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Agirîへ飛ぶ BazîdでEhmedê Xanî先生に挨拶

週末クルディスタンで過ごそう計画が今週からスタート。イスタンブールから一気に最東部のAgirî へ飛ぶ。アララト山の麓、アルメニアとの国境の街Bazîd(Doğubayazıt)を目指す。


Agirî空港へ到着。今回は、余白だらけにしておこうと思い、足も枕も何も決めずにとりあえず飛んできた。空港から出ると「たぶんあるだろうな」と確信していたBazîd行きのミニバスが、やはりあった。それに乗り込む。

乗客は皆クルド語で話している。あぁなんて落ち着くんだろう。ずっとわぁわぁ話していてほしい。クルド語を浴びたい。車窓からの景色は羊、牛、Şivan、緑緑緑。クルディスタンだぁぁ。

1時間半くらいで終点Bazîdに到着。バスを降りると、すぐに運転手のおじさんが声をかけてくれる。

「どこに行きたいの?」
「ホテルに行きたいのですが、予約はしていないんです。どこがいいですか?」
「君、クルド語を話すのかい!」

そう、これがどこでだって繰り広げられる。おじさんたちのこの反応がたまらない。

「やぁやぁ、いくつかいいところがあるよ。連れていってあげるから、バスに乗りなさい」

数人のおじさんたちと再びバスに乗せてもらう。

「名前は?えりか、こっちこっち、ここに座りなさい。どこから来たんだい?どこでクルド語を勉強したんだい?」

こうしてクルディスタンでの滞在は始まってゆく。

「君のクルド名はBerîtanだ!」

みんなクルドの名前をつけたがる。Evîn、Eyşe、今日はBerîtan。わぁわぁ言いながら街の中心地へ。

おじさんのうちの一人が、おすすめ宿のうちの一つに連れていってくれて、「日本から来たお客さんなんだ。クルド語を話すんだよ。一番きれいな部屋を安くしてあげてくれ」とホテルの人に伝えてくれる。

するとホテルの人も「ようこそ!もちろんです。まず部屋を見てみてください。」ミニマムで清潔感のある良い部屋だ。2泊することにする。料金もうんと安くしてくれた。朝食付き、チャイもコーヒーも水も飲み放題だそうだ。

荷物を置いて受付へ行くと、ホテルの人が、わざわざ外まで出てきて、「ここの通りにいろいろ食堂があって、あそこにドルムシュ乗り場があるよ」と教えてくれる。

食堂エリアで、一番おじさん率の高いチャイハネでチャイを飲みながら通りを眺めていると、さきほどの、ミニバスドライバーのおじさんが通りかかった。友達と一緒に私にジョインしてくれて一緒にチャイを飲む。

「行きたいところがあったらどこでも言いなさい。この人、僕の友達はガイドの仕事をしているから、もし必要なら案内できるよ」

ドルムシュでイサクパシャ宮殿とEhmedê Xanî博物館へ行こうと思っていたが、その話にのることにした。

ガイドの仕事をしているというNurîは、アララト山登山のガイドもしているらしく、数日前にドイツからのグループを率いて登頂した時の動画を見せてくれた。さすがに英語が流暢だが、「クルド語にしてください。理解できない部分だけ英語に切り替えてください」とリクエストする。この旅は、音楽の探究のための旅だが、クルド語の向上も大切な目的だ。

Nurîは、Ehmedê Xanî博物館、イサクパシャ宮殿とを、解説付きで案内してくれた。自分では見出せない絶景ポイントにも連れていってくれた。

Ehemedê Xanî博物館兼モスク
イサクパシャ宮殿
イサクパシャ宮殿
イサクパシャ宮殿
イサクパシャ宮殿
イサクパシャ宮殿



「Nurî、ところであなたのこのツアーはいくらですか?」
「いや、今日は君はお客様だからいらないよ」
「いやいや、じゃあせめて食事をご馳走させてください」

ミックスケバブ



ということで、夕方頃に昼食兼夕食。お腹がいっぱいになると、眠くなりどっと疲れを感じる。「今日結婚式があるからおいでよ」出た!飛び入り結婚式!

Bazîdの結婚式、ものすごく見てみたいのに、新しい環境でまた大勢の人と知り合い話す場面を想像すると途端に滅入る。気力がもう残っていない。

断腸の思いでお断りし、宿に連れ帰ってもらう。

部屋に戻りしばらくすると、ピンポンと鳴る。出てみると、最初に部屋に案内してくれたホテルのスタッフの少年がコーヒーを持って立っていた。

「コーヒーをどうぞ」

コーヒー、飲みたかったよ!少年!エスパーすぎやしないかい!感動。

ありがとう少年 ナイスNescafé



ありがたくコーヒーをいただくと、朝4時起きなものでさすがに眠く、小一時間仮眠をとる。起きたら、さぁ課題だ。次回レッスンのための歌練にとりかかる。”Sûlavê”同じ歌詞でメロディーの違う2パターンに取り組む。



明日もBazîdで一日過ごす。もしどこかでDengbêjの歌が聞けたらいいなぁ。その辺のおじさんたちに聞いてみる。おじさんに聞けばたいてい何でもわかる!

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