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北フィンランドの旅 その1 リミンカ:渡り鳥たちのパラダイスへ

ヘルシンキはすっかり紅葉し、秋も深くなりつつありますが、今回は今年の夏の楽しい旅を振り返ろうと思います。本格的な夏を迎えた6月後半、フィンランド北部の町、オウルへの旅へでかけました。前半はカーモス(日照時間の短い季節)の秘密を探る旅と題し、2020年11月にオウルを訪れ、北フィンランドの冬の暮らしの知恵や文化に触れました(こちら)。今回は前回とは真逆の太陽輝く夏の訪問(6月)です。異なる季節に訪れることで、このエリアの異なる魅力に触れることができました。今回はリミンカ、ケンペレ、シュオテ、イー、カラヨキというエリアを訪問しました。

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オウル空港に到着して、まもなく向かったのはリミンカという町。広大な遠浅な湿原が広がるリミンカ湾は渡り鳥たちの憩いの場。何十万羽もの鳥がこの湾をめがけてやってくるのだとか。世界中のバードウォッチャーたちが珍しい鳥をこの目で見ようとこの土地にやって来ます。今回宿泊するのは湿地のすぐ近くに佇む施設。フィンランドの野鳥を専門とする自然センター、レストラン、多様なアクティビティ、レストランなど、サービスが充実しています。

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荷物を部屋に置いた後は、ホテルに併設された野鳥センター見学に。この土地にやってくる鳥たちについて、子供も大人も楽しく親しめる内容です。おすすめは20分ほどのビデオ鑑賞。バードウォッチングではなかなか見ることができない、リミンカ湾の美しい自然の中でくつろぐ鳥の様子を見ることができます。

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野鳥センター見学後はアクティビティを体験することに。インストラクターはリミンカ出身のイラリ。この日はイラリがおじいさんから教えてもらったという、柳の笛作り。フィンランドの子供達が一度は作ったことがあるという懐かしい笛は、枝に水分が十分に蓄えられた、この季節だけ作れる夏の風物詩。ナイフで慎重にカットしながら、なんとか完成。穴の大きさを調節しながら、音がでるようになりました。その後、イラリが用意してくれた白樺からククサをコーヒーのカスで色をつけ、バーナーでリミンカ名物のオグロシギの絵を焼き付けました。湿原の風に吹かれながらの作業はとても気持ちがよかったです。

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ものづくりの後は、メインアクティビティの一つでもある、バードウォッチング。陽気なテンションのガイドさんと共に展望台に向かいます。自分をクレイジーと称する、数十年の経験があるバードウォッチャーのヤリは、鳥の鳴き声でなんの鳥だかすぐにわかるのだそう。ヤリの年季の入った望遠鏡で鳥の姿を探しながら、ヤリ節に耳を傾けました。リミンカ湾は遠浅で広大な湿地のお陰で、鳥が敵から身を隠しやすく、安心して雛を育てることができるのだそう。中には、遥かアフリカの地から毎年飛んでくる鳥もいるのだとか。小さな体で何千キロも飛ぶ鳥たちの遥かなる冒険に思いを巡らせました。その道のプロのお陰で、今まで全く未知だった鳥たちの世界を少し垣間見ることができ、まさに目から鱗のツアーでした。

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鳥の世界に浸っているうちに、イラリが焚き火をおこし、板付にしたサーモンをじっくり炙ってくれました。付け合わせは新じゃがといちごのサラダ。全てイラリのお手製です。焚き火を囲んで、旅の話に花が咲きました。本人自身も旅が大好きで、若い頃は東南アジアを旅したバックパッカーだったそう。旅好きな人だからこそ、旅行者が楽しむことができるプログラムをデザインすることができるのだなと、そんなことをふと思いました。

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夜は旅の疲れを癒すべく、サウナと薪風呂へ。薪風呂からは湿地を赤く染める夕焼けを楽しみました。温泉はないフィンランドですが、お風呂とサウナの組み合わせはなんとも贅沢。お陰で、その夜は何万羽の鳥たちが眠る、リミンカ湾でぐっすり眠ることができました。

ホテル リミンガンラハティ https://www.liminganlahti.fi/

アクティビティ ラケウスアウトドアズ https://lakeusoutdoors.fi/

Visit Liminka https://visitliminka.fi/en/



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