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Şile黒海沿いの街へ

コントラバス奏者の河崎純さんが、先日クルド人ミュージシャンのHozan Kawaとコンサートで共演され、その時のことをまとめたブログのリンクを送ってくださった。

「そういえば、このブログの背景の写真は、イスタンブールからバスで2時間くらいの、シレというところです。」と教えてくださったので、Google Mapで見てみたところ、それは黒海沿いにある小さな街のようだ。黒海沿いの街へは行ったことがなかったので、行ってみることにした。

ところでこのブログの内容も強烈で、何度も何度も読み返している。読んで思うことあり、別の日に書いたまま寝かせてある記録に手を加えている最中だ。2、3日後にnoteにアップしたい。

さて、Şileについて、昨日遊びに来ていたAliとRubar、そしてBelgizに「明日Şileに行こうと思っているんだけど、行ったことある?」と聞いてみた。誰も行ったことがないという。

Rubarが、いいアクセス方法がないかを調べてくれたところ、ユスキュダルから直通のバスが出ているらしい。カドキョイからだとバスを乗り継いで2本で行けそうだ。

朝8時頃に家を出て、バスで出発した。1本目のバスに40分くらい乗って、降りたところに、通常のバスよりしっかりした観光バスのようなバスが停まっていて、それがŞile行きのものだった。そのバスに乗って大体1時間半くらいで到着。片道が合計40リラ、300円くらいだ。めちゃくちゃ安い。

ŞileのOtogar(主に長距離バス用のステーション)に到着して海側を目指して少し歩いていくと、まあきれいな海がすぐに目に飛び込んでくる。黒海というと、日本海のような海をイメージしていたけど、想像していたよりもあおく澄んでいた。



海沿いを歩いていると、魚介を出す食堂がたくさん並んでいる。せっかくだから、何か食べようかなと思っていると、新鮮そうな魚がたくさん並んだ食堂の前で、カーネルサンダースのようなおじさんが「Buyurun(どうぞ)」と声をかけてきた。

「何がありますか?」と聞くと、「好きな魚を選んで、焼いたり揚げたり、あとこっちにムール貝や海老もあるから、好きなように調理するよ」とのこと。どの国に行っても、新鮮な魚介がとれるところではこのシステムをとっていることが多い。

おじさんに勧められたニシンのような魚をグリル、ムール貝をフリットにしてもらうことにした。

料理人が料理してくれている間に、カーネルサンダースとGoogle翻訳を使って会話する。

「女性が一人で来るなんで、勇敢だね!」「私の故郷はサブランボルというところでとても綺麗なところだよ!」

料理が運ばれてくると、カーネルは「Afiyet olsun!(召し上がれ!)」と言って、また客引きへ戻って行った。

どちらの料理もとても美味しかった。魚も新鮮なので焼き過ぎずホクホクしていた。



河崎さんから、Şileはコットンで有名なところだと聞いていたので、カーネルに「綿の衣料品店はどのあたりにありますか」と尋ね、大体の場所を教えてもらう。

教わったあたりに行ってみると、とても可愛らしい街並みだった。確かに、綿の洋服を扱う店も並んでいる。いくつか試着してみて、1着購入した。「Kurd û Kurmancî」の収録時に着ようかな。



傾斜の多い街をぶらぶらして、結構歩いたので少し疲れてきて、厚い雲が空を覆い始めたので、16時頃のバスで帰路に着く。

途中で乗り換えるつもりだったのに、コックリ寝落ちしていて、気づけば終点のユスキュダルだった。

日曜日のユスキュダル、人人人人人。ものすごい混雑ぶりだ。海沿いでは5mおきぐらいにチャイやコーヒーやシミット(ゴマパン)を売る人がいる。

面食らっていると、Amedでお世話になったFerayから電話。彼女はWeqfa Mezopotamiaというクルド語研究機関で働いていて、Amedでは5泊ほどさせてもらった。

「今夜、学生向けのクルド語オンライン授業があるんだけど、15分ほど、参加してもらえないかな?えりかがクルド語で話しているのを見せたくて。学生たちのモチベーションもきっと上がると思うから」

という内容だった。彼女には大変お世話になったのに、お返しができていなかったので喜んで引き受ける。

21時にzoomに入っていくと、8人ほどの学生が参加していた。みんな20歳の大学生だ。
はにかみながら簡単な自己紹介をしてくれて、私からはクルド語を始めるきっかけや勉強方法について話をした。

Ferayが、「えりかは、クルド語で歌を歌う人です。えりかの歌聴きたいよね?」と学生にふる。学生たちの反応が薄すぎて苦笑いのFeray。

固い空気の中、Mem Araratの「Zana û Andok」を少しだけ歌った。FerayがMem Araratのファンなので、この曲を選曲。

が、歌った後の反応も、なんだかよくわからないまま、「ありがとうございましたー」と授業が終了。

私が歌い手として全然まだまだだということがよくわかった時間になった。

明日は2回目の歌レッスン!がんばるぞー!

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