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永遠の音楽 


音楽院の同僚で、最近一緒にデュオを組んでいる
チェロのエルザ先生が
きっと好きだと思うからと、
本を貸してくれた。


中国出身のピアニスト、
シュ・シャオメイ氏の自伝だった。

幼い頃から才能を見出されたにも関わらず
音楽家にとって
いちばん大切と言われる10代を
文化革命に奪われた彼女。

労働キャンプに送られて
革命家になるようにと
洗脳されながらも
決して音楽を諦めることなく、
むしろピアノに救われたと語る。


30歳近くで中国から逃げさり
香港からアメリカに渡って
働きながら勉強を続け
フランスで40歳でデビューした。

フランス語で書かれた本のタイトルは
La rivière et son secret (川とその秘密)

人生と音楽と、
流れ続ける川のように
そして
過酷な生活をしながらも
音楽と共に生きることで
心の内側がどんどん澄んでいくのを感じる。

彼女のライフワークプログラムである
バッハのゴルトベルク変奏曲と同じように
アリアから始まり30章を超えて
またアリア終わる。


心を打たれた箇所はたくさんあるけれど
画家の友人と話すシーンが印象に残った。

「毎晩空を見上げてごらん
よく見れば必ず七色あるんだ」

そしてその色は
見る者の心模様でも変わって見えるんだ。。


あまりに感動したので
エルザにお礼を言って本を返した後
自分でも買い
娘も読んだ。

母の日には
実家の母に日本語版を
送った。



心洗われるゴルトベルク変奏曲はこちら↓






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