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バレンシアの火祭りの思い出 1

バレンシアといえば、パエリア、オレンジ、火祭りも有名だ。

サラマンカに留学していた時に、友人が突然「バレンシアの火祭りに行こう!」と言いだした。

バレンシアは LAS FALLAS ラス・ファジャス(火祭り)で春を迎えます。 一瞬にして焼き尽くされてしまうボール紙で作られた数々の巨大な張子人形は、何カ月もかけて準備されます。 祭りの起源は、3月19日のサン・ホセ(聖ヨセフ・キリストの父親)の日に、 大工たちが古い材木を集めて焚き火をしたことに由来すると言われています。期間中は「ファリャ(張り子の人形)」に火がつけられ、スペインに本格的な春を告げる炎が夜空を焦がします。この火祭りは、2016年にユネスコの世界遺産に登録されました。

それも、火祭りの終わる2日前だった。

この友人は気まぐれで、自分が考えた突然の予定に私をいつも組み込んでくれ、ノーと言えなかった私はその後も色々と振り回された。

バレンシアへ行くための荷物の準備をしていたら、ホストファミリーのおじいちゃんとおばあちゃんに「バレンシアはスリがたくさんいるから十分気をつけなさいね!」と何度も言われた。

それは当時のガイドブックにも記載されていたし、もちろん、私は学生だったから、宝石などは持っていなかったし、貴重品と言えば、お金とパスポートだけだった。

宿泊先は・・

行く前に探す時間がなく、あるかどうかわからないけれど、現地で探すことにした。

今、考えると、すごいことをしたと思う。

もし、なければ、女性二人で外のベンチかどこかで寝なければならなかったかもしれない。

まったく、すごい友人の付き合いをしてしまったと、あとで思ったけど、私はその時、そんなことも考えずに「バレンシアに行くぞ~!」と夢見ていただけだった。

列車で夕方に到着してから、宿泊所探し。

運のいいことに、駅の近くの一つ星のペンション(ホテルよりカテゴリーのランクがかなり下がる)がすぐに見つかった。

このすぐに見つかったというのはラッキーだったというのか・・・

でも、世界的に有名な火祭りの時に、宿泊先を探すのはとても大変なことなのに、本当にラッキーだった。

ペンションの中はとても貧相で、汚かったけれど、ないよりマシ。

シャワ-を浴びて、Gジャンの内ポケットに危なかったかもしれないけれど、パスポート、財布を入れ、カメラもGジャンの中に入れて、盗まれないようにして、張子人形の写真を撮るのに、数時間だけ歩きまわった。(その時の写真は実家にある)

何百体もある張子人形(6~700体)が町のあちこちに設置されていて、きちんと地図も用意されていたので、とても楽に動けるようになっていた。


翌日が人形を火で焼く日。

最終日である「サン・ホセの日」(3月19日)には1体を除いてすべて焼かれ、その年の最優秀作品だけが博物館に保存・展示される。

この日も朝からずっと歩き回って、疲れたけれど、写真をとりまくった。(日本人なので!笑)

夜は、あまり気が進まなかったけれど、身動きも取れないくらい人が集まるバレンシア市庁舎前に行き、「Mascletà」(マスクレタ、爆竹ショー)を見に行った。人に押されて、倒されないようにするのが大変だった。

こんな感じ↓


人形焼きの写真はここにもあるし、グーグルで見るとたくさんある。

その日は人形焼も終わって、爆竹音を一日中聞いてたし、歩き疲れていたので、ペンションに戻って、ゆっくり休んだ。


翌日、帰る列車に乗るのに時間があったので、市内を散策することにした。

大きなバッグ2つをペンションに預かっておいてもらおうと思い、オーナーに聞くと、「置いていって大丈夫だから、安心して行ってらっしゃい。」と言われたので、身軽に出かけることが出来た。

でも、なぜか、私はGジャンの内ポケにパスポート、財布、アパートの鍵を入れ、カメラも内側に隠してた。

しばらく歩いていたら、ドイツ人の男の子(20歳くらいだった)が泣きべそをかいていたので、「どうしたの?」と聞いたら、聞きづらいスペイン語で、

「あそこで、僕の荷物全部盗まれたんだ。」と泣き声で答えた。

「男の子なのに、泣いてちゃだめじゃない!」と私たちのほうが少し上かなと思ったので、そんな風にお姉さん風に言い、

「警察に行かなくちゃね!」と言うと、

「警察署がどこにあるかわからない。」と言うので、友人と私はパトロ-ルしていた警官を見つけて、理由を話してあげ、そこで別れた。

なぜかその時に私は嫌な予感がした。

続きは明日!

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