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地域を超え、世代を超えて集える場所…子ども未来舎 りぜむ@佐渡ヶ島

2023年1月16日に佐渡市新穂潟上に
子どもにとっても、そして大人にとっても
「こんな場所を待ってました!!!」
と叫びたくなる素敵な場所が誕生しました。

その名も【子ども未来舎 りぜむ】。

子ども未来舎とはいえ、
そこは子どもに限らずどの世代も集える場。

今回は、新しく佐渡に誕生した【りぜむ】さんの紹介と
実際に利用してみた感想&様子をお伝えできたらと思うわけです。

りぜむってどんな場所?

りぜむのInstagramをちょいとのぞいてみると…

https://instagram.com/rizem_mirai?igshid=YmMyMTA2M2Y=

“佐渡島の誰もが集える居場所
子どもを中心に誰でもいつでも帰って来られる
暖かい場所になれたら幸いです”

との、プロフィールがお出迎えしてくれる。

地域の古民家をリノベーションして
誕生したりぜむは、

玄関を入ると正面に開放的で明るいメインの大きな部屋があり、
その部屋と隣り合わせで自家製竈(かまど)ありの台所、
奥には和室もあり、2階にも部屋があるのだそう。

浴室もあるらしく、ここで泊まることも可能らしい。

建物の裏手の空き地には、
手作りの遊具もぽちぽちと見える。

とにかく、一度訪れてみてほしいなぁと思う。

何かをしなきゃいけない場所ではなく、
何かしたければすればいいし、
何もしたくなければそれもよしな空間。

居心地の良さが漂っている。

(もしかすると、忙しい現代人の人は、
 “何もしなくていい場所“の方が最初は居心地悪く感じるかも。
 でも、大丈夫。徐々に心と体が居心地よさを発見するだろうから)

ちなみに、【りぜむ】の名前の由来は、
この建物の家主の屋号をそのままいただいたのだそうだ。

佐渡では、各家々に苗字とは全く違う「屋号」があって、
年配の方々は特にこの屋号でつながる覚える関係性が一般的。

なかなか見えてこない子どもたちがいま生きている環境

りぜむは日本財団が主宰する
「子ども第三の居場所」事業の補助金を活用して生まれた。

現在、日本で生きている子どもたちの環境は
けっして優しいものではない。

家庭環境、生活環境、親御さんの経済状況…
なかなかみんな自分のことで一生懸命生きていると、
想像の枠の外を生きている子どもたちのことは見えてこない。

日本財団のパンフレットの表紙には、
こんなメッセージが書かれている。

「困難に直面する子どもたちが
 安心して過ごせる居場所を、日本全国に。」

・家にいるとママに怒られる。
 土日になると「19時まで帰ってきちゃダメだよ」と
 家を出される。わたしがいてもいい場所ってあるのかな。

・好きなだけゲームをして疲れたら寝る。
 夜子どもだけの時間が多くて、遅くまでゲームしちゃう。
 僕は学校に行きたいけど、起きたら昼になってる。

・ごはんは美味しくないからいつも好きなものを食べてる。
 食事は一人、菓子パンが多いよ。

・先生に何を聞いたらいいかわからない。
 分からないから宿題はしない。
 だから先生に怒られる。
 今2年生だけど、ひらがなが全部書けない。

これらは、日本財団のパンフレットに紹介されている
「日本の子どもたちの今」。

中には、もっともっと過酷な環境の中を生きている子どもたちがいる。

家でもない、学校でもない、
それ以外のところに“居てもいい“安心な場所がある
ことで救われる子どもたちはたくさんいるんだと思う。

初めましての方もご安心あれ りぜむの利用方法

ここからは私が実際にりぜむを訪れてみたときの
様子をご紹介できたらと思う。

私が利用させてもらったのは、
月曜日の午前中の時間帯。

基本的に、開放時間中はいつ来てもいつ帰ってもいいスタイル。

すでに子どもたちが何人かわちゃわちゃしていて、
スタッフの方が2人くらいいらっしゃった。

玄関の入り口で、
検温してもらい、名前と利用開始時刻を記入したら、
あとは自由。
(帰るときにも時刻を記入する)

さぁあとはようこそりぜむへ!タイムの始まり。

基本的に大人も子どもも自由スタイル。
平日1日ゆっくりしたい方は、お昼ごはんを持参し、
なんならお好きな飲み物なんかも持って行っちゃって
のんびり寛ぐのもいい。

大人はノートや本なんかを持っていくのもありかもしれない。

個人的に、りぜむの本棚に入ってる本はどれも
興味そそられるものばかり。

ピンと心に触れたそちらの本を1冊拝借するのも大いにけっこう!

子どもたちの声がとぎれない

わたしはりぜむで読もうと持ってきた本をカバンから出して、
ストーブの真横という特等席を陣取って読んでいた。

周りの子供たちはおのおの慣れた感じで、
好きに自分の時間を楽しんでいる。

ずっとしゃべってる。
子どもの声が途切れない。

異年齢でカードゲームに盛り上がってるグループがいたり、
午後のおやつアップルパイ作りを黙々としている人たちがいたり、
(作りたい人が作る感じ)

わたしの隣で、ストーブにあたりながら漫画を読んでいる女の子がいたり。

BGMで流れていたのはハンバートハンバート。
これがまたいい。

そのあとも大人も子どももころころと遊びや取り組むことを変えながら、
時間が流れていく。

時間割も何もない。

あぁいいなぁ。
好きだなぁ。
この感じ。

子どもおとなかいぎ

実はスタートしたばかりのりぜむに毎日のように来ている子どもたちは、
以前sadoベリースクールに来てくれていた子だったりする。

身体はちゃんと大きくなって、
顔つきもにいちゃんになっているけど、
やってることは変わらない。

ダンボール被ってバカ笑いしている彼らを見て、
なんだか無性に嬉しくなったのはなぜだろう。

あの頃のまんまの天真爛漫さと無邪気さで、
そこを失わずにのびのびバカやってることに
ほっとするというのか。

小学校に入ってからのことをちらっと聞いていたから
なおさらそう思ったのかもしれない。

話は変わるが、りぜむの壁も面白い。

「りぜむでやりたいこと」
「子どもおとな会議」

そんな内容や声がのぞけるようになっている。

これはsadoベリースクールのときは、
自分はできなかったこと。

だからいいなぁと大賛成な想いの横で、
ちょいと悔しさも感じる。

大人も子どもも“1人の人間“として対等で、
意見を出し合い、りぜむを心地よくすることに参加する。

こちらの会議は定期的に今後も開催されるみたいだ。

とても楽しみだ。

始まったばかりのりぜむ

ここまで読んでくれている方の中に、
少しでもりぜむに興味をもってくれたり、
知るきっかけになってくれていたら嬉しい。

(佐渡島内の人はぜひ一度ふらりと行ってみてもらえたらと思う)

放課後は学校に行ってる子も立ち寄るのだそうだ。
月曜おやつの日は一緒におやつを食べる。

それをりぜむに来ている子も
学校から立ち寄る子たちも楽しみにしていると
教えてもらった。

この日は、手作りアップルパイで笑顔がにぎわったことだろう。



営業時間
月・水・金:8時〜17時(月曜はおやつの日)
土:10時〜16時
利用料:無料
    別途おやつ代や昼食代は必要です



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