「そういえばこのトイレ、女性用なのに個室1つだけなのかな」
「綺麗なのはさすが百貨店のトイレやけど、この広さで個室が1個だけなんてなんと不親切設計なんやろうか」
「ま、ここキタとかミナミとかじゃないし人もそんなに来るエリアじゃないからいいんかな」

と自問自答しながら用を足して個室を出た。
手を洗いながら、

「やっぱり百貨店なのに女性用で個室1つはないわ」

と思いながら私はトイレを出た。
するとなんということだろう。
堂々と男性が入っていくではないか。
しかも私を凝視しながら。
私は驚いた。

「いやいや、お前女子トイレに堂々と入っていくんじゃねーぞ」

と堂々と入っていく男性を警備員にでも通報してやろうかと思い、目をやると私が入っていたトイレは男性用トイレであることが発覚した。
一瞬頭が軽くパニックに陥った。
よく見かける赤は女性用、青は男性用で色分けされていない。
茶色い壁に帽子を被った紳士のレリーフが薄茶色で彫刻されており、英語で

“gentleman”

と刻印されていた。
さらに追い打ちをかけるようにトイレの見取り図が貼ってある。
それによると確かに個室は1個だが、手洗い場の奥に男性用の小便器が3つ並んでいるようだった。
おそらく百貨店仕様なので手洗い場から小便器が見えないようかなり壁が大きく作られていた。
実際私もそれで気づかなかった。
出てから対面に女性用トイレがあり、ちゃんと個室は3つあった。
不親切設計だなんて思ってしまって申し訳ございません。
同時に先ほど私が通報してやろうかと思ってしまった男性にも心の中で丁重にお詫びし、逆に私が通報されないように早急にその場から立ち去ることにしたのだった。

この話をやってしまった翌日に当時いた職場で話すと

「いやいやそれは無い」
「でもあんたやっちゃいそうよね」

と笑い話となった。
そして今後輩にこの話をした。

「えー! 何してるんですか」
「いやー、ほんと追いつめられると何するかわかんないね」

と笑っていると

「あ、僕も経験あるんだよね」

と私の先輩が言った。
どうしても我慢ができずとにかく用を足そうと必死で入った時には誰もいなかったこともあり、そのまま気づかずに用を足した。
出た瞬間に入ってきた女性と鉢合わせ、すぐに手を洗って慌てて出たそうだ。
そして入ったトイレが女性トイレだったということに気づいたそうだ。
一度テレビでこの話題で盛り上がっていたこともあり、実はこの失敗意外とやったことがある仲間がいるのかもしれない。
書店に入ると便意をもよおすのが“青木まりこ現象”だとしたら、書店で便意をもよおし我慢できずに慌てて駆け込み間違って反対の性別トイレに入ってしまうのは“小田恵理香現象”と命名してみようか。
そんなしょうもないことを考えてしまった。
もちろん盗撮やよからぬことを考える不届き者は例外だが、もしそんな事態に遭遇してしまったら通報してやろうと思わず、

「間違えて入っちゃったのかな、それだけ我慢できなかったんだろうな」

と温かい目で見てあげてほしい。
やってしまった本人は気まずさ全開なのだから。

〈終わり〉

いかがだったでしょうか?
経験……あります?(笑)
今回ここで終わったのですが提出したときはその後輩がこの人!と言ってきた人の正体が判明したのでそれを記載したんです。
コメディととる人もいれば、ネタにしやがってと怒る人もいるでしょうとのことで確かにそうだな。と
今回も勉強になりました!
残りもあとわずか!
頑張ります☺




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